世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

天人楽・あとがき

2012-10-30 07:17:13 | 月の世の物語・天人楽

久しぶりに、髷を結っている什さんです。いや間違えた。これは、什さんが地上に生きている間に、天の国で王様をやっている、幻の王様です。

幻の王様も、魂の奥で、什さんとつながっていますから、本体である什さんの変化を感じて、苦悩しています。

こういう高度な分身の魔法の原理も、お話作家としては考えているんです。どうやってできるか。こういう細かい設定をつくるのも、作家の楽しみというもので。でも、煩瑣になるので書きませんが。まあ、同一人物に、限りなく近いですが、基本、違う人です。でも、全く同じ人とも、言える。

苦悩しているのはたぶん、本当の王様ではなく、王様のために存在を提供しているある存在です。王様自身は、ほとんどなんでもないことなのだ。けれども困るのは、天の国に住んでいる人たち。そして、什さんをそこまで追い詰めた人間たち。

什さんは人間じゃありませんから、地球で自分の仕事を見事に果たして帰ってくる。でもそのとき初めて、人間たちにわかってしまう。王様の正体が。

それは人間たちにとっても、もう、今までと同じではいられないという、現実にもなってくるのです。

天人楽は、人間たちの希望を描いて、終わりました。きっといつか、人間たちは、大切なことに気づいて、新しい道を歩いていく。けれども、それからが苦難の道。この王様は多分、それを考えている。

それがなんなのかは、もう書きません。けれども、人類の未来は、明るい。

なにもかもはこれからです。

月の世の物語、これにて。

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