日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021 - 麦とろ

2021-04-12 22:03:58 | 居酒屋
「鳥玄」のコースは相変わらず盛り沢山でした。しかし、焼物が中心だったこともあるのか、わずかな余力は残っています。「麦とろ」がまだ開いていれば寄ろうと思い立って向かうと、行灯の明かりが今夜はついていました。本活動における最大の誤算といえば、前夜まさかの品切れにより当店に振られたことです。その借りも返したことにより、一切の心残りはなくなりました。満足感と感謝を胸に帰れそうです。

麦とろ
会津若松市栄町4-9
0242-24-9886
1100AM-1400PM/1700PM-100AM

花泉
会津娘
わらび煮物
とろろ天
みそ汁
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東北縦断花見の旅 2021 - 酔い覚まし

2021-04-12 21:48:52 | 東北
「鳥玄」を出たところで九時が迫っていました。機材を担いで出直しても、消灯まではわずかな時間しか残りません。着の身着のまま鶴ヶ城へ向かい、酔い覚ましを兼ねて一周するという顛末です。昨夜以上に静かな城址が印象的でした。
夜桜は昼の部以上に慌ただしくなりがちです。三脚を立てる動作が加わる上に、消灯の時刻も決まっているからです。しかし、撮るべきものを昨夜のうちに撮ったことで、今夜はしみじみ名残を惜しむことに注力できました。三日にわたり楽しませてくれた桜に感謝します。
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東北縦断花見の旅 2021 - 鳥玄

2021-04-12 19:38:43 | 居酒屋
前夜の借りを返したいという考えが、延泊を決めた一因となりました。ただし、「麦とろ」には去年の暮れにも行ったため、今回是非にと思うほどの執着まではありませんでした。むしろ大きかったのは「鳥玄」も選べるという条件です。しみじみ鑑賞したくなる設え、美意識の高さを感じさせる器と盛り付け、さらには店主の所作を含め、視覚的にも楽しめるという点で、当店の右に出るものはないと自分は思います。しかし、唯一にして最大の難点は看板が早いことです。日曜定休という条件もあり、「籠太」「麦とろ」の二軒に比べて、行ける機会はごく限られます。去年の暮れに訪ねているのは同様でも、再訪の困難性という点では歴然とした違いがあるため、今夜はこちらを優先したいという事情があったのです。
八時前にもかかわらず断られた仲間もいます。ましてや物騒なご時世、七時半を過ぎれば早仕舞いもあり得る時間帯です。とるものもとりあえず店へ向かうと、店先に灯る明かりが見えてきました。ただしまだ予断は許されません。恐る恐る暖簾をくぐると、先客は一組残っているだけでした。彼等が帰り次第終わりにする前提なら、今更来てもお断りということは十分あり得ます。しかし、何事もないかのように通されて、安堵感がようやく押し寄せてきました。

当店で感嘆すべきは、隅々まで周到に設計された美しさだけにとどまりません。値段においてもきわめて良心的なのです。とりわけ破格なのがコースと呼ばれるおまかせです。かつて2500円のAコースを頼んだところ、すっかり満腹になってしまい、その状態で「籠太」とはしごした結果、破綻を来したという経験もあります。そのときの教訓を踏まえ、前回は単品を選択し、これで十分という結論に達しました。しかし今回は再びコースに回帰しました。比較的短い間隔での再訪なら、「麦とろ」には余力があれば行くという割り切りが可能です。一軒限りとすることも視野に入れれば、もう一方のBコースを試してみることもできます。その結果、今しかできない方を選んだ次第です。
寿司の松竹梅についてもそうですが、値段の違いは品数よりも食材に依存します。Aコースとの最大の違いは、見るからに立派な海老塩焼きにあります。その海老を主役にして、序盤に串焼き、終盤にとり蒸しが出て、最後に甘味という構成です。献立の幅広さを求める向きにはAコース、焼物を主体にするならBコースというのが適切な選択でしょう。いずれにしても、値段以上に満足できる献立です。
そのようなわけで、海老塩焼きが最大の目玉となるはずだったのですが、今夜はそれをも上回る代物がありました。おなじみの漬物と酒粕が出た後、店主が花を生けているのかと思いきや、その皿がこちらに差し出されたのです。よく見ればこごみを山盛りにした皿でした。市場にはまだ出回っていないものの、知り合いの伝で入った初物だそうです。何かにつけて控えめな店主が、自ら紹介するということは、それだけ貴重なものなのでしょう。しみじみ感謝しつついただきました。

鳥玄
会津若松市栄町4-46
0242-24-9663
1700PM-2200PM(売切御免)
日祝日定休

栄川三合
茄子辛子漬け
蕪漬け
酒粕
こごみ
厚揚げ
かしら串焼
紫蘇巻焼
トマト巻焼
海老塩焼
とり蒸し
バニラアイス
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東北縦断花見の旅 2021 - 第三夜

2021-04-12 19:26:24 | 東北
復路は時間を優先し、会津縦貫道で戻りました。出発からの走行距離が500kmを超えたところで投宿です。日毎に気温は上がっていき、今日は汗ばむ陽気でした。現在も気温は14度あります。昨晩以上の暖かい夜です。
時間を優先した理由は、夜桜よりも呑み屋の方にありました。鶴ヶ城の夜桜は前夜心行くまで鑑賞できたため、第三夜も欲張るつもりはなかったのです。その一方で、戻るのが遅くなればなるほど、昨日のように足をすくわれかねません。そうなれば延泊した理由がほぼ失われるため、少しでも早く帰れる方を選んだ次第です。風呂は後回しにして向かいます。
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東北縦断花見の旅 2021 - 迷ったら買え

2021-04-12 18:08:15 | 東北
出発前から前日までは五分五分でした。しかし、「迷ったら買え」の原則が全てを解決してくれそうな気もしていました。結論から申しますと、車を置いて一旦帰京し、今週末に再開します。ただし一つだけ趣向を変え、若松を一時帰京の拠点にします。
決め手となったのは来週の予報です。今週末こそ全く期待できないものの、来週の後半が晴の予報に変わりました。今週末を利用して、弘前が射程圏に入る場所まで駒を進められれば、見頃のうちに駆け込めるかもしれないということです。ならばその可能性に賭けてみようと考えました。
熱塩まで来たからには米沢まで走り切るのが最も自然な流れであり、帰京の手間を考えてもそうした方が便利です。しかるにわざわざ会津若松へ戻るのは、「今しかできない方を選ぶ」いう原則に基づいています。今週末の天候には多くを期待できないため、会津若松と米沢のいずれから再開しても大した違いはありません。多少の無駄を承知で会津にとどまれれば、さらに一晩滞在できるだけでなく、再開後は喜多方でラーメンをいただく余地も出てきます。時間に追われ続ける花見の旅にあって、このような選択が許されることはなかなかありません。ならばそうするしかなかろうと考えた次第です。
そのようなわけで、今夜は三たび若松に泊まり、明日の列車で帰ります。朝帰りの強行軍を選択したのは、死活問題に直面している飲食業と宿泊業に、せめて貢献するためです。明日からのことはひとまず忘れ、最後の夜を満喫できれば幸いに思います。
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東北縦断花見の旅 2021 - 日中線記念館

2021-04-12 17:50:52 | 東北
さらに北上して熱塩に着きました。旧熱塩駅こと日中線記念館を訪ねます。三日間続いてきた快晴もついに途切れ、南原堤にいた時点で薄雲が出始めていました。喜多方市街に入る頃には日が陰り、今更行っても多くを期待し難いものがありました。しかるにそのまま走ったのは、夜桜になるのを期待してのことでしたが、今年は投光器がありません。物騒なご時世故に夜桜を見合わせたのでしょう。昼夜とも空振りかと一瞬落胆しかけるも、無駄足ではなかったと直後に気付くことになります。ソメイヨシノの大木と、雲の向こうで鈍く光る夕日が重なっていたのです。印象的な光景を一つとはいえ切り取れたことを幸いに思います。
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東北縦断花見の旅 2021 - 南原堤の桜

2021-04-12 16:57:33 | 東北
塩川の市街を経て会津盆地を横断しました。続いて訪ねるのは南原堤の桜です。
ここの桜は大きく二ヶ所に分けられます。その名の由来でもある溜池の堤の周囲と、会津盆地へ向かってなだらかに下る斜面です。白昼は飯豊山に重なる後者に軍配が上がる一方で、日が傾くと前者が俄然様になります。花びらが夕日を浴びて白く輝き、草地には柔らかな木漏れ日が注いで、時折聞こえる鶯の声も風流です。
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東北縦断花見の旅 2021 - 穴場

2021-04-12 15:36:23 | 東北
同じ土地に何回足を運んでも、それ相応の発見はあるものです。今回の旅においても同様でした。
新鶴からの県道を走り切り、坂下の市街に着いたとき、突き当たる国道の先に桜並木が見えました。酒屋に寄ってから向かうと、広がったのは予想以上の光景でした。中学校の裏手から、左の彼方に鎮座する飯豊連峰の方角へ、川の堤に沿う形でソメイヨシノの並木が続いていたのです。視界に入る範囲だけでも1kmは下らないでしょう。桜の木々はまだ若く、なじみの深いところでいうなら三峰川の桜並木と比べても大差がないのかもしれません。根元には人名を書き入れた小さな札が建っており、有志によって植えられた来歴が窺われます。人々の思いが込もった桜と知ればありがたみも格別です。
堤に立って川面を向けば、左手に飯豊山、右手に磐梯山がほぼ等距離に鎮座します。対岸に一本だけあるソメイヨシノの大木が、飯豊山と重なる様子も絵になっています。桜の木々は昨日あたりに満開を迎えたと見え、東からかなりの強風に吹かれても散る様子はなく、枝をしならせ耐える様子が印象的です。しかし、自分以外に見物客の姿はなく、時折散歩客が行き交うに過ぎません。次もまた来たいと思える穴場です。
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東北縦断花見の旅 2021 - 五ノ井酒店

2021-04-12 15:05:17 | 酒屋
時間が押しても酒屋には寄ります。続いて訪ねるのは会津坂下の五ノ井酒店です。昨日は春らしいラベルにつられて会津中将を選びましたが、自分にとってその手の酒の筆頭といえば通称「みどりの天明」です。道中最後の一本はこれで決まりました。

五ノ井酒店
河沼郡会津坂下町市中一番甲3551
0242-83-2170
900AM-1830PM(1-3月 -1800PM)
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東北縦断花見の旅 2021 - 飯豊山

2021-04-12 14:44:31 | 東北
さらに北上すべく移動を再開しました。米沢の千歳桜を再訪するにもやぶさかではないものの、昨日よりわずかに霞んだ遠景と、時間も押してきた状況につき見送りに。一目散に向かったのは、飯豊山を一望する若宮の農道です。西日がやや斜めに当たってはいるものの、一直線に延びる農道の正面に残雪の峰が連なる眺めは見事です。
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東北縦断花見の旅 2021 - 会津若松駅

2021-04-12 14:11:08 | 東北
ままどおるを土産に買って出発しますが、その前に会津若松駅へ立ち寄ります。車を置いて一旦帰る場合に備え、帰りの列車の手配が要るかどうかを調べるのが目的です。わざわざ確かめるまでもないことではありましたが、物騒なご時世を反映し、乗る可能性がある列車はどれもがら空きでした。どう転ぶかは日が暮れたときの気分次第です。
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東北縦断花見の旅 2021 - 植木屋商店

2021-04-12 13:50:02 | 酒屋
「いさみ」から呑み屋小路を辿ると植木屋商店に至ります。花見の旅にかこつけて、手に取ったのは会津娘の「花さくら」です。

植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-1930PM
日曜定休
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東北縦断花見の旅 2021 - いさみ

2021-04-12 13:08:02 | B級グルメ
挨拶だけといいながら、結局長居してしまいました。一時が迫ったところで切り上げ、宿に戻って出発するという、昨日と同じ流れが再現されました。本日も「いさみ」の暖簾をくぐります。
「麦とろ」に寄って行く手も考えはしました。しかし、前夜に続いてまさかの出来事が起こります。駐車場が埋まっていたのです。その結果、今回は縁がなかったものと割り切り、その足で「いさみ」に向かったわけなのですが、消極的な理由だけではありません。昨日先客が冷し中華を注文しているところに出くわし、あの手打ち麺を冷やせばさぞや格別だろうと思ったのです。とはいえ、少しでも間が空いた状況で趣向を変えるだけの余裕はありません。試すなら今だと思い立ったのでした。
こうして選んだ冷し中華は、細かく刻んだチャーシューと錦糸玉子、メンマ、きゅうりを組み合わせ、紅生姜を乗せて辛子を添えたてらいのない出で立ちです。冷やしたことによって際立つ手打ち麺の歯応え、喉越しもさることながら、ラーメンと同じカエシを使っただろうタレの味わいが特筆されます。当店らしい一皿でした。

いさみ
会津若松市馬場町1-13
0242-22-0064
1100AM-1430PM/1600PM-2030PM
7日・17日・27日定休
手打冷し中華900円
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東北縦断花見の旅 2021 - 別れの挨拶

2021-04-12 11:45:49 | 東北
自転車をそのまま走らせ、性懲りもなく鶴ヶ城に舞い戻りました。休止を挟みさらに北上していくか、一旦自走で帰るかはまだ決めかねているものの、花盛りに鶴ヶ城を訪ねる機会はこれがおそらく最後でしょう。そう考えると名残惜しく、休日の喧騒が去った城址を、別れの挨拶がてら訪ねておきたかったのが真相です。
一昨日に着いた時点で満開だったことからすると、そろそろ散ってもおかしくないところではありますが、そのような気配は今のところありません。小鳥のさえずりが聞こえる静かな城址で、今一度見事な桜を観賞でき、再訪した甲斐はあったといい切れます。その一方で、かねがね抱いている疑問も再び頭をもたげてきました。あれほど混んでいた城址が、昨日の今日でこうなるのは、休日の人出がいかに多いかということでもあるからです。
一連の騒動を引き起こしたそもそもの原因は、大量の労働者が一斉に働いて一斉に休む、「古い生活様式」の弊害だと主張してきました。労働者の休みを分散させられれば、少なくとも昨日と今日を平均した程度の人出になるでしょう。それこそが「感染拡大防止」につながる抜本的な対策だろうと思うのですが。しかるに、労働者を効率的に管理したい資本家の都合ばかりが優先され、矛先は「集まり」から「不要不急」の事共に向けられて、飲食店と旅行者に責任が転嫁されてしまったのは嘆かわしいばかりです。
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東北縦断花見の旅 2021 - 若松東栄町郵便局

2021-04-12 10:36:06 | 東北
旅行貯金はしない主義ですが、改元によりキリ番、ゾロ目の日付が増えた影響で、最近しばしば集めているのが風景印です。本日は3年4月12日、つまり年と月を掛け合わせれば日になります。その記念にかこつけ立ち寄ったのは若松東栄町郵便局、鶴ヶ城をあしらった風景印をいただきました。
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