日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021続編 - 茶寮

2021-04-17 20:39:49 | B級グルメ
世界的な祭典の前座が公然と行われる一方、飲食店への無理無体はますます強化されました。「感染拡大防止」なる大義はもはや失われ、「東京五輪開催死守」が目的化しています。安易に同調することは、強きを助け、弱きを挫く卑劣な政策を助長することにもつながりかねません。毅然とした対応を採っても差し支えないと自分は思います。しかしその可能性は低かろうとも思っていました。国分町ではとりわけ強い「要請」が働くという現実を、前回訪ねたときに経験しているからです。看板と同時に「久遠」を出た時点で、そのまま宿へ向かうしかないと思っていました。ところが、国分町通りへ出るや、渡りに船の一軒が。もうもうと湯気を上げる点心の売店でした。中華まん、焼売、ちまき各種が揃う中から選んだのは叉焼ちまき300円也。こちらを〆の一品として持ち帰ります。

茶寮
仙台市青葉区国分町2-9-1
022-224-5831
平日 1100AM-500AM
日曜 1300PM-200AM
年末年始休業
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 久遠

2021-04-17 18:54:52 | 居酒屋
間一髪で救われました。「久遠」の暖簾をくぐります。
はしご酒をする前提ならば、遅くとも五時頃までに仙台へ着く必要がありました。ただし、それはおそらく無理だろうとも思いました。案の定一軒限りにせざるを得なくなったとき、まず思ったのは長年世話になってきた店を優先したいということでした。牛タンなら「雅」か「一隆」、居酒屋なら「おのちゃん」か「なみなみ」です。無理無体な「要請」により、居酒屋はとりわけ被害を受けています。まず向かったのは「なみなみ」でした。ところが、いきなり足をすくわれました。土曜の晩にもかかわらず休業の告知が出されていたのです。「要請」通りの営業時間が告知されていることからして、全面休業しているわけではないように見受けられるものの、真相のほどは確かめようがありません。そこで「一隆」に問い合わせるも、今度は電話がつながりません。こちらもおそらく休業でしょう。「雅」は満席、ICHIRYUも休みで四連敗を喫した末に、最後の砦となったのが「久遠」だったという次第です。

昨年の11月に訪ねて以来の登場です。「なみなみ」の先代店長が独立して開いたという由来についてはそのときにも述べました。料理屋然とした構えから思い描いた通りの店でした。これは酒より料理が主役ということでもあります。牛タンで腹が満たされていたあのとき、万全な腹具合で臨めなかったことに対するいささかの申し訳なさはありました。元々意図した結果ではないものの、借りを返す機会が早くも訪れたのは、幸運だったといってよいかもしれません。
「なみなみ」に臨時休業で振られた挙げ句に流れ着くという状況が、奇しくも再現されました。切羽詰まった状況で二度にわたって救われたのは、何らかの縁があってのことでしょうか。この縁が続いてくれれば幸いに思います。

仙臺和食 久遠
仙台市青葉区国分町2-5-10 石井ビル1F
022-281-9133
1800PM-2300PM(LO)
日曜定休

乾坤一
墨廼江
風が吹く
黄金澤
菜の花南蛮漬けきんぴら
さわら焼霜造り
海老チーズ真丈の春巻
めかじきのハーモニカ煮
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 瀬戸際

2021-04-17 18:32:20 | 東北
その後は脇目も振らずに走り、国道287号線、48号線を経由して仙台に着きました。米沢から170km走って本日は打ち止めです。
東北一の大都市たる仙台には、首都にも先駆け飲食店への無理無体なお触れが下されて、今は実質七時までと小耳に挟んでいました。全体の行程を考えても、仙台に泊まっていければ理想的ではあるものの、飲食店が全く開いていない状況ではいかにも空しいものがあります。米沢を出るとき、舞い戻る可能性を示唆したのもそのためでした。仙台に着くのが遅くなりそうな見通しならば、米沢に引き返してもう一泊していくことも考えていたのです。赤湯を出る時点でどうにか走り切れそうだったため、結局そのまま走ってきたわけなのですが、時間的には今が瀬戸際でもあります。投宿は後回しにして国分町へ向かいます。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 伊佐沢の久保桜

2021-04-17 16:11:34 | 東北
西大塚からの県道を北上した先にあるのが伊佐沢の久保桜です。去年は花見の機会を逃し、暗い中で二度訪ねただけで終わったものの、その状況でも依然として樹勢は弱っているようでした。日中としては二年ぶりの再訪となった今回も同様です。
一時は瀕死になりながらも復活した桜といえば、弘前城の二の丸の大枝垂が思い出されます。雪の重みで根元から倒れているのに出くわしたのは九年前、しかし植え直されるや年々樹勢を回復していき、今や高さを除いて往年の姿を取り戻しました。しかしこちらは樹齢千二百年の老木です。大正生まれのあちらと違い、回復力が限られるのは想像できます。ある年から急に衰え始めたため、一時的な現象であってくれればと密かに期待していたものの、残念ながらその可能性は乏しそうです。予断を許さない状況ではありますが、来年も再会できることを願います。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 西大塚駅

2021-04-17 15:46:30 | 東北
続いては西大塚駅を訪ねます。駅前の花壇に並んだチューリップは、あいにくの雨に祟られ閉じています。咲いたところを一度は見てみたいものです。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 双松公園

2021-04-17 15:19:13 | 東北
南東北屈指の名所、赤湯の烏帽子山公園を訪ねるも、無料で止まれる石段の下の駐車場はあいにく埋まっているところでした。晴れてくれれば200円の駐車料など全く惜しくはないものの、この条件ならそこまでして寄るべき理由もありません。遠巻きに眺めただけで退散しました。続いては双松公園を訪ねます。
規模ではあちらに譲るものの、宮内の市街を見下ろす小高い丘に、一本桜の名木を含む様々な桜が点在する公園は、烏帽子山と双璧をなす名所と自分は思います。ただし食害に遭いやすく、花が咲かない年もしばしばあります。今年も若干その形跡が見られるため、仮に晴れても画竜点睛を欠いたかもしれません。この一帯との相性の悪さについては昨日も述べた通りです。二年ぶりの再訪を果たせただけでもよしとします。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 烏帽子の湯

2021-04-17 15:02:33 | 温泉
雨が若干弱まる一方、空はますます暗くなり、もはや花見になりません。それでも無駄足ではなかったと言い切れるのは、酒屋だけでなく風呂にも寄っていけるからです。「烏帽子の湯」を久方ぶりに訪ねます。温泉地の共同浴場の雰囲気は「とわの湯」「あずま湯」と同様ながら、その名の通り烏帽子を象ったような湯船が当館最大の特徴です。このお湯に100円で浸かれることには感謝するほかありません。末長くこうあってほしいと願います。

★烏帽子の湯
南陽市赤湯356-2
0238-40-2926
600AM-1100AM/1400PM-2100PM(最終受付)
金曜定休
入浴料100円
泉質 単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 52度
pH 8.2
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 地酒蔵ゆうき

2021-04-17 14:21:30 | 酒屋
国道13号線を下って赤湯に着きました。酒屋に寄るのは会津編から数えて五軒目、再開後では二軒目です。訪ねるのは「地酒蔵ゆうき」、遠目には量販店のように見えながら、山形の地酒主体の品揃えは県下屈指、低価格の純米酒の充実ぶりでは他の追随を許しません。創業三百余年の歴史は伊達でないと思わせてくれる一軒です。

地酒蔵ゆうき
南陽市椚塚1605-4
0238-43-6333
900AM-2100PM
元日休業
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 糸合シ由

2021-04-17 13:47:12 | 東北
道中最初の給油は会津編の初日、夏井へ向かう途中でした。そのときに入れた燃料が尽きてきたため、米沢を出るに先立ち補給します。オドメータは238586kmとなっており、通算24万kmまで1500kmを切りました。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 最上川

2021-04-17 13:37:54 | 東北
今後の流れ次第では、米沢に舞い戻ることも一応あり得るところですが、ひとまずこれで打ち止めです。最上川の桜並木がトリを飾ります。
幸いにも、雨は止んだといってもよい程度にまで弱まりました。しばし名残を惜しもうにも、本降りの雨の中では興醒めだったでしょう。天候には残念ながら見放されたものの、その割に敗北感はありません。二年ぶりの花見ができたことに感謝します。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 御成山公園

2021-04-17 12:49:30 | 東北
会津の方にほんの少しだけ戻ります。続いて訪ねるのは御成山公園です。
ここの存在を知ったのは比較的最近になってからのことです。一昨年花見をしたときに、山肌が桜色に染まった場所を見つけたのが始まりでした。市街の桜はあらかた散っていたものの、小高い山の中腹という条件から、ここの桜はまだ咲き残っていたのです。ただし盛りは過ぎていました。
一年の空白を経て戻った今回、あのとき散りかけていた桜は、今まさに盛りを迎えようとしています。晴れていればさぞやと仮想するのは人情です。しかし、惜しまれて仕方ないかというとそうでもありません。むしろ、会津から峠を越えてたどり着き、さらに北上していく途中の高揚感が勝っています。本降りの雨にたたられてもです。花見の旅とは北上する過程だと繰り返し主張してきましたが、今改めてそう思います。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 西部公園

2021-04-17 12:43:33 | 東北
一瞬たりとも上がることなく降り続けてはいるものの、雨足が強まることも今のところはありません。腹ごしらえを済ませたところで西部公園を訪ねます。
西米沢駅の近くにある、野球場を併設した公園です。名所と呼ぶには及ばないごくありふれた公園ながらも、敷地を縁取るように並んだソメイヨシノの並木は見事で、花見の旅では毎度訪ねる場所でもあります。市街の外れにあるためか、上杉神社の桜より開花は若干ながらも遅く、開きかけの蕾も散見されます。あちらの桜は明日あたりにいよいよ散り始めそうですが、この公園なら来週中盤まで行けるかもしれません。日数の制約がない旅ならば、雨が上がって晴れるまで待ち、花盛りを見届けてから次へ行きたいところでした。
実際にそのような経験をしたことが一度だけありました。三連泊した八年前です。異例の早咲きとなったのは今年と全く同様ながら、そこから先が違いました。四月に入るとやたらに寒い日が続き、桜前線が一転足踏みし始めたのです。そのまま行っても桜前線を追い越してしまいかねない状況となり、会津に三泊、さらには米沢にも三泊して、弘前にたどり着いたのは八日目でした。「河岸や」と「加津」に巡り合ったのもそのときです。それ以来、会津と並んで米沢を贔屓にし始めたという点でも、自身とっては一つの転機となる旅でした。遠い昔が甦る一幕です。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 金ちゃんラーメン

2021-04-17 11:50:23 | B級グルメ
米沢に泊まったときの楽しみといえば、翌日のお昼にいただく「金ちゃんラーメン」です。この先にも店舗はあるため、雨の米沢には長居せず、早々に出ることも一応考えました。しかしおそらくこうなるだろうと予想もしました。今回も開店を待って乗り込むという顛末です。
何度か通って分かったのは、席よりも駐車場が先に埋まるということです。本来の開店時刻に寸分違わず合わせて店へ乗り込むと、その時点で残りは2台分でした。最後の枠も直後に埋まり、結果としては二、三分遅れただけでも間に合わなかったことになります。ただしその後もお客は切れ目なく入り、15分ほど過ぎると席も埋まりました。おそらくは、向かいにあるヤマザワの駐車場にでも止めているのでしょう。実は自分もその手を使ったことがあります。建前上あってはならないこととしても、大目に見てもらえているのが実態なのかもしれません。
先日「いさみ」のラーメンを引き合いにしつつ語った通り、丼が運ばれてきた瞬間から立ち上るカエシの香りがたまりません。その香りは次第に薄れていくものの、中盤以降はタレよりスープが前面に出て、手もみの縮れ麺になじんでいき、最後の一滴までおいしいのが「金ちゃん」の特徴と自分は思います。このような味わいの起承転結は、自分が訪ねた全ての支店に共通します。しかし、その中でも特に自分の好みに合うのが米沢店です。今回も立ち寄れたことを幸いに思います。

金ちゃんラーメン米沢店
米沢市林泉寺2-3-28
0238-21-3000
1130AM-1430PM/1700PM-2000PM
月曜定休
チャーシュー麺800円
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東北縦断花見の旅 2021続編 - 本降り

2021-04-17 10:53:56 | 東北
宿を出てまず思ったのは、窓越しの印象よりも降っているということでした。小雨というより本降りです。とはいえ、短時間なら雨合羽だけで凌げる雨でもあります。これならどうにか行けるだろうと思い立ち、まずは上杉神社を再訪しました。
桜が万人受けする理由の一つとして、誰が撮っても様になるという点があるかと思います。斜め上に構えて青空を背にした桜を切り取れば、よほどの音痴でない限りそこそこの画になるものです。しかし、その定跡も曇と雨では使えません。空と地平の明るさが違いすぎ、適正な露出を得るのが難しいのに加え、空と桜の色合いが近く、階調に乏しくなってしまうのです。ただし、城址という立地が悪条件を補ってくれる面はあります。濠の水面へ視線を落とすか、常緑樹の大木を背にすると陰影の対比が生まれ、雨の日でもそこそこ絵にはなるのです。夜桜を撮ってある程度当たりがついていたこともあり、要所を押さえて手短に回りました。
着いたときこそまだよかったものの、雨足が次第に強くなってきました。今が雨合羽なしで凌げる限界と感じます。傘をさしつつ機材も担げばますます面倒です。そうなる前に一通り回れただけでもよしとしましょう。
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東北縦断花見の旅 2021続編 - ホテルモントビュー米沢

2021-04-17 09:31:50 | 東北
会津若松だけでなく、米沢での定宿も確立した感があります。昨晩世話になったのはホテルモントビュー米沢です。
常々申している通り、自分が宿に求めるものは一に料金、二に利便性です。かような観点からすると、市内の最安値に近くて駐車が無料、なおかつ繁華街にも隣接した当館は申し分ありません。収容力が十分にあり、よほど混む時期でない限り当日に手配できるのも、利便性を構成する要素の一つといってよいでしょう。これらの条件はフジグランドホテルとことごとく同じです。
かねがね実感していたそれらの美点に加え、今回特に感心したのは朝食です。一新された朝食を初めていただいたのは去年の暮れでしたが、そのとき感心させられたのは、小皿に分け、ラップを張る手間をかけつつバイキングを維持していることについてでした。しかし今回再びいただいたことにより、内容的にもかなり充実していることに気付きました。ご飯と味噌汁以外にも選んだ皿が九つあり、手に取らなかったものが同じかそれ以上あることを考えると、品数では法華クラブに引けを取りません。品数が多いだけでなく、郷土色と季節感に富むのもあちらと同様です。菜の花のおひたし、筍の土佐煮に根曲竹の豚汁まで加わった、春らしい献立が特に秀逸でした。
用務客も旅行客も激減し、回転は相当落ちたと思われるにもかかわらず、これだけの品々を毎朝用意し、小皿に取り分け随時補充することの労力は計り知れません。そのおかげで朝から腹も心も満たされました。ごちそうさまです。
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