日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四谷赤坂麹町 - おく谷

2021-04-08 19:32:03 | 居酒屋
今朝方小耳に挟んだのは、「まん延防止」なる措置が発動されるという噂です。「緊急事態」ではないにもかかわらず、自治体の独断による「要請」は各地で罷り通ってきました。それに対するお墨付きを与えるようなものでしょうか。そもそもの発端である「集まり」への規制がなし崩し的に緩和されていく一方で、飲食店への無理無体だけが際限なく「まん延」していく現状は嘆かわしいばかりです。せめてもの支援を兼ね、荒木町で一献傾けます。「おく谷」の暖簾をくぐりました。

お上による強硬策の発動が決定的となった直後、死んだように静まりかえった荒木町に駆けつけたとき、唯一明かりを灯していたのがこの店です。あれ以来、当店だけが頼みの綱という状況がしばらく続きました。多少なりとも沈静化し、再開する店が出始めるにつれて、頻度はかなり下がったものの、直近の一年で最も世話になってきた店の一つには違いありません。
繰り返し足を運んで気付いたのは、品書きがそれほど大きく変わらないという事実です。黒板の品書きなら毎日書き換えられるのかと思いきや、七割から八割方は定番です。しかし、一月ぶりに再訪すると、品書きが珍しいほど刷新されたと感じます。春から初夏にかけての風物詩が増えたのです。ざっと挙げても山菜、稚鮎、新筍、空豆といったところが挙げられます。雪が解け、草木が芽吹くこの時期に、四季の変化が最も顕著に感じられるということでしょう。

前回はあわや満席の盛況に面食らうという経験をしました。しかし、焦臭い報道が流れたためか、今夜は一転貸切となり、一年前が再現されたかのようです。足繁く通ったあの頃、何度もおまけをしてもらったのが思い出されます。そして今夜も同様の計らいが。注文した昆布〆にはタコとイカゲソが添えられてきました。箸の進み具合を見計らって差し出されたのは、定番の一つでもあるアスパラ高菜いための小皿です。もう一品いただくにもやぶさかではなかったものの、この小皿があればひとまず足ります。浮いた余力でやきそばをいただき、一時間ほど滞在してから席を立ちました。

おく谷
東京都新宿区荒木町8
03-3351-6451
1800PM-2100PM(LO)
日祝日定休

ザ・モルツ
〆張鶴
お通し(きんぴら)
鯛昆布〆
稚あゆ南蛮
アスパラ高菜いため
やきそば
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