日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

朝令暮改

2021-04-20 21:50:43 | 旅日記
今朝方小耳に挟んだのは、お上が再び強硬策を検討中という噂です。年初から延長を繰り返しつつ続けられてきた強硬策が、先月に一旦撤回されたのも束の間、今月になると新たなお触れが下されて、それすらも半月足らずで反故にされます。しかし、花見の旅は既に始まり、一時中断しているだけです。朝令暮改には対応できません。
一年前、花見の旅をいともあっさり見送ったのは、旅先の皆様方の心情を慮ったからに他ならず、お上によるお門違いな「要請」に従ったということではありません。お上が「自粛」を「要請」できるという理屈は、「不要不急」かどうかを各自が判断できることを暗黙の前提としています。かような観点からしても、「自粛」させられるいわれはそもそもありませんでした。しかし、旅とは他人様の善意に少なからず支えられて成り立つものです。得体の知れない代物に誰もが怯え、責任を擦り合っている状況で、無理矢理押しかけようとは思われませんでした。そのような事態はひとまず解消され、今や世界的祭典までもが開かれようとしています。その前座が、今般のお触れによっても見直されずに続く以上、こちらの旅もそのまま続けていくまでです。
一連の騒動を招いたそもそもの発端は、大量の労働者が一斉に働き、一斉に休む「古い生活様式」にあると主張してきました。しかるにその「古い生活様式」は棚上げにされる一方、矛先は「不要不急」の事共に向けられ、個人の犠牲において資本家の利権が守られようとしています。仮に人類がこの騒動を乗り越えても、強きを助け、弱きを挫く卑劣な政策は、恥ずべき歴史の一部として後世に語り継がれるでしょう。その片棒を担がされるいわれはないと断言します。非国民と誹られても、自らの信条に基づき行動するつもりです。
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