日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021完結編 - はすや

2021-04-25 21:11:26 | 居酒屋
弘前に延泊するなど、夕方までは全く考えませんでした。新青森からその日のうちに帰京するのが前提であって、朝帰りになった場合も青森に泊まるつもりでした。それが瓢箪から駒の結果となったのは、「はすや」が臨時営業していたことだと先ほど述べました。夜桜をもう一度だけ眺めた上で、さらに「はすや」で一杯やれるという状況が決め手になったということであり、前者だけでは足りなかったのです。
観桜期に臨時営業していたことは他にもあり、今回も淡い期待はあったのです。とはいえ虫がよすぎだろうとも思っていました。物騒なご時世によって人出が激減した今、日曜に開けたところでお客の入りも推して知るべしだからです。その予想は残念ながら的中し、今夜は先客皆無でした。後から入るお客もなく、正真正銘の貸切です。瞬間的に貸切となったことはあっても、最初から最後までということになると記憶にありません。前日まではかなり健闘していたものの、今夜ばかりは商売あがったりでしょうか。しかし、お客は来ないと見て早仕舞いしてしまえば、延泊しても蛇足に終わったかもしれません。来るかどうかも分からないお客を待っていてくれたことで、有終の美を飾れたということです。この店が開いていてくれて助かりました。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

豊盃
田酒
華一風
お通し(油揚と白滝の煮物)
刺盛り八点
海老と山芋磯辺揚
鶏皮カラシ和え
サワラの和風ソテー
あら汁
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 投宿

2021-04-25 20:52:29 | 東北
駅前の宿に三泊したことにより、弘前に宿泊するなら市街の方が便利と再認識しました。駅前に投宿してから出直すとなると、それだけでも30分はかかります。それを惜しんで「はすや」の近くに車を止め、投宿は最後に回してきたものの、いずれにしても駅前と市街の間の往復は要り、当日の晩か翌朝かの違いがあるに過ぎません。宿の近くに車を置けることと、そこから呑み屋へすぐ行けることが、自分にとっては重要なのです。
幸い今夜は市街に投宿できたものの、遅くとも朝の五時から走らなければならないことを考えると、そう遅くまでは呑めません。荷物は下ろさず、手続だけ先に済ませてから向かいます。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 月と桜

2021-04-25 20:47:14 | 東北
いけしゃあしゃあと弘前城へ舞い戻りました。毒を食らわば皿まで、今夜も消灯まで粘ってから切り上げたところです。
昨夜でさえ、その前夜までに見るべきものを一通り見たつもりでいました。今夜についてはおまけと割り切っていました。しかし、今更見るべきものもないかと思いきや、思わぬ収穫がもたらされました。月と桜が重なる印象的な光景を切り取ることができたのです。冷たい西風に水面が揺れ、夜桜としては前夜に譲るものの、煌々と月が光る中、上空を流れる雲が印象的でした。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 前言撤回

2021-04-25 19:05:16 | 東北
舌の根も乾かぬうちに前言撤回です。帰りを一晩延ばします。
一晩延ばすということは、朝帰りするということを意味します。会津編ではその日のうちに帰れるところをあえて延泊しましたが、今回は有り体にいうと帰れなくなったのが原因です。一旦帰京する場合、まず新青森と盛岡のいずれにするかという問題がありました。今朝の時点ではまだ決めかねていたものの、新青森から帰るということで一旦結論を下しました。すぐ戻る予定の場合はともかくとして、今回はいつ戻れるかが流動的です。そうなると、新青森の屋内駐車場の効用が大きいという判断です。もう一度弘前市街に寄った後、国道7号線を下って、八時前に出る終列車で帰ろうという算段でした。しかし、名残を惜しんでいるうちに時間が押し始め、今日中に帰京するのが次第に厳しくなってきました。そうなるに至って考えたのは、青森に泊まって朝帰りする強行軍です。弘前から青森まで、一般道なら一時間は下りません。六時過ぎの始発列車に乗る前提なら、遅くとも五時には出ておく必要があります。それはさすがに厳しいため、青森に泊まった方が無難だろうという判断です。しかしよくよく考えると、青森に泊まったところで新青森までの移動はどのみち要ります。実質的に小一時間しか違わないなら、もう一晩夜桜を見ていけばよかろうと閃きました。「はすや」が臨時営業しているのを確かめたことにより、腹は決まった次第です。
そのようなわけで、もう一晩滞在できることになりました。有終の美を飾ったはずが、土壇場の一悶着で延長戦にもつれ込むという展開は、長旅においてしばしばあることです。おまけの一夜も楽しんでから帰ります。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 丸い月

2021-04-25 18:40:40 | 東北
三泊四日にわたる滞在もこれにて打ち止めです。禅林広場の夕景で締めくくります。
岩木山麓で降った霙は、下山していくにつれて雨へと変わりました。弘前市街に戻るまでには上がったものの、岩木山の山頂は雲を被っており、眺めとしては画竜点睛を欠いています。とはいえ、雲の切れ目から残照がのぞく、陰影の豊かな空が印象的です。振り向けば丸い月がほどよい高さに昇ってきました。この月とともに覚えておきたい光景です。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 霙

2021-04-25 18:02:02 | 東北
さらに走ると眺めが一変しました。桜がまだ全く咲いていないのです。しかも一瞬霙が降ってきました。気温は4度しかありません。平地の桜が散った後でも霙が降るということからして、一帯の春がいかに遅いかがよく分かります。市街から小一時間走ってきただけでこうも変わるとは驚きです。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 岩木山総合公園

2021-04-25 17:46:25 | 東北
さらに走ると沿道はオオヤマザクラの並木道に変わります。エゾヤマザクラの別名もある通り、寒冷地に咲く山桜です。直線的な枝振りを特徴とし、桜としての見応えはソメイヨシノに譲るものの、所々に雪も残る中、木立の中で赤っぽい花を咲かせる桜には、北国の遅い春を実感させる生命力が感じられます。津軽平野とは全く違う、むしろ北海道を彷彿させる雄大な景色を求めて、花見の旅の道中でも毎年訪ねてきた一帯がこちらです。
現在地は岩木山総合公園です。上空は雲に覆われているものの、曇り空とエゾヤマザクラの取り合わせが、あたかも五月の北海道を彷彿させます。岩木山は山頂まで一点の曇りもありません。なだらかな斜面の下から桜と岩木山を眺める、お約束の構図で一齣だけ撮ってから切り上げました。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 温泉旅館 中野

2021-04-25 17:30:47 | 温泉
残念ながら晴れる気配はないものの、いくつかの収穫はもたらされました。まず山菜を手に入れました。神社に参ることもできました。さらなる収穫は花見の湯です。温泉旅館中野を訪ねます。
かつてはスキー客、湯治客らで賑わっただろう鄙びた温泉旅館には、この時期だけの見所があります。浴場の外に二本並んだ桜がそれです。まだ若い八重紅枝垂で、枝振りと高さはそれほどでもありません。間近に立てば、電柱を始めとする障害物が目立ってしまいます。しかし、二面に開けた浴場の窓越しに眺めると、窓際からの距離感も、彼方の山との重なり具合も絶妙です。

★温泉旅館 中野
弘前市百沢字高田80
0172-83-2345
800AM-2100PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
泉温 49.8度
pH 6.9
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 岩木山神社

2021-04-25 16:53:57 | 東北
弘前市街の桜が散る頃、見頃になるのが岩木山神社の桜です。小坂の桜と同様、食害に遭う年もしばしばある中、今年は見事に咲きました。それだけに、雲の集まる部分と西日が重なり、陰ってしまったのが残念ではありますが、ここまで旅を続けてこられた礼を兼ね、参拝だけは済ませていきます。拝殿の脇にはわずかに雪が残っていました。自分の足で雪を踏むのは今季最後かもしれません。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 直売所

2021-04-25 16:09:28 | B級グルメ
再び雲は増えてきたものの、そのまま曇ってしまいそうな気配もありません。日中の残り時間を生かすべく、岩木山麓へ向かって車を走らせました。直売所で山菜を買えば一石二鳥という寸法です。二軒訪ねてタラの芽、シドケ、山うどとアスパラを押さえました。

★オヤマ アグリサービス
弘前市熊嶋字亀田30-1
0172-82-6320
900AM-1800PM(12月から翌年3月 -1700PM)

★四季彩館
弘前市五代字早稲田508-3
0172-82-5000
900AM-1730PM
冬季の月曜定休
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 感謝

2021-04-25 15:16:09 | 東北
期待通りに再び晴れてきたため、まだ見頃の桜が多く集まる西濠をもう一周して切り上げました。結局その後も合羽を羽織ったままでした。20度を超えた昨日とは対照的な肌寒さです。盛りを過ぎたこともあり、日曜の割に人出は適度でした。心置きなく楽しめたことを幸いに思います。
夕方に弘前市街へ戻ってくる可能性はあるものの、入園するのはおそらくこれが最後でしょう。十数年通った中でも最高といい切れるほどの年だっただけに、なおさら去り難いところではありますが、何事も潮時が肝心です。四日にわたり楽しませてくれた桜に感謝します。また来年…
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 来々軒

2021-04-25 13:45:41 | B級グルメ
日が陰ったとはいえ青空が広がっている部分もあります。見切りをつけるのは早計です。天気待ちの間にお昼を済ませます。「来々軒」の暖簾をくぐりました。
田沢食堂は定休日です。お昼をどこでいただこうかと考えたとき、いの一番に挙がる候補はここでした。屋号の通りの町中華で、大正年間創業を掲げる老舗でもあります。親子二代で仕事をこなす厨房と、地元客で常に賑わう客席の雰囲気が好ましく、百年続いてきたのも伊達ではないと納得できる名店です。しかしながら、なかなか入れないところが唯一にして最大の難点で、駐車場が埋まっていたり、待ち客が出ていたりして、退散せざるを得なかったことが何度かありました。今回も三人が順番を待っていたものの、幸い彼等は一組でした。その先客が空いたばかりの小上がりに通された後、カウンターに一つだけあった空席に収まるという顛末です。もし先客がいずれも一人だったとすれば、結果は全く違ったでしょう。滑り込めたのは幸いです。

来々軒
弘前市大字茂森町16
0172-32-4828
1100AM-1400PM(LO)/1700PM-2030PM(LO)
木曜定休
チャーシュウワンタンメン850円
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 雨宿り

2021-04-25 13:14:27 | 東北
空の青さは一昨日と互角ながら、天候はやや不安定です。西の方から流れてきた大きな雲で日が陰り、さほどの間を置かずに雨が降ってきました。近くの軒下に逃げ込み、雨宿りをしているところです。
弘前に着いてからというもの、毎朝雨合羽を羽織りました。日が昇ってもしばらくは肌寒かったということです。ただし、今日の寒さは昨日までのそれと全く違いました。薄手の雨合羽を羽織ったまま弘前公園まで歩き、その後一旦脱いだものの、今は再び羽織っています。日陰より日向を選んで歩きたくなる気温です。
都内で桜が咲いていた頃は、汗をかきつつ花見をしました。東北では適温無風が続いたものの、白昼に上着を羽織ったのは初めてです。同じ観桜期といえども、北へ行くほど体感温度は下がります。はるばる北上してきたことを再認識する寒さです。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 八年前の再現

2021-04-25 12:39:43 | 東北
MOSで時間をやり過ごすうちに再び日が射してきました。今日は車を止めたまま、弘前公園まで歩きました。外濠の南端から時計回りに歩いて追手門から園内に入り、三の丸のピクニック広場で小休止しています。
朝方は、いずれ晴れるといわれても半信半疑に思っていました。しかしたちまち晴れて行き、一昨日と比べても遜色のない紺碧の空が広がりました。しかも、適度に雲が出ているため、青空に抜ける桜が一層様になり、多少散っても物足りなさを感じません。空模様が一変するに至って思ったのは、八年前の再現だということでした。
第二部でも当時のことに言及しましたが、あの話には続きがあります。会津若松と米沢にそれぞれ三泊した末に、満を持して弘前へ乗り込んだにもかかわらず、天候が全く振るいませんでした。しかも、こちらが一旦帰京するや晴れ、翌週末に舞い戻ればまたもや雨に祟られて、すっかり諦め掛けていました。ところが、日曜の昼から俄に雲が晴れだして、ついには快晴に変わりました。土壇場の大逆転で見事有終の美を飾ったというのがそのときの顛末です。
今日の空は当時を彷彿させるようでもあります。ついでにいえば、華麗な花吹雪も同じです。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - モスバーガー弘前駅前店

2021-04-25 09:59:37 | MOS
九時を過ぎると日が射して、すわ雨上がりの青空かと色めき立つも、元の木阿弥となりました。再度予報を調べてみると、回復が少し遅れているようです。しかし幸い、天気待ちにはお誂え向きの題材がありました。駅前のMOSに立ち寄ります。
駅前を名乗りながらも数分歩くという立地は、二昔前の店舗を彷彿させます。実際のところ、公式には弘前中野店の移転開業という触れ込みで、前身の頃も含めるとかなりの歴史を持つ店舗です。外観は遠目に見ても安普請ながら、床、壁、天井に白木を奢った客席の造りは上々です。テーブルだけは紛い物かと思いきや、叩いたときに固い音が鳴ることからすると、本物の板が奢られているのかもしれません。一枚板というわけではなく、細長い板を何枚かつなぎ合わせたものではありますが、張りぼての安物が当たり前となって久しい中、歓迎すべき変化です。

モスバーガー弘前駅前店
弘前市大字駅前2-10-7
0172-55-7321
700AM-2300PM
第8145号
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