日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

猫に小判 2021

2021-04-14 20:58:40 | 旅日記
通販としては生涯で最も高い買物です。ただし決断は唐突でした。次回から新兵器を投入します。
発端となる出来事は、去る活動の中で起きました。撮影直後に映写されるデジタルカメラの画像に、ゴミがはっきり映り込んでいたのです。小さな液晶画面でも分かる状況では、もはや使い物にはなりません。そこから先は予備として携行していた先代の機種で凌ぎました。帰り次第すぐ清掃に出したとしても、今週末には戻りません。しかしどのみち天候には期待できない状況でもあります。しばらく予備でやり過ごし、来週末の活動に万全を期して望むというのが、その時点における考えでした。ところが昨晩急転直下の結論に達します。その結論は、これを機会に買い替えるというものです。

自身にとって初のデジタル機だったEOS-1Ds MarkIIIから、現在主力としているEOS-1D Xに乗り換えた七年前、性能の飛躍的な向上に驚かされました。デジタルがフィルムを超えたと初めて実感できたのはそのときです。それ以来、後継機には目もくれずに使い続けたのは、自分にとって必要にして十分な性能だったからに他なりません。後継機のEOS-1D X MarkIIにも、鳴り物入りで発売されたRシリーズにも、食指は動きませんでした。買い換えの可能性がもしあるとすれば、去年出た最新鋭のEOS-1D X MarkIIIだろうとは思っていたものの、それとて今すぐにと考えていたわけではありません。EOS-1D Xの修理対応が打ち切られる来年まで粘り、その時点で考えればよかろうというつもりでした。しかるに唐突な決断に至ったのは、時間を買うという発想の転換によるところがあります。
ヨドバシカメラに発注すれば、翌日には配送されるとありました。即決すれば、今週末から最新鋭の機種を使えるということです。より長い目で見れば、元々の予定に比べて一年早く、最新の性能を手にできるということでもあります。繰り返す通り、今の機種の性能には特に不足を感じません。しかしながら、直近の活動で先代の機種を久々に使い、歴然とした性能の差を感じました。かねがね感じていた高感度性能、合焦速度の違いもさることながら、画像の処理速度も、液晶画面の鮮明さも全く違うのです。それに近い劇的な性能の向上が、現行機において実現しているならば、むしろ今すぐ手にした方が得策のように思えてきたとでも申しましょうか。昨年の足止めによって旅費が浮き、金銭的にも問題はありませんでした。物が物だけにその晩はさすがに踏みとどまったものの、一夜が明けても考えは変わらなかったため、「迷ったら買え」の原則通りに発注するという顛末です。

通販はヨドバシカメラに限るというのが持論です。どれだけ小さな品であっても送料無料、しかも大抵の品は翌日までに届きます。今回に至っては、発注したその日の晩に到着し、手元には一昨日まで眼中になかった最新鋭の機種があります。
プロによる過酷な使用に耐えうるよう設計された本機、自分にとっては猫に小判ということもできます。しかし、プロ用の機種を二十年近く使ってきて思うのは、表面的な数字では測れない、高級機だけが持ちうる余裕の絶大なる価値です。軽自動車が出す100km/hと、高級車の出す100km/hが全く違うようなものといってもよいでしょう。デジタルで初めてそれを感じたのがEOS-1D Xでした。あのとき感じた驚きは再現されるでしょうか。まずはお手並み拝見とまいりましょう。
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