日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

豊穣の福井を行く 2020 - 413系

2020-09-23 21:42:31 | 北陸
一泊すると決めた以上、「たかまさ」一軒限りで終わるのも惜しまれます。高岡でもう一軒寄れれば理想的であり、心当たりもありました。その一方で、明日の移動を考えると、宿泊は富山の方が無難です。413系で運用される最後の下り列車に、ほどよい間合いで乗れる見通しとなったため、名残惜しさはありながらも切り上げました。鉄軌条で走る列車は半年ぶりです。久々の乗車を国鉄型で飾れることを幸いに思います。

★高岡2140/565M/2158富山
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豊穣の福井を行く 2020 - 居酒屋たかまさ

2020-09-23 19:36:18 | 居酒屋
土壇場で二転三転しています。結論から申しますと、今日中に帰るのは諦めました。しかしいずれにしても呑み屋には行きます。高岡駅の駐車場に車を止め、出発から1046km走ったところで福井編は終了です。とるものもとりあえず「たかまさ」の暖簾をくぐります。

高岡駅の駐車場に車を置き、一杯やって帰るという流れも今やすっかり定着しました。同じ行程を何度も繰り返したことにより、時間配分も掴めているつもりでした。六時頃に新湊を出て、高岡駅の駐車場に車を止め、持ち帰る荷物をまとめて帰りの列車を手配すると、七時前には店に入れるという寸法です。ところがその計算が崩れました。
まず、昨秋訪ねたときに比べて日の入りが遅いこともあり、新湊を出るのがその分遅れました。しかも海側に回ったところ、違う角度で橋を撮れる場所があるのに気付きました。時間が押すのを承知の上でそれを撮り、ようやく車を走らせると、沿道に現れるのが新吉久の保存車です。しかし、遠目にも様子が違うことに気付きました。投光器の明かりが落とされ、前照灯、標識灯と室内灯だけが灯っていたのです。むざむざ素通りすることもできず、またもや三脚を立てて撮影するうちに、高岡駅に着いた頃には七時半を回っていました。
呑むのを諦めさえすれば、腹ごしらえだけ済ませて列車に乗ることも可能でした。しかし、車を置いて一旦帰るという芸当ができるのは、一週間無料で使える駅併設の駐車場の恩恵に他なりません。その恩恵を与えてくれる高岡市に、いくばくかの金を落としていきたかったとでも申しましょうか。今や富山の店以上に愛用している「たかまさ」に、見舞いがてら立ち寄りたいという考えもありました。その結果、一泊してから朝帰りするという選択に落ち着いた次第です。

常々申している通り、一人酒にもかかわらず、予約を入れていくということを好みません。気が向いたらいつでも行けるのが一人酒のよさだからです。それを可能にしてくれるのが、いつでも気軽に入れる居酒屋という存在です。いかによい店であっても、予約必須の人気店は自分の性に合いません。
ただし、直前に一報入れてから行くということはあります。当店でもそうすることが習慣化していました。一度とはいえ満席で振られた経験もあるため、高岡駅に着く時間が読めるようになった時点で、念のため一報入れておくようにしたのです。連休明けの平日とはいえ、一連の騒動の影響により、席の数が絞られている可能性は少なからずあります。今回も席を押さえてもらった方が無難だろうと考えて、七時前に入れるよう手配を済ませておいたのでした。しかるに着くのが遅れに遅れ、七時半をも回ってしまったわけなのですが、遅れる旨の知らせに対して快諾してくれた店主には感謝しなければなりません。
温情に対する感謝と、苦境にある店に対するせめてもの支援を兼ね、酒は一番高いものを奢りました。大衆的な値段の当店にあって、300mlの小瓶が1650円というのはかなりの高額品です。しかし無駄に高いわけでもありません。錫を叩いたぐい呑みは、おそらくこの酒のために奢られたものでしょう。ささやかな贅沢がここにあります。

席数を減らしたり、所々に間仕切りを設けたりという対応は、道中で訪ねた店の全てにおいて共通していました。しかしここではそのいずれもありません。今やすっかりうらぶれた高岡の駅前で、唯一気を吐く人気店も、一連の騒動の影響はいかんともしがたく、持ち帰りの営業で糊口を凌いでいた時期もあるようです。しかし今では元の姿を取り戻しつつあります。健在ぶりを見届けられたのは幸いです。

居酒屋たかまさ
高岡市末広町42
0766-24-5745
1500PM-2400PM(日祝日 -2200PM)
第一日曜及び年末年始休業
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豊穣の福井を行く 2020 - 未必の故意

2020-09-23 18:20:20 | 北陸
これから帰る前提なら、生地まで駒を進められれば理想的でした。夕景を眺めてからなじみの場所に寄りつつ移動し、最後に立ち寄るキャンプ場を出るのは10時前後という流れが近年定着しています。白馬で一風呂浴びてから帰っていた頃のことを考えると、少なくとも一時間強延びてしまった計算です。新湊で日が暮れれば、そこから生地まではざっと50kmほど、一般道を経由するとさらに一時間強の移動が加わります。風呂を早めに済ませた分を差し引いても、帰着が相当遅くなるのは明らかです。ただしこれは、いわゆる「未必の故意」による結果でもありました。自走は諦め、高岡に車を置いて帰ります。

今朝方までは全く考えてもいなかった結末です。流れが変わり始めた発端は、お昼に訪ねた厚生食堂での出来事にあります。店内に流されていた番組で、関東に台風来襲との報道を小耳に挟んだのです。出発前には全く関知していなかった話でした。
事実とすれば復路の走行にも支障を来しかねません。取り急ぎ天気予報を調べたところ、夕方から雨が降り出し、こちらが帰着するであろう深夜には土砂降りになるとされていました。その中を走って帰るのかと思ったとき、高岡に車を置いて帰るという奥の手が俄に浮かんだ次第です。
どこへ行っても「新しい生活様式」という名の一時的な我慢を強いられるご時世、活動を再開するにも「新しい活動様式」が必要です。その一つとして打ち出したのは、公共交通機関の利用を極力避けるという方針でした。屋内駐車場が一週間まで無料という大盤振る舞いにつられて、高岡駅の駐車場には何度も世話になりました。しかし今回それには頼らず、全区間自走で済ませるつもりでした。朝令暮改となったのは、例のごとく「迷ったら買え」の原則通りに行動した結果に他なりません。
車を置いて一旦帰ることにすれば、今夜も一杯やることができます。中一日を置き、金曜の終業を繰り上げて新幹線に飛び乗れば、富山の店に寄ることもできます。翌日は長岡に泊まり、あとは適当に帰ればよかろうという算段です。先程銭湯に寄ったとき、今後の展開を見越してという含みのある発言をしましたが、それはこのような背景があってのことでした。

そのようなわけで、一旦切り上げ今週末に再開することとなりそうです。週末の天候には全く期待できず、出発地へ車を回送するだけともいえます。しかし、仮に今から帰るとしても、暗い中をひたすら走って行くしかありません。つまり、回送するだけなのはどちらも同じということです。週末に再開すれば、何だかんだで楽しめるのが分かっています。そのためなら、新幹線での一往復も甘んじて受ける価値はあると判断した次第です。
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豊穣の福井を行く 2020 - 新湊大橋

2020-09-23 17:50:45 | 居酒屋
新湊大橋を渡って東の袂にやってきました。岸壁から西の空を眺めます。
氷見を出てからはとうとう曇ってしまいました。昨日の夕方と比べても五十歩百歩の空模様です。しかし昨日は一瞬とはいえ西の空が茜色に染まりました。二匹目のどじょうを狙っていたわけです。果たして今日もあれに近い光景が広がりました。天井のように広がる鱗雲に茜色が差したのです。ただしあくまで一瞬でした。海側からは生暖かい強風が吹いてきます。いつまでもこの夕景を眺めていたいという気分でもありません。ほどほどのところで切り上げます。
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豊穣の福井を行く 2020 - 金崎湯

2020-09-23 17:34:57 | 温泉
詳しくは後ほど述べますが、今後の展開を見越して、早めに一風呂浴びて行くことにしました。新湊の金崎湯に立ち寄ります。
庄川を渡ってきた国道415号線が、富山新港を避けるため右折する交差点の先という立地です。しかし、箱型の建物に目立った看板はなく、通り沿いには玄関もありません。隣に接した住宅に袖看板が灯っており、その脇から駐車場に入ると、雪国の住宅によくあるガラス張りの前室が張り出していて、そこが玄関という仕掛けです。武生で県外客お断りの銭湯に出くわし、当地でも同じ措置が採られてはいないだろうかと懸念するも、幸いにして通り一遍の対策を求める張り紙しかありません。一安心して暖簾をくぐると、窓口式の番台がありました。
北陸の銭湯を一部とはいえ訪ね歩いて気付いたのは、箱型をした無骨な建物が多いことです。宮造りの銭湯が今なお現役を務める都内の銭湯に趣では譲るものの、特徴的な部分もあります。洗い場のカランはレバー式で、都内でいうと今はなき早稲田の松の湯がこれでした。西日本ではこれが主流なのかもしれません。昭和末期の歌謡曲が流れるところは、二月に訪ねた高岡の松之湯と同じです。北陸には浴場に音楽を流すという文化があるのでしょうか。真相を知るにはさらにいくつか訪ねてみる必要がありそうです。

★金崎湯
射水市中新湊2-8
1130AM-2030PM
0766-82-2261
土曜定休
入浴料440円
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豊穣の福井を行く 2020 - 堀与商店

2020-09-23 15:55:54 | B級グルメ
今日を休みにできたことは総じてよい方向に働きましたが、一つだけ残念なことがあります。生地の直売所の定休日に重なってしまったことです。代わりになりうる施設として当てにしていた金沢港の直売所も、同じく水曜定休でした。しかしまだ代わりの店の心当たりはありました。去年も訪ねた氷見の店です。ほどよい規模の売場にありとあらゆる品を揃えた生地の漁港の直売所を、かねがね絶賛してきましたが、鮮魚がないことを除けば当店の品揃えも互角に近いものがあります。昆布〆、幻魚、ミギス、鯵、身欠き鰊、出汁昆布、とろろ昆布と煮干しを買い込み、かなり充実した土産ができました。

堀与商店
氷見市中央町3-2
0766-72-0503
900AM-1700PM
元日休業
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豊穣の福井を行く 2020 - 立往生

2020-09-23 14:13:20 | 北陸
ありがたいことに再び空が晴れてきました。満を持して向かったのは千里浜なぎさドライブウェイですが、好事魔多しともいいます。とんだ失態を演じてしまいました。砂浜に埋まって立往生してしまったのですorz
北へ向かって走るため、車窓が順光になるのはよいものの、記念撮影するためには方向転換が必要でした。ところが、そのために右旋回したところ、車が行き交う部分以外は砂が十分固まっておらず、前にも後にも行かなくなってしまったという顛末です。一昨年も似たような位置に車を止めて記念撮影をしたため、砂浜ならどこでも走れるのだろうと思い込んでいたわけなのですが、それは余所者の浅知恵に過ぎなかったことになります。
不幸中の幸いだったのは、JAFの救援がすぐに着き、作業時間も含めて30分ほどの消費で済んだことです。ただし見慣れた救援車ではなく、地元の整備工場の屋号を入れた四輪駆動車でした。おそらくは、似たような失敗をする運転者がよくいることから、地元の業者に委託しているのでしょう。砂浜が白い部分は走れない、走れる部分は年々狭くなっているというのが救援に来てくれた御方の説明です。肝に銘じておきたいと思います。
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豊穣の福井を行く 2020 - のと里山海道

2020-09-23 12:46:28 | 北陸
なまじ時間に余裕があると悠長に動いてしまい、次第に切迫し始めるという展開を辿りがちです。本日も筋書き通りになりつつあります。まっすぐ富山へ向かうかというとさにあらず。のと里山海道を北上します。海沿いの快走路を羽咋まで走ってから半島を横断し、氷見からは富山湾をなぞっていこうという寸法です。雲が次第に多くなり、時折日が射し込む程度に変わったものの、上空の鱗雲に秋らしさが感じられ、車窓を楽しむ分にはあながち悪くありません。毒を食らわば皿までも、千里浜もついでに走って行くつもりです。
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豊穣の福井を行く 2020 - 厚生食堂

2020-09-23 11:11:12 | B級グルメ
帰りの移動の途中という条件から、先へ行けば行くほど時間が切迫してくると予想されます。朝食からそれほど間が空いてはいないものの、多少の余裕があるうちに早めのお昼を済ませて行くことにしました。立ち寄るのは金沢港の厚生食堂です。開店直後にもかかわらず、店内は先客で三分の一ほどが早くも埋まっています。今日がこれなら、連休中は取りつく島もなかったでしょう。平日の特権が生かされました。
日替わりの品書きから選んだのはサワラフライ定食950円也。カジキのことをサワラと呼んで珍重するのは当地の習わしです。福井のカツ丼より若干小ぶりながらも、厚さでは上回る切り身が四枚あるため、あちら以上に物量感があります。ご飯は普通でよいかと最初に聞かれたのは、丼にぎっしり盛られてくるからでしょう。船員厚生食堂の屋号にふさわしい豪快さです。

厚生食堂
金沢市無量寺町ヲ51
076-268-1299
1100AM-1400PM/1700PM-2100PM
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豊穣の福井を行く 2020 - 金石の町並み

2020-09-23 10:44:14 | 北陸
金沢駅の方を背にして一直線に延びる県道17号が、かつての線路の跡でもあると近年になって知りました。その道が海沿いへ至ったところに金石の町があります。東隣の大野と同様、金沢の市街とも、日本海側の漁村とも一味違う独特な町並みは、車を降りて歩きたくなる趣を持っています。何分先が長いだけに、長居はできない状況ながら、むざむざ素通りするのが惜しまれるのも人情です。今回も手短に歩いて切り上げました。
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豊穣の福井を行く 2020 - 糸吉言侖

2020-09-23 08:53:23 | 北陸
きくのやに泊まる際、駐車場が必要ならば野町の駅前に止めていました。24時間500円という安さに加え、「わり勘」にも寄れて一石二鳥だからです。しかし昨夜はその「わり勘」が休みだったため、宿の提携駐車場に止めました。一泊千円する代わりに屋根の下に止められ、しかも11時まで使えるというおまけつきです。その恩恵を最大限生かすのも一案ではありますが、結論としては見送ります。宿の周囲を軽く一周するにとどめ、金沢を出ようとするところです。
理由は大別して二つあります。一つは、何かにつけて「新しい生活様式」なる制約が課される中、長時間市街を歩きたくないことです。もう一つの理由として暑さがあります。耐え難い暑さはようやく去ったものの、道中では四六時中汗をかきっ放しでした。今日はますます気温が上がり、30度近くになると予想されます。こうなると、屋外を歩くのがなおさら辛いというわけです。

実は、昨日の時点で悩んでいた、一日早く帰るかどうかという選択には、さらなる奥の手がありました。米原に車を置いて一旦帰り、翌週を休んで九州へ行くというものです。この非常時にあえて活動するならば、今しかできないことをしたいという方針を、かねてから表明していたところですが、かような観点から秘めていた構想として、自走では八年ぶりとなる九州への長旅がありました。公共交通機関を極力避けつつ九州へ行くためには、自走とフェリーの組み合わせが最適です。花見の旅が頓挫したことにより捻出された休みの枠を、そちらに回そうという算段でした。
その構想を描いた時点では、今回の活動から続けざまに行く形まで想定してはいなかったわけなのですが、よくよく考えると捨てがたい選択です。福井から米原までと、米原からフェリーが出る大阪までの距離を合わせても200km少々に過ぎず、一旦帰ってから出直すよりも千km近く自走が短縮されるからです。それをむざむざ見送ったのは、咄嗟の思い付きでそこまでの大胆な決断ができなかったからですが、もう一つの事情として暑さがありました。北陸でこの暑さなら九州はなおさらでしょう。ならばもっと過ごしやすくなるまで待ち、改めて出直そうと思い至った次第です。
そのようなわけで、いずれは九州へという構想もあるものの、目下の問題は福井と富山のどちらへ向かって走るかです。結論から申しますと、多少の未練はありながらも富山へ行くことにしました。上空は雲一つない快晴となったため、福井へ戻って列車を撮るのも捨てがたいところではあるのですが、そうしたところで昨日と同じものを撮るだけになりかねません。しいていうなら、細呂木を訪ねた直後に日が陰ってしまったため、あの場所だけ再挑戦したいと思う程度でしょうか。しかし、その頃までこの晴天が持ちこたえるという保証はなく、帰りの移動も厳しくなります。ならばさらなる好天が期待できる富山方面へ向かって走り、日本海を眺めてから帰ろうと思い立ちました。有終の美を飾る一日となってくれれば幸いに思います。
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豊穣の福井を行く 2020 - 朝食

2020-09-23 08:01:34 | 北陸
朝食をいただいて宿を出ます。既報の通り、昨晩はきくのやの世話になりました。
ビジネスホテルが投げ売りをしている連休最終日、宿代を抑えようと思えば造作もありませんでした。あえてこちらに泊まったのは、安さよりも定宿の居心地を重んじたからに他なりません。朝食を頼んだのもそのためです。しかしよくよく考えると、今回に限り素泊まりにする手はあったのかもしれません。一息つけると思ったはずが土壇場で一人客が飛び込み、その一人のために早起きして朝食も作ることになったわけであり、見方によっては迷惑ともいえるからです。かような観点からすると、すしべんで済ませた方が賢明だったともいえます。
しかし、和室の宿の一室で朝食をいただくひとときは、自分にとって何物にも代えられません。金時草、蓮根といった加賀らしい品々もさることながら、艶やかに炊かれたご飯が上々でした。今回も心地よく過ごせたことに感謝します。
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豊穣の福井を行く 2020 - 四日目

2020-09-23 07:08:32 | 北陸
おはようございます。宿の自室は二階ですが、一段高いところに隣の敷地があるため、窓の外は実質的に一階の高さです。茂みからは今もなお虫の声が聞こえてきます。七時半に朝食をお願いしており、それをいただいてから出ようという状況です。
今のところ昨日並みの青空が広がっています。つまり、一昨日には及ばないものの、それなりの好天ではあるということです。そうなるともう一度福井で列車を撮りたくなるのが人情ではありますが、天候は西から下り坂になってきます。福井では昼頃から曇るのに対して、富山では夕方まで晴れると予想されているため、やはり東へ走るのが順当ではあるのでしょう。福井への未練を断ち切れるかが分かれ目となりそうです。
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