日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

急浮上

2020-09-18 21:16:53 | 旅日記
先週末の時点で具体的な再開を見通していたわけではありません。しかし俄に現実味を帯びつつあります。来るべき連休からの再開が急浮上してきました。
「自粛」も「我慢」も一切するつもりはないと主張してきました。しかるに長らくとどまったのは、そうならざるを得ないように仕向ける卑劣な政策の影響によるところが第一です。それがひとまず緩和されると、今度は長雨、酷暑が続き、その後は再び長雨に祟られました。四連休の予報も全く期待できず、九月を棒に振ることも覚悟していたところでした。しかし、土壇場になって様相が変わりました。関東は相変わらずの予報ながらも、西日本ではおおむね晴の予報に一変したのです。長らく止んでいた風が、ようやく吹いてきたのを実感しています。

「新しい生活様式」などといいながら、その実態は「古い生活様式」を死守するための一時的な「我慢」でしかありません。自身の目指す「新しい活動様式」は、近年頓に陰りが目立つ体力とも相談しつつ、少しでも長く旅を続けていくための方策です。社会情勢が緩和されたからといって、何もかも元通りにするつもりはありません。何かにつけて行動が制約される世知辛いご時世、あえて活動するならば、今行くべき必然性がある場所に限りたいという考えがあります。
かような観点に照らして、最も差し迫っていた目的地の一つが北陸、特に福井です。金沢以東の在来線を壊滅に追い込んだ新幹線が、三年後には敦賀に延びます。そうなれば、天下の北陸本線もいよいよ有名無実化するわけです。終焉迫る北陸特急の記録は、数年来喫緊の課題であり続けてきました。しかるに直近は機会を逃す場面が続き、三年前の秋を最後に撮影からは遠ざかっています。仮に今季も逃すとすると、開業までに秋は二度しか巡ってきません。そうなることの損失は計り知れないものがありました。四連休に好天が重なろうとしている状況は、行けという思し召しと見ることもできます。半年にわたる足止めに、終止符を打つ可能性が高まりました。

ただし、喜び勇んで飛び出すわけでもありません。ひとまず明日は見送る可能性が濃厚となりました。これも「新しい活動様式」の一環です。
要因の一つとして体力的な問題があります。北陸三県の中でも、福井の遠さは別格です。500kmをはるかに超える長距離を、一日で走りきるのはかなり厳しいものがあります。数年前までならともかく、業務を終えたその晩に、まともに休めもしないまま、高速道を延々飛ばしていくだけの体力気力はもうありません。半年ぶりの再開ということもあり、一日準備に充ててから出ようという狙いがあります。
もう一つの事情として、多数派が死守しようと血道を上げる「古い生活様式」へのささやかな抵抗があります。大量の労働者が一斉に働き一斉に休む結果、連休の度に行く先々が混み合うという現象を、かねがね貧しい、煩わしいと思っていました。遠出を悪とみなす風潮も根強く存在するとはいえ、四連休ともなれば相当混むのは必至でしょう。予約サイトを調べても、明日明後日の混みようは相当なものです。長らく「自粛」をした人々が、連休にかこつけ一斉に繰り出そうとする中、それに合わせて動くことは、「古い生活様式」への服従にもなりかねません。無闇な「自粛」を批判してきた者としては、最も混む初日だけでも避けたいという心理が働きました。

日程が連続すればするほど休みの価値は増してきます。しかるに一日棒に振る決断ができるのは、連休明けの一日も好天と予想され、なおかつその日を休める見通しが立ったからです。例年なら花見の旅に注ぎ込む分がそのまま空き、休みの枠には余裕があります。「新しい活動様式」の一環として、休みをうまく活かしつつ混雑を避けるための工夫も追求していくつもりです。
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