日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四谷赤坂麹町 - おく谷

2020-09-16 20:38:02 | 居酒屋
今夜も家庭の事情により外食です。昨夜に続いて荒木町にやってきました。「おく谷」の暖簾をくぐります。
「月肴」への申し訳なさはありつつも白状すると、昨晩元々行こうとしていたのはこちらでした。旅立ちを前に挨拶がてら立ち寄ろうと考えたとき、いの一番に浮かんだのが当店だったのです。足止めされた半年に限っていうと、世話になった回数は互角かもしれません。しかし、荒木町が死んだように静まり返っていた頃、店で呑める場といえば自分にとって当店が事実上唯一の存在でした。長年愛用してきたことからくる思い入れもあり、ここしかないという考えで頭が凝り固まっていたのです。ところが、八時半に訪ねたところ早仕舞いしており、急遽「月肴」に飛び込んだという経緯があります。昨夜とほぼ同じ時間になったことで、返り討ちに遭わないかが懸念されるも、幸い明かりはついており、首尾よくカウンターに収まるという顛末です。
足止めの間を通じて通い詰めたにもかかわらず、今頃になってようやく気付いたことがあります。突き出しの煮物を除き、作り置きされた品がほとんどないのです。ポテトサラダは、注文を受けてからジャガイモを叩き、ハム、玉葱、玉蜀黍などの具材と合わせたもので、「特製」を名乗る理由にも納得させられます。前回頼んだ稚鮎の南蛮は、やはり注文を受けてから稚鮎を揚げ、薬味を添えて黒酢をかけたものでした。ただし、何もかもその場で作るわけではありません。いつ行っても貸切同然だった四月、カレーに火を入れ味を保っていたのが思い出されます。日々の仕込みを周到に行い、なおかつ常に一手間加えてから出しているということです。飲食店を生殺しにするお触れにより、多くの店が休業、あるいは持ち帰りの営業を余儀なくされていた中にあって、孤軍奮闘を続けた理由が分かったような気がします。

おく谷
東京都新宿区荒木町8
03-3351-6451
1800PM-2100PM(LO)
日祝日定休

ザ・モルツ
明鏡止水
お通し(切り干し大根)
〆鯖
特製ポテトサラダ
特製ラムスパイス串焼
やきそば
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