BETTAKOを訪ねたときに思ったのは、銭湯が近くにあれば一石二鳥ということです。そう思い立って調べたところ、歩ける範囲にお誂え向きの銭湯がありました。しかも、その筋ではつとに知られた名建築と聞きました。ならば一度は行くしかないと思い立ち、立ち寄ったのが「稲荷湯」です。
銭湯を何軒か訪ね歩いて行くうちに、宮造りというだけでは驚かなくなってきました。しかしこちらの設えは「熱海湯」と互角かそれ以上です。神楽坂の繁華街にある「熱海湯」に比べると、郊外に位置するこちらは総じて余裕のある造りをしています。正面には黒塀が立ち上がり、背の高い樹木が突き出ていて、塀の向こうは庭園風に仕立てられ、脱衣所の縁側から池に泳ぐ鯉を眺められるという寸法です。通りから側面を見渡せば、奥の方には薪で焚くボイラーが鎮座しており、それを含めた佇まいは模型の世界を見ているかのようでもあります。
中山道から分け入った路地裏は、何の変哲もない都内の住宅地のそれです。周辺の景観を含めた趣という点では、神楽坂の横丁にある「熱海湯」に軍配が上がります。しかし、建物自体の秀逸さという点では、やはりこちらと納得させられます。重要文化財の触れ込みは伊達でないと思わせる一軒でした。
★稲荷湯
東京都北区滝野川6-27-14
03-3916-0523
1500PM-115AM
水曜定休
入浴料470円
銭湯を何軒か訪ね歩いて行くうちに、宮造りというだけでは驚かなくなってきました。しかしこちらの設えは「熱海湯」と互角かそれ以上です。神楽坂の繁華街にある「熱海湯」に比べると、郊外に位置するこちらは総じて余裕のある造りをしています。正面には黒塀が立ち上がり、背の高い樹木が突き出ていて、塀の向こうは庭園風に仕立てられ、脱衣所の縁側から池に泳ぐ鯉を眺められるという寸法です。通りから側面を見渡せば、奥の方には薪で焚くボイラーが鎮座しており、それを含めた佇まいは模型の世界を見ているかのようでもあります。
中山道から分け入った路地裏は、何の変哲もない都内の住宅地のそれです。周辺の景観を含めた趣という点では、神楽坂の横丁にある「熱海湯」に軍配が上がります。しかし、建物自体の秀逸さという点では、やはりこちらと納得させられます。重要文化財の触れ込みは伊達でないと思わせる一軒でした。
★稲荷湯
東京都北区滝野川6-27-14
03-3916-0523
1500PM-115AM
水曜定休
入浴料470円