日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新緑萌える東北へ 続編 - 藪きん

2016-05-19 23:35:04 | B級グルメ
大抵の呑み屋街には、地元客が呑んだ後になだれ込む店というのが一つや二つはあるものです。しかし蕎麦屋はやや異色かもしれません。その「藪きん」を再訪します。
初めて訪ねた前回は、カレー中華、カレー南蛮が名物だということを知りました。中四日という短い間隔で再訪したのも、それらを試すという目的があってのことに他なりません。同じ路線を行くものとして思いつくのは名古屋のカレーうどんですが、「クリーミーでスパイシー」という形容がふさわしいあちらのカレーうどんに対し、そこから「クリーミー」が除かれ、「スパイシー」がより強調されているとでもいえばよいでしょうか。ただし、辛いといっても唐辛子を遣った単調な辛さではなく、香辛料の爽やかな辛さが活かされており、それが出汁と調和し完成した味わいに仕上げられています。これなら人気のほども宜なるかなです。病みつきになりそうな逸品でした。

藪きん
弘前市鍛冶町26
0172-32-5013
1100AM-200AM
月曜定休
カレー南蛮750円
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新緑萌える東北へ 続編 - はすや

2016-05-19 22:19:30 | 居酒屋
近年は弘前でもはしご酒をするのが恒例となり、かつての「はすや至上主義」は薄れているのが実情です。しかし、早仕舞い、休業などの突発的な事態がない限り、弘前に泊まったときは必ずここをを訪ねてきました。今夜も同じ流れを踏襲します。
なんだかんだで毎回通ってしまう理由を一言で述べるとすれば、酒、肴、器のどれもが居酒屋として完成し尽くされているということになるでしょう。過去繰り返し絶賛してきお通しを始めとして、一つ一つの品に酒飲みのツボを押さえた一工夫が加えられているところに真価があると考えます。もちろんそれらが居酒屋の全てというわけではありません。例えば、一見愛想のない店主については好みが分かれる可能性もあり、このあたりが万人に自信を持って勧められる教祖の推奨店とは異なるところでもあります。とはいえ、少なくとも上記の三点に関しては、自身訪ね歩いてきた中でも全国屈指と思う存在であり、情報に一切頼らず自力で開拓したことからくる愛着もあって、馬鹿の一つ覚えと知りつつ毎度足を運んでいる次第です。
そこまで通い詰めたこの店ですが、今回は記憶する限り初めての珍事が起こりました。先客がおらず、なおかつ後から入ってくるお客も皆無、つまり完全な貸切状態です。時間的にも腹具合としても、ご飯物で締めくくるだけの余裕はある状況ながら、自分が帰れば早仕舞いといった頃合いでもあります。柄にもなく気を遣い、酒が尽きたところで席を立ちました。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

華一風・天隠・三方良し
お通し(山うどきんぴら)
刺盛り六点
カレイの煮凍り
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新緑萌える東北へ 続編 - 弦や

2016-05-19 21:08:06 | 居酒屋
夜桜もとうに終わった五月の中旬、機材を持たず手ぶらで外に出てきました。一軒目に選んだのは「弦や」です。
花見のときに四泊し、そのうち二回世話になっています。つまり、一月経たない間に三度も訪ねているわけです。たまには趣向を変えればよいものを、ごく少数の店だけを使い回しているのは、同じ店に通うことも酒場の楽しみのうちだからに他なりません。品書きまでおよそ頭に入ったなじみの店と、勝手を知らない新規の店では当然ながら居心地も違ってくるものです。もちろん新しい発見、出会いも悪くはないものの、何度も訪ねた店であればあるほど愛着が湧き、今更他の店を探す動機が乏しくなってきます。正月には目当ての店がことごとく休業というまさかの事態に直面し、教祖の導きに従い「山水」を初めて訪ねたわけなのですが、そのような突発的な事情がない限り、弘前で新規開拓しようという考えは起こりにくいのが実情です。
東北新幹線の混みようには面食らいましたが、五月の中旬の木曜日に呑み屋が混むとは思えません。果たして先客の姿はなく、二人いた手伝いのお姉さんのうち、一人は早めに上がっていきました。そして、残ったもう一人のお姉さんから、以前どこかで聞いたような発言が。留萌の出身で、帰省の際に「はまなす」を使っていたというのです。よくよく聞けば、道内から弘前に出てきている学生さんは他にも少なからずいるらしく、その多くが「はまなす」を帰省に使っていたとのことでした。それが新幹線と引き替えに廃止され、北海道への移動が格段に高額かつ不便となった今、お姉さんとしても代わりの交通手段を探しあぐねているようです。世知辛いご時世と苦笑しつつも、留萌のことなどをしばし語らってから席を立ちました。

弦や
青森県弘前市本町76
0172-34-9951
平日1100AM-1330PM(LO)/1700PM-2230PM(LO)
土曜及び祝日 1700PM-2230PM(LO)
日曜定休

香るエール
めっ・ん
お通し(黒石豆腐もろみ和え)
アスパラとベーコンのタイバジル炒め
白神わらさの自家製ナンプラー焼
トムヤムクン小
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新緑萌える東北へ 続編 - 弘前国際ホテル

2016-05-19 20:41:52 | 東北
冬場に二泊、花見で四泊、さらに先週一泊したにもかかわらず、性懲りもなく弘前に舞い戻ってきました。出発からの走行距離は2740kmに達しています。
今夜は先週末に続いて弘前国際ホテルの世話になります。昨日の段階では弘前東栄ホテルも選べる状況だっただけに、その時点で押さえておくという選択肢も考えられなくはありませんでした。それをあえて見送ったのは、展開次第で青森、八戸などにも泊まれる余地を残しておきたかったからに他なりません。気分次第でどうにでも動けるのが一人旅の醍醐味にもかかわらず、なまじ宿を押さえてしまうことにより、行動に制約が加わるのを嫌った次第です。
雰囲気こそ無味乾燥なビジネスホテルとはいえ、立地のよさと手頃な料金、そして朝食の充実ぶりは弘前東栄ホテルに遜色ありません。数百円の価格差で泊まれるならば、こちらを選ぶということで迷いはありませんでした。明日の朝食が楽しみです。
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新緑萌える東北へ 続編 - 松崎温泉

2016-05-19 19:48:59 | 温泉
気温が上がった割には汗をほとんどかかない一日でした。それだけ空気がさわやかだったということでもあるのでしょう。しかし、津軽へ来た以上もちろん温泉には入ります。弘前への経路上無駄なく寄れるという観点から、以前も世話になった「松崎温泉」を選びました。
温泉が無数にあるからこそ、経路上最も無駄なく寄れるところを選んだまでであり、決して妥協をしたわけではありません。かつては旅館を兼ねたであろう鄙びた雰囲気がまず秀逸。長方形の浴槽は仕切で大小二つに分けられ、大きい方が温湯、小さい方が熱湯になるという仕掛けで、緑色をかすかに帯びた塩辛い源泉が掛け流されます。

★松崎温泉
平川市松崎西田27-1
0172-44-8251
700AM-2200PM
第一火曜定休
入浴料350円
泉質 ナトリウム塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 61.9度
pH 8.0
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新緑萌える東北へ 続編 - 画竜点睛

2016-05-19 19:02:25 | 東北
日が傾き、岩木山の影が浮かび上がってきたところで線路の東側に移りました。光量の限界まで粘って撮影終了です。
居合わせた地元のご同業によると、高架橋の手前の田圃には今朝水が張られたそうです。まさしく絶好機に重なったことになります。しかし、やや霞んだ空が最後まで画竜点睛を欠きました。望遠レンズで引きつけても岩木山の輪郭がはっきりせず、さりとて短いレンズで水鏡を多く入れると、今度は平板な空が様になりません。適度に雲が出ていれば、かなり見事な夕景になったはずなのですが。
幸運なのは、最大であと二日挑戦の機会が残されていることです。明日は趣の違う空が広がってくれることを期待しています。
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新緑萌える東北へ 続編 - 弘南電車

2016-05-19 17:30:50 | 東北
津軽平野に下りていの一番に訪ねたのは、広大な田圃の中を弘南電車が行く尾上高校前です。先週末に訪ねたとき、ほとんど水が張られていなかった駅周辺の田圃が、狙い通りの水鏡に変わっていたため、今日はこちらで電車を撮っています。
西日が次第に傾き、本来ならば夕景も様になってくる時間帯です。しかし、雲一つない、それでいながらやや霞んだ今日の空が災いしています。というのも、雲がないため眩しいばかりか、主役の岩木山が空と同化し白く飛んでしまうのです。夕景が様になってくるのはおそらく日没間際でしょう。それまでは線路の西側から水鏡に映し出された電車を撮り、日が弱まり次第東側に回って、影絵になった岩木山と電車が重なる絵柄を狙います。
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新緑萌える東北へ 続編 - 城ヶ倉大橋

2016-05-19 14:46:21 | 東北
再び国道に合流して城ヶ倉大橋を渡ります。橋の袂のエゾヤマザクラは葉桜に変わったものの、駐車場の片隅にはまだ雪が残っています。とはいえ、連休前には壁のように分厚く積もっていた雪が、今では日陰の所々に残るだけです。残雪を踏むのはこれが最後になるかもしれません。
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新緑萌える東北へ 続編 - ミネザクラ

2016-05-19 13:50:54 | 東北
県道40号線に入って田代平を再訪します。三日見ぬ間の桜かな、ましてや四日遠ざかればというところ、前回眺めたミネザクラがまだ咲いていました。大半の木が葉桜同然となりながらも、見頃の木も若干残っているのが現状で、一斉に咲いて散るソメイヨシノと違い個体差があるようです。大型連休前に終わるかとも思われた今季の花見は、結局五月の第三週まで延びました。
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新緑萌える東北へ 続編 - 春蝉

2016-05-19 13:41:45 | 東北
七戸からは394号線を西進します。先月以来、津軽への往来で何度も通った道ではありますが、今回もう一度走ってよかったと思うことがあります。高度を上げるにつれて春蝉の声が聞こえてきました。新緑の木立を吹き抜ける微風と、涼しげな蝉の声との取り合わせが風流です。
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新緑萌える東北へ 続編 - 天王つつじまつり

2016-05-19 12:42:26 | 東北
過去二度に渡って七戸を訪ねたとき気になったのは、七戸十和田の駅を出たところにある「天王つつじまつり」の看板でした。最初は雨にたたられ、前回も時間が押して素通りしたこの看板をたどり、七戸の町内にやってきました。
七戸城のすぐ近く、小高い丘の上に神社があり、その丘が一面つつじに彩られています。参道に沿って提灯と行灯が並ぶ様子は、花見の頃を彷彿させるかのようです。前回牧場の並木道で見た灌木と同様の、赤と橙を混ぜたような独特の色合いが、当地のつつじの特徴なのでしょう。先ほどの八重桜と同様、既に色褪せ嗄れてしまっているのが少々残念ではありますが、七戸の名所をもう一つ知ることができたのは幸いです。
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新緑萌える東北へ 続編 - 八重桜

2016-05-19 12:32:03 | 東北
五日経てば状況も変わるかと期待しつつ、先週訪ねた小川原のラーメン橋を再訪したものの、依然として田圃に水は張られていませんでした。これにより旧東北本線の撮影は今回も空振りです。目標を津軽に切り替え七戸駅に戻ってきました。
前回訪ねたとき、少し散りかけながらもまだ見頃だった駅舎の脇の八重桜は、かなり色褪せ嗄れて、さすがに盛りは過ぎた感があります。しかも華麗な花吹雪が舞うわけではなく、しぼんだ花がそのまま地面に散らばっており、お世辞にも美しい散り際とはいえません。しかし、往生際の悪い性分としては、こうなってもなお咲き続ける八重桜のしぶとさは好むところです。来週末に再訪しても、最後の花がいくつか残っているかもしれません。
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新緑萌える東北へ 続編 - しちのへ産直七彩館

2016-05-19 10:30:06 | B級グルメ
無料の広大な駐車場が決め手となり、一時帰京の拠点としてすっかり定着した感のある七戸十和田ですが、それ以外にもよいところがいくつかあります。その一つはもちろん、充実した産直市場とそば処がある道の駅です。今回もここで腹ごしらえを済ませ、土産に山菜野菜を買っていきます。
先月の花見では、「麦とろ」でこしあぶらの天ぷらをいただくという宿願を、まさかの早仕舞いで逃すという誤算がありました。それ以来、会津をなるべく早く再訪することが課題の一つとなっていたわけなのですが、その後さらに北上して延々旅を続けるうちに、実現の可能性は低くなりつつあるのが現状です。とはいえ三度にわたりここを訪ねる機会を得て、今回も大量の山菜を持ち帰れることになったのは、せめてもの救いといったところでしょうか。帰ってからの晩酌も楽しみです。

★しちのへ産直七彩館
上北郡七戸町荒熊内67-94
0176-62-5777
900AM-1800PM
そば処 1000AM-1630PM(LO)
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新緑萌える東北へ 続編 - 合流

2016-05-19 10:04:25 | 東北
七戸十和田に着きました。相棒と合流し活動を再開します。出発からの走行距離は2600kmを超えたところです。
前回乗車した五日前と比べても、車窓越しに眺める田圃の稲が目に見えて成長していたのが印象的でした。しかし、こちらの田植えが少し遅いのは先週末の状況から分かっています。水鏡も至る所に残っているのではないでしょうか。
出発以来ここまで、空には一貫して雲一つありません。遠景が霞んでいてやや平板な印象があり、見映えとの点では先週末に一歩譲るものの、空気の爽やかさは薫風の季節そのものといった感があります。この好天が最終日まで続くというのが最新の予報です。
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新緑萌える東北へ 続編 - はやぶさ1号

2016-05-19 06:31:10 | 東北
始発の「はやぶさ」で旅立ちます。あまりにも当然の選択ではありますが、ここへ落ち着くまでには紆余曲折がありました。
何の変哲もない五月の平日です。列車が混むなどという可能性は一切考慮せず、前日の晩に手配を試みました。ところが「はやぶさ」の始発列車は普通車、グリーン車とも窓側が全て埋まった大盛況。そればかりか後続の「はやぶさ」も午前いっぱいほぼ満席、さらには始発の「やまびこ」すらも普通車の窓側は埋まっているという、にわかには信じがたい状況でした。しかも厄介なことに、往路と違って仙台を境に状況が変わりそうな様子もありません。その結果残されたのは、「やまびこ」に盛岡まで乗り、そこから「はやぶさ」に乗り継ぐという苦肉の策だけでした。しかし、乗車前に念のため再度照会したところ、三列席の窓側に一つだけ空きが出ており、それをすかさず押さえるという顛末です。これにより目的地へ直行できるようになったばかりか、出発は30分遅く、到着も一時間以上繰り上がったため、まさしく地獄に仏の空席でした。

経験上、連休の初日でもない限り、「はやぶさ」の始発列車が埋まるかどうかがせいぜいで、仮に埋まっていたとしても後続列車はまず間違いなく手配できるのが分かっています。それだけに、今日の混みようには首を傾げるしかありません。しかも不可解なのは、今日だけでなく明日もこれに近い盛況だということです。例年の実績としても、この時期の東北新幹線が特に混むという印象はないのですが。「はやぶさ」と「やまびこ」の乗り継ぎを余儀なくされた往路にしてもそうですが、数日来の東北新幹線の混みようは尋常ならざるものがあります。
まさかの事態に直面して思うのは、先へ行けば行くほど貧弱になる東北新幹線の輸送力です。これが東海道新幹線ならば、たとえ大型連休の最盛期でも、何本か見送れば自由席には必ず着席できます。ところが東北新幹線の場合、見送ろうにも列車の本数自体が限られ、しかも盛岡以北は全車指定席という悪しき商慣行が罷り通っています。その結果、ひとたび指定席が埋まってしまうと収拾が著しく困難となるわけです。
この混雑が常態化すれば、東北への汽車旅にも少なからず支障を来すでしょう。あくまで突発的な現象であってほしいと願っています。

★東京632/はやぶさ1(3001B)/934七戸十和田
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