日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2016完結編 - 霧の盛岡

2016-05-01 23:53:57 | 東北
その後小坂に八時過ぎまで滞在した後、先行車皆無の282号線を延々走って盛岡市街に入り、駅で帰りの列車を手配してから投宿したところです。出発からの距離は1300kmに達しています。移動中、安比の近辺で車載の温度計が0度を指しました。盛岡市内の気温も4度、霧に煙った寒い夜です。
東北に残るかどうかで逡巡した後、見事な青空が広がって有終の美を飾ったかと思えば、結局時間が押して帰り損なうという結果です。しかし、早々に帰っておけばよかったとは思っていません。というのも、「まだやれる」という漠然とした考えが、「次はこうしよう」という妙案に変わってきたからです。今朝の段階では全く考えていなかった選択だけに、この場でまとめるような段階ではありませんが、復帰までにおおよその見当をつけておきます。場合によってはかなりの大遠征になるかもしれません。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 小坂中央公園

2016-05-01 19:40:57 | 東北
こちらを見送るように佇む岩木山に後ろ髪を引かれつつも、東北道に乗って小坂で下りました。小坂中央公園を訪ねて秋田県に足跡を残し、これにより今年も東北全県を一周したことになります。
開花時期でいうと、岩木山麓とおおむね同じになります。つまり弘前の桜が散った頃に見頃を迎えるのがここの桜です。初めて訪ねた四年前は花吹雪の最盛期に重なり、広い遊歩道に花びらが雪のように積もった印象的な光景を眺めました。しかし、翌年再訪したときはあいにくの雨にたたられ、しかも食害により花がほとんど咲いていませんでした。その翌年は立ち寄ることができず、去年はまたも食害により花が咲いていなかったという経過は、岩木山神社と同様です。

そして今回再訪すると、桜はまさに満開の最盛期でした。弘前の満開より一週間遅れということはかなりの時間差です。数日来の寒さが開花を遅らせたのでしょう。もちろん今年は食害もなく、見事な花が咲いています。本来の姿を眺めるのは実質四年ぶりです。
改めて思うのは、本数こそ多くはないものの、一本一本の木が非常に立派だということです。太い幹の木もあれば、見上げるような大木もあって、なおかつ花の数も多いような気がします。加えて公園の配置も秀逸です。かつての鉱山事務所と古めかしい芝居小屋が建ち、それらを貫くように道が一直線に延びて、石畳を敷いた広い遊歩道に沿って立派な桜並木が続きます。かつての線路を挟んだ反対側が公園、奥にあるのがグラウンドで、いずれにも立派な桜が林立しているという具合です。
惜しむらくは、低い空に雲が出ており、こちらの到着とほぼ同時に夕日が雲に隠れてしまったことです。弘前をあと10分でも早く出られれば間に合ったという点では、先月中旬の熱塩に近い結果となりました。とはいえ、あちらと違い、桜越しに西日が射した遊歩道を一駒とはいえ記録できたのは幸いです。
その後も夕空を背にした桜を撮るなどするうちにすっかり暗くなってしまいました。遊歩道に橙色の街灯が灯り、それに桜が浮かび上がるところなども絵になっていて、グラウンドの方では裸電球だけのささやかさとはいえ夜桜もあります。それらをもうひとしきり眺めてから移動を再開する予定です。

なお、ここまで悠長にしていることからお分かりの通り、このまま帰るのは諦めました。今日のところは盛岡まで戻って一泊し、明日の始発の新幹線で帰京する方向で考えています。その後の修復策については様々な選択肢を模索している状況です。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 完全燃焼

2016-05-01 16:04:41 | 東北
西濠と二の丸を中心に軽く流して終了です。昼過ぎまでは帰るか残るか五分五分の状況でしたが、これで心おきなく弘前の桜に別れを告げることができます。二週にわたり楽しむことができ、もう思い残すことは何もないと言い切れるほど完全燃焼しました。心地のよい余韻に浸りながら帰ります。また来年…
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 天佑

2016-05-01 15:10:54 | 東北
僥倖です。狙い通りに一点の曇りもない青空が広がりました。後は野となれ山となれ、ここぞとばかりに弘前公園へ移動してきたところです。
彼方には雲が広がっている場所もあるにはあり、このまま日没まで晴れるかどうかは何ともいえません。しかし、有終の美を飾るには、短時間でも晴れてくれれば十分です。いつまでも逡巡する自分に見切りをつけさせるため、天が与えてくれた最後の機会と受け止めます。まさに天佑というべき青空です。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 悪魔のささやき

2016-05-01 14:36:43 | 東北
腹ごしらえをした結果、性懲りもなく禅林広場に戻ってきました。しかし、この寄り道は結果として吉と出てくれるかもしれません。というのは、広場に戻ると西から北にかけての空が晴れていたからです。
岩木山には既に日が射していて、頭上の雲があと少し移動すればこちらも晴れます。そうなってくれれば、禅林広場はもちろんのこと、弘前公園に戻って有終の美を飾ることができます。その結果復路の移動はますます厳しくなるわけなのですが、あまりに厳しくなった場合には、悪魔のささやきに従い帰りを延ばすのも一案ではないでしょうか。しばらく天気待ちをしてみます。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 来々軒

2016-05-01 14:22:22 | B級グルメ
前言を撤回し、弘前を出る前に腹ごしらえを済ませていくことにしました。立ち寄るのは「来々軒」です。
一時帰京の前に田沢食堂で腹ごしらえしたとき、こことの二者択一で迷ったと申しました。今日はその田沢食堂の定休日に重なったため、ここを代わりに選ぶつもりだったわけなのですが、禅林広場へ向かう途中で通りがかったところ、あいにく昼時と重なって駐車場にも入れない状況でした。しかし、その後弘前を出る前提で再び前を通ったところ空きが出ていたため、時間が押すのを覚悟の上で飛び込んだ次第です。
麺類とご飯もの中心の大衆食堂といった趣の田沢食堂に対し、こちらは町の中華食堂と形容するのが合っています。かなりの収容力がある田沢食堂に対し、20名弱入れば満席というこぢんまりした店内も特徴です。カウンターの中央で店主が炒め物を、その左側で跡取りが麺類を調理し、右側に立つ若女将が洗い物など手伝いを担当して、女将が接客するという家族経営の雰囲気も好ましいものがあります。
田沢食堂の安さには及ばないものの、550円のラーメンに100円足せばワンタンメンに、200円足せばチャーシュウメンになります。その手頃さにつられて今回はチャーシュウワンタンメンを注文。柔らかく煮込まれたチャーシューは薄味ながらも食べ応えがあり、ワンタンも100円増とは思えないほど気前よく入っています。地元客が引きも切らない人気のほども宜なるかなです。一度は見送りかけたこの店で、最後に腹ごしらえできたのは幸いでした。

来々軒
弘前市大字茂森町16
0172-32-4828
1100AM-1500PM/1700PM-2050PM(LO)
チャーシュウワンタンメン850円
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 五分五分

2016-05-01 12:46:55 | 東北
長きにわたって滞在した弘前との別れの時が迫ってきました。最後はお約束の禅林広場で締めくくります。
といいたいところなのですが、ここへ来てますます去りがたくなり、やりきったという感覚とまだやれるという感覚が五分五分です。そのように感じるのは、明日以降もまだ花見ができそうな情勢に加え、本日の天候も関係しています。というのも朝から平板な曇り空が続き、お世辞にも有終の美とはいえない空模様なのです。明日明後日は再び晴れると予想されていることもあり、日本晴れの空の下で花吹雪を見てみたいという考えが、次第に強くなってきました。しかしながら、あと四日も延ばせば蛇足になりかねないという考えも依然としてあり、どうにも決断できないのが悩ましいところなのです。
とりあえず、弘前で今日やるべきことは一通り済ませました。最終的に今日帰るという結論に達した場合、これ以上長居すると移動が厳しくなってくるため、とりあえず帰京を前提にして出発します。何とも中途半端な別れ際ではありますが、宿願叶って満開、快晴で花見ができたこと含め、長らく楽しませてくれたことに感謝しています。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 酒の柳田

2016-05-01 12:21:35 | 酒屋
何度も通った土地にはなじみの酒屋があるのが常です。花見の旅で訪ねた伊那、松本、会津はいずれもこれに当てはまりました。例外の一つは弘前ですが、これはという店にようやく出会えたような気がします。その名も「酒の柳田」です。
場所は宿のすぐ近く、呑み屋街から公園のある高台へと上がる緩い坂の途中です。当然何度も通っており、灯台下暗しの典型だったことになります。ウォークインのワインセラーを備えた瀟洒な店内には、選び抜かれた全国の地酒が。県内よりも県外の酒に注力している様子なのが玉に瑕ではありますが、「華一風」の蔵元による見慣れないラベルの品があったためこちらを選びました。

★酒の柳田
弘前市親方町32-1
0172-32-1721
1000AM-1900PM(日祝日 -1800PM)
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 長丁場

2016-05-01 11:01:06 | 東北
二の丸を通って西濠に下りてきました。園内で最も開花が遅い場所ということもあり、まだ相当数の花が残っています。5分散りというのが公式発表ではありますが、実際の感覚としてはそれ以上といっても過言ではありません。昨日晴れた後にもう一周しておくべきだったかと、少し後悔させられます。
よくよく考えると、一昨日の晩に着いてから園内の眺めがほとんど変わっていないような気がします。散り始めてから急に冷えたことにより、散り際が延びたということでしょう。それが「まだやれる」と感じてしまう理由の一つでもあります。少なくとも明日、明後日あたりまでは十分楽しめそうな情勢を考えると、今年の桜は約半月にわたって咲いたことになり、一週間で咲いて散った信州、南東北とは好対照の長丁場となりました。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 別れの挨拶

2016-05-01 10:29:19 | 東北
腹ごしらえを済ませた後は、別れの挨拶代わりに弘前公園を軽く一周します。軽くといっても元々が広いだけに、午前いっぱいで切り上げられればといったところでしょうか。
とうに盛りは過ぎています。しかし、盛りを過ぎても楽しめてしまうのが弘前の厄介なところです。市民広場の八重紅枝垂はまだ見頃で、雪のように積もった花びらも絵になっています。もうやりきったというよりも、まだやれるという考えが次第に強くなってきました。別れ際にはかなりの去り難さを感じることになりそうです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 市民広場

2016-05-01 10:21:38 | 東北
そのようなわけで弘前公園にやってきました。飲み食いできる場所がいくつかある中、最も手近な市民広場を選びました。追手門をくぐってすぐのところにある、八重紅枝垂が点在する芝生の広場で、ソメイヨシノが散った後も花見を楽しめる場所の一つです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - のりたま弁当

2016-05-01 10:16:03 | B級グルメ
花見のときは田沢食堂、その他の時期は弘前東栄ホテルの朝食という選択が確立してからというもの、出番が激減していたほっかほっか亭ですが、その田沢食堂の定休日に重なった本日、久々の登場となりました。選んだのはもちろんのりたま弁当、のり弁の白身フライを目玉焼とウインナーに代えた、チープな見た目と味わいが癖になる一品です。店から弘前公園までは徒歩数分、ベンチに腰掛け花見をしつついただきます。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 四日目

2016-05-01 08:28:54 | 東北
おはようございます。東北地方を縦断してきた花見の旅も、いよいよ最終日を迎えました。これは事実上今季最後の花見ということでもあります。しかし、自分の中ではこれが最後という実感がまだ湧いていません。昨晩夜桜を見物したときも同様でした。これは、大型連休後半まで延長するという悪魔のささやきが聞こえ始めているからでもあるのでしょう。
昨日も申した通り、東北の花見に延べ九日も注ぎ込んだことについては満足しています。さらに花見がしたいのかとうと、必ずしもそういうわけではありません。しかし、信州で花見をしていた頃から数えれば、一月近くにも及んだ長旅です。旅が長くなればなるほど、有終の美というものを考えるようになります。かような観点からすると、もうやりきったと思えばそこで切り上げ、まだまだやれると思えば続けるというのがあるべき選択でしょう。
実は、第二部を終え一時帰京した時点では、何もかもやりきったという実感がありました。満開かつ快晴の弘前で花見をするという宿願を果たし、もう思い残すことは何もないように感じられたからです。今回の活動についても、残り三日で落ち穂拾いをしつつ帰京するといった程度の位置づけでした。ところがいざ現地に乗り込むと、大型連休後半でもどうにか花見ができそうなことが分かり、「やりきった」という感覚が「まだまだやれる」の方向に傾いてきたというのが真相です。
ただし、まだまだやれるとはいっても、具体的にどうするのかという妙案までは浮かんでいません。仮に連休後半まで延長する場合、中一日の平日のために、再度一時帰京をするのはさすがに現実的ではなく、職場と交渉の上、もともと6日に予定していた休みを急遽2日に繰り上げるのが前提です。そうなると日程が四日間延長されるわけなのですが、一日や二日ならともかく、四日も延ばしてどうするのかという問題があります。
言い換えれば、四日分の使い道について妙案を思いつくなら延長するにもやぶさかではなく、そうでなければ今日限りで切り上げるのが最善ということになります。 ただし後者の場合でも、旅の終わりを実感できないまま、時間切れで慌ただしく帰るという結末になってしまってはいただけません。何もかもやり切ったと思えるような、最後を飾るにふさわしい光景に出会えることを期待しています。
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