日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 王祿

2016-05-10 21:58:51 | 晩酌
前回「超王祿」を取り上げたとき、この酒が現地でほとんど入手できなくなっている現状を引き合いにして、そのような代物を地酒と呼ぶに値するのかという疑問を呈しました。しかし、蔵元が一方ならぬ郷土愛を持っていることについては付け加えておかなければなりません。その一端を感じるのが、ラベルに残る「東出雲」の地名です。
全国津々浦々で市町村の合併が繰り返され、かつての東出雲町も松江市に呑み込まれてしまいました。しかしラベルに記載された蔵元の所在地には今なお「島根県東出雲町」とあり、地元産の米で仕込んだ酒には銘柄に先んじて「東出雲」の文字が添えられます。低精米酒の草分け「八○」もその一つです。
「超辛」に由来する「超王祿」に比べて日本酒度は低いものの、舌先で感じる辛さは大差なく、並べて飲み比べてもしなければ区別できません。ただ辛いだけではなく、酸度が高いところとわずかに発泡しているところも似通っています。「タキギヤ」の店主による寸評を借りれば「爽旨」です。この酒の持ち味がようやく解りかけてきました。

★王祿八○生原酒 26BY仕込み第33号
王祿酒造(島根県東出雲町)
原料米 山田錦
精米歩合 80%
日本酒度 +5.7
酸度 2.5
アルコール分 17.5度
杜氏 石原丈径
東京都港区 鈴木三河屋にて購入
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