日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新緑萌える東北へ - 藪きん

2016-05-14 23:45:28 | B級グルメ
看板まで30分を残して「はすや」を出ました。〆の一品もいただける状況のところをあえて切り上げたのは、かねがね気になっていた深夜営業のそば屋を試してみたかったからに他なりません。その「藪きん」を本日のトリとします。
場所は花見のとき世話になったカプセルホテルと同じ南北方向の通り沿い、つまり呑み屋街の中でも最も賑わう界隈です。いかにも蕎麦屋といった構えの店に深夜まで明かりがついて、そこに地元客が次々吸い込まれていく光景は、興味を引くに十分でした。そして今回乗り込むと、果たして店内は地元の酔客で賑わっており、ここが呑んだ後の定番なのが一目瞭然。清潔かつ機能的な厨房で、四人組の職人が小気味よく立ち回る雰囲気も好ましいものがあります。
そば、うどんに加えて中華そばと丼物もある中、選んだのは中華そば550円也。そばつゆの風味がわずかに漂う、しかし「田沢食堂」とは全く違う当店独自の味で、弾力のある麺が特徴的で、呑んだ後にはお誂え向きの一品です。しかし注文してから気になったのは、厨房から漂ってくるカレーの香りでした。品書きにはカレー南蛮とカレー中華があり、相当数のお客が注文していることからしても、それらが名物なのかもしれません。次回訪ねたときには早速試してみることにしましょう。

藪きん
弘前市鍛冶町26
0172-32-5013
1100AM-200AM
月曜定休
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新緑萌える東北へ - はすや

2016-05-14 22:19:16 | 居酒屋
「山水」を出たところで10時を回りました。まずは手堅く「はすや」を訪ね、万一満席か早仕舞いで振られれば「弦や」へ行くつもりで乗り込むと、カウンターの中央に一つだけ空席が。今夜の二軒目はこれで決まりました。
本日はまずあら煮が出てきました。この店の十八番ともいえる暖かいお通しです。次いで刺身をいただくところまでは不動の流れとして、その次をどうするかと考えたとき、目に留まったのがあんこうの友和えでした。北海道へ渡る前に晩酌の買い出しをしたときにも、今日八戸の市場に寄ったときにもこの品を見かけています。あん肝の時期が終わった後、身と肝を和えて出すのが当地の風習なのでしょう。初夏の津軽ならではの一品です。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

華一風・篠峯・飛露喜
お通し(あら煮)
刺盛り七点
あんこう友和え
アスパラ炒め
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新緑萌える東北へ - 山水

2016-05-14 21:24:51 | 居酒屋
一軒目を「弦や」にするかどうかで少し迷いながらも、正月以来の再訪となる「山水」を選びました。これは、直近の花見で既に二度「弦や」へ行っているという事情によるところが一つ。「山水」が今夜の宿の至近だったという事情によるところが一つ。四席のカウンターが埋まってしまえば事実上満席の小さな店だけに、まずはこちらを訪ねてみて、万一振られれば「弦や」に行けばよかろうという考えもありました。
こうして店に乗り込むと、幸いにしてカウンターに二人組の先客が残っているだけでした。まずは二人掛けのテーブルに案内され、先客が出て片づけが済んだ後、カウンターに移りたいと願い出て了承されるという経過です。
前回訪ねたときに思ったのは、二千円の「酒菜」を頼んで軽く一杯やるのもよさそうだということで、今回再訪したのもそれを試すという目的があってのことです。しかして注文した酒菜は、まず蛸の頭を真鱈子で和えたもの、次いで山うどの酢味噌和え、それにお造り二点と銀鱈の焼物という内容でした。いずれも調理、器、盛りつけともに居酒屋以上の仕事がなされており、しかも肴には多からず少なからず絶妙な分量です。腹を満たすまでには足りないものの、余力を残して二軒目へ移るには好適ともいえます。こちらの見立てに誤りはなかったようです。
店主一人だった前回に対し、今回は和装の女将が店に出ていました。教祖の番組から取材の依頼を受けたとき、再三の申し入れに店主が折れた後も、女将が最後まで反対したという話は聞いています。しかし内気な御方なのかというと全くそのようなことはなく、快活な客あしらいは店主と同様です。目立つことを嫌ったというより、なまじTVで紹介されることによって、客層が俗化するといった弊害を嫌ったのかもしれません。少なくとも自分が訪ねた二回に関する限りはそのようなこともなく、御常連御用達の雰囲気が保たれているのは幸いです。

山水
弘前市北川端町15
0172-37-1177
1700PM-2230PM
日曜定休(連休の場合営業し月曜休業)
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新緑萌える東北へ - 弘前到着

2016-05-14 21:05:41 | 東北
弘前に着きました。出発からの走行距離は2500kmに迫っています。気温は15.5度で無風、半袖シャツ一枚で暑からず寒からずの適度な気候です。
「はすや」へ行くには少々早い時間帯です。どこかで軽く一杯引っかけてから行くのがよいかもしれません。終わった後は酔いざましを兼ねて弘前公園に足を延ばし、祭りの後の静けさを体感してこようかと思っています。
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新緑萌える東北へ - 柏木温泉

2016-05-14 20:10:50 | 温泉
ここまでの流れ上、本日は必然的に弘前泊となりますが、市街へ向かう前に一風呂浴びていきます。立ち寄るのは柏木温泉、旅館を兼ねた清潔で飾り気のない雰囲気が好ましく、正方形の浴槽に滔々と掛け流される滑らかな源泉も秀逸で、津軽の中でも自身とりわけ愛用してきた温泉の一つです。

★柏木温泉
平川市柏木町柳田227-1
0172-44-7600
600AM-2200PM
入浴料 350円
泉質 ナトリウム塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 49.3度
pH 8.2
掘削動力揚湯
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新緑萌える東北へ - 水鏡

2016-05-14 19:29:32 | 東北
102号線に合流して津軽平野に下り、夕景が絵になる場所を探し求めて平賀の広域農道にやってきました。見渡す限りの田圃の彼方に岩木山が鎮座する、これぞ津軽というべき眺めが広がる場所です。水鏡の季節はいかにと思って再訪すると、目の前にあったのは期待通り、いやそれ以上の眺めでした。
田圃には水が張られて田植えの時を待っており、水面が残照を映していました。しかも秀逸なのは、いつしか風が止んで岩木山の影が映し出されたことです。暗くなるにつれて蛙の合唱が始まるところなども旅情を誘います。

上北の状況からもある程度予想できたことではありましたが、こちらの田植えも当初思っていたより遅く、水の張られた田圃がざっと二割前後、田起こしすら終わっていない田圃も所々に残っています。昨秋弘南電車を撮った尾上高校前も同様で、水鏡の中を行く電車を期待していたはずが空振りに終わってしまいました。
ただ、場所によってはここのように見事な水鏡ができているのも分かりました。明日もそのような場所を探して周辺を回ります。もし終日滞在となったときには、この夕景をもう一度見届けて締めくくるのも一案でしょう。
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新緑萌える東北へ - 城ヶ倉大橋

2016-05-14 17:25:44 | 東北
県道40号線に入って田代平を経由し、再び394号線に戻って城ヶ倉大橋にたどり着きました。前回まさかの雪で立往生して救援を仰ぎ、下ろしてもらったのがここでした。
六月に訪ねたときは春蝉が鳴いていたのを思い出します。今回その春蝉の声はなく、鶯がさえずる中でエゾヤマザクラが咲いています。岩木山麓でエゾヤマザクラが咲いていたのは二週間前のことです。道央のエゾヤマザクラも今ではあらかた散ったでしょう。ところがここではまだ咲いているという事実に、八甲田の自然の厳しさが窺われます。
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新緑萌える東北へ - ミネザクラ

2016-05-14 16:18:22 | 東北
展望台を過ぎると今度はミネザクラが姿を現しました。八甲田山に北海道より開花の遅い桜があると聞き、初めて訪ねたのは三年前、今回と同様北海道からの帰り道のことです。しかし六月上旬ではさすがに遅すぎ、駐車帯の脇にほぼ散りかけた木が一本残っているだけでした。今回は頃よく花盛りに重なったか、沿道の至る所に咲いているのが車窓からも一目瞭然です。特に、湿地に散らばる桜が八甲田山と重なる光景は絵になっています。千島桜によく似た低い立ち姿は、ソメイヨシノなどに比べればごくささやかなものとはいえ、れっきとした桜には違いありません。これがミネザクラ本来の姿かと得心した次第です。
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新緑萌える東北へ - 石倉山展望駐車場

2016-05-14 16:02:09 | 東北
394号線を西進して高度を上げ、沿道に残雪が現れたと思う間もなく、車窓の左側が開けて八甲田山が姿を現しました。お誂え向きの駐車場に車を止めれば、なだらかな牧草地の向こうに山並みが連なる絵柄は完成されており、加えて木々の緑も実に鮮やかです。明るいうちに通ったならば、ここを素通りする手はありません。
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新緑萌える東北へ - 牧場の桜並木

2016-05-14 15:10:26 | 東北
これも半月ぶりの再訪となる、牧場の敷地を貫く直線路の桜並木にやってきました。葉桜に様変わりしているのは想定の範囲内なのに対し、意表を突かれたのは桜と交互に植えられたツツジと思しき灌木です。前回は気にも止めていなかった灌木が、今まさに赤々と色づいて、ソメイヨシノの新緑と鮮やかな対比をなしています。わずか半月ほどでこうも眺めが一変するとは思いませんでした。再訪してよかったとしみじみ実感する光景です。
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新緑萌える東北へ - しちのへ産直七彩館

2016-05-14 14:40:44 | B級グルメ
天気のよい中、先を急ぎたいのはやまやまながら、寿司から間が空き空腹になってきました。前回も世話になった道の駅のそば処で腹ごしらえを済ませていきます。
ちなみに、遅い時間に訪ねたこともあるのか、産直市場の野菜がほとんど切れていました。あれほど豊富な品々を一日でほぼ売り切ってしまうことからしても、人気のほどが窺われます。

★しちのへ産直七彩館
上北郡七戸町荒熊内67-94
0176-62-5777
900AM-1800PM
そば処 1000AM-1630PM(LO)
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新緑萌える東北へ - 七戸駅

2016-05-14 14:19:09 | 東北
貨物列車を狙って旧東北本線沿線を北上するも、場所柄田植えの時期にはわずかに早かったか、水鏡の中を行く光景は残念ながらまだ出現していませんでした。今回は縁がなかったものと諦めて、やってきたのは半月ぶりの再訪となる七戸駅です。
前回訪ねたとき蕾だった駅舎の脇の八重桜が、少し散りかけながらもまだ見頃。八戸からここまで移動する間もおおむね同様の状況でした。八重桜でよければもうしばらく花見はできそうです。
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新緑萌える東北へ - 陸奥市川駅

2016-05-14 11:46:29 | 東北
八戸市街を後に旧東北本線沿いを北上します。まず立ち寄るのは八戸の一つ隣の陸奥市川駅です。
実は、八戸から一時帰京をするとき、港から駅へ向かう途中に寄り道してここを訪ねました。つまりこれが五日ぶりの再訪ということになります。個性的な佇まいの木造駅舎とその前に立つ大きな樅の木の対比がよく、小さな文庫が置かれた小ぎれいな待合室の雰囲気も秀逸で、近くを通ったときには必ず立ち寄りたくなるよい駅です。

それにしても、まだ少し走っただけというのに、季節感の違いは歴然としています。ここで季節感の違いとは、直前まで旅していた北海道との違いが一つ。昨日までいた都内との違いが一つです。桜が満開だった北海道、早くも暑くなってきた都内に対し、こちらの季節感は風薫る五月そのものです。日差しは強いものの吹く風は爽やかで汗一つかかず、車窓は鮮やかな新緑で彩られます。この季節の東北を、わずか二日で切り上げてしまってはもったいないというものでしょう。来週までの延長が早くも既定路線と化してきました。
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新緑萌える東北へ - 勢登鮨

2016-05-14 11:06:29 | B級グルメ
買い物のついでに腹ごしらえも済ませていきます。以前世話になった「勢登鮨」を今回も選びました。
物販の充実ぶりにもかかわらず、飲食店に関してはやや残念なのが八食センターの特徴で、軒数こそ多いものの、雰囲気と値付けがいかにも観光客向けなのが惜しまれます。そのような中、唯一地元客御用達の雰囲気を持っているのがここです。
鮨と名乗りながらもその実態は麺類、丼物、定食なども出す寿司屋兼食堂で、店外には惣菜と弁当が山積みされ、地元客が三々五々訪れては買い求めていきます。そのような店だけに、寿司については特にどうというものではなく、秋田の市民市場の回転寿司と比べても五十歩百歩かそれ以下です。しかし、長いカウンター越しに眺める厨房では、二十人は下らない数の板前とおばちゃんが小気味よく立ち回っており、市場の食堂らしい雰囲気は好ましいものがあります。寿司の良し悪しにさほどのこだわりがない自分にとっては、これで必要十分なのです。

勢登鮨 八食センター支店
八戸市大字河原木字神才22-2
0178-28-9300
900AM-2100PM
すし定食800円
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新緑萌える東北へ - 八食センター

2016-05-14 10:30:26 | B級グルメ
まずは八食センターで土産を買います。鮮魚、加工品、塩蔵品から乾物までありとあらゆる魚介が揃い、さらには野菜に酒まで何でも揃う充実ぶりは、清水の市場を彷彿とさせます。二日にわたり持ち運ぶ関係上、魚介を選べないのが残念ではありますが、しどけ、たらの芽、こしあぶら、さらにはアスパラガスにニンニクなど、県産の山菜野菜が充実しており、何ら物足りなさを感じません。

八食センター
八戸市河原木字神才22-2
0178-28-9311
900AM-1800PM
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