日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北海道花見の旅 2016 - 夜空のジンギスカン

2016-05-05 23:48:55 | 居酒屋
一風呂浴びて出ようとすると、外には小雨が降っていました。肌寒く雨まで降る道を行く人はまばらで、淋しげな祝日の深夜といった趣です。多くを期待できないのがどう見ても明らかな状況の中、無闇に探すことはせず、ジンギスカンで軽く一杯やれれば十分と割り切りました。選んだのは「夜空のジンギスカン」です。
昨日は深夜まで行列ができていた「だるま」も、今夜はさすがに空くだろうとは思いました。しかし、一回試して次回以降再訪しようにも、これだけ条件の揃った日が滅多にあるとは思えません。今後通える余地も考慮すると、選択肢からは外さざるを得ませんでした。とはいえ、居酒屋と違ってジンギスカンの善し悪しを区別する嗅覚はなく、どこへ行くかについて特段のこだわりはありません。そのような中、活動仲間の情報を頼りに訪ねたのがここです。

すすきのに三店舗ある中から、あえてすすきの交差点の支店を選びました。ただし、この時間なら本店も空くだろうと見込んで、最初は本店に乗り込みました。しかるに品切れを示唆され、支店に流れてくるという経過です。ただしこれは自分の早計でした。というのも、店に入って品書きを眺め、本店でいわれたことと総合するに、生ラムに豪州産と北海道産があり、後者が切れただけのようなのです。ならばそのまま本店に入ってもよいところでした。他流試合ではどうしても経験不足が露呈してしまいます。
連休最終日の閉店間際、本店でさえかなりお客は引けてきていました。ましてや支店についてはなおさらで、かなりの収容力がある店内に先客は皆無、後から入るお客も皆無で、結局最初から最後まで貸切でした。混んでいるより空いている方が当然よいとはいえ、完全な貸切というのもかえって落ち着きません。
とはいえ、広々したカウンターでいただくジンギスカンは悪くありません。二月に訪ねた旭川の「大黒屋」でもそうでしたが、癖がなく柔らかい肉を宗とするのが生ラムジンギスカンなのでしょう。次いで頼んだ鹿肉も、馬肉かと思うほど全く癖のない味わいでした。羊肉といえば臭いのあるものだと思っている世代の人間としては、今一つなじみづらい面はあるものの、若い世代に受けるのも宜なるかなという印象です。
ジョッキ二杯と生ラム、鹿肉を各一人前、それに煮込みとご飯をいただいて三千円台の前半です。あと500円ほど追加すれば、主要な品が食べ放題飲み放題になったことを考えると、始めから食べ放題飲み放題にしておき、ジョッキをもう一杯いただいた方が得だったのかもしれません。ジンギスカンに関する限り、食べ放題飲み放題は賢い選択なのだと知りました。それを含めて多少なりとも勝手は分かったため、いつか再訪するときの教訓とします。

夜空のジンギスカン すすきの交差点前
札幌市中央区南4条西4丁目 恵愛ビル5F
011-200-8929
1700PM-030AM(LO)
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北海道花見の旅 2016 - 藻岩山

2016-05-05 22:37:23 | 北海道
250kmを走った昨日に対し、今日は札幌市内から一歩も出ることなく終わりました。昨日に続き法華クラブに投宿したところです。

呑み屋の選択肢が昨日以上に限られるであろう連休最終日、呑むことだけを考えるなら、わざわざ宿泊する理由はありませんでした。それにもかかわらず連泊したのは、藻岩山に上るという目的があってのことです。
知名度こそ函館に譲るものの、小樽の天狗山と並んで見事な夜景を鑑賞できる場所です。地形の起伏が少ない上に海もないため、市街の広がり方が非常に大きく、明かりの数にかけては神戸の摩耶山、北九州の皿倉山と並ぶ全国屈指の存在でもあります。
その藻岩山にも、blogの初期に訪ねて以来長らく無沙汰してしまいました。その理由として、当時は山頂まで直通していた登山道が中腹までに短縮され、そこからスロープカーを利用する形になった結果、以前より時間を要するようになったことが挙げられます。昨年三年前も、再訪を試みながら時間がなくなり見送るという場面がありました。その点今回は、札幌に泊まるとはいえ呑み屋に多くを期待できず、その分時間に余裕が出てきます。このような事情もあり、再訪するにはよい機会と思い立った次第です。

久々に眺める藻岩山からの夜景は、記憶通りの見事なものでした。しかし今回訪ねたことによって気付いたことがいくつかあります。一つは、テレビ塔を中心にしてほぼ左右均等に市街の眺めが広がっていることです。地形の起伏がほとんどなく、ともすれば平板にも見える夜景において、分かりやすい目印が中央に存在していることが、この夜景を引き立てるのに重要な役割を果たしているということでしょう。
もう一つ気付いたのは、市街が明るいためその分雲が浮かび上がって見えることです。今日の空は朝から夜まで陰影を持っていました。途中から霧が出て市街の明かりが滲んできたことを含め、今回訪ねたからこそ出会えた印象的な夜景でした。

それほど高い山ではないにもかかわらず、中腹にも雪が残っていたのが札幌ならではでした。終日無風の穏やかな天候だったにもかかわらず、日中でもしばらく立ち止まると手先が冷えてくるのを感じました。風呂で温まってからすすきのへ向かいます。
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北海道花見の旅 2016 - 雲間の残照

2016-05-05 18:58:36 | 北海道
その後もわずかな晴れ間を狙って往生際悪く粘り、結局日没まで滞在してしまいました。ただし、もう日が射さないだろうということは途中の段階から承知していました。それにもかかわらず延々粘ったのは、陰影のある雲間から射す残照が印象的だったからに他なりません。要は昨日眺めた夕空と同じです。北海道の大空がもたらした印象的な夕景でした。
午前と午後を合わせ、晴れた時間は二時間前後だったのではないでしょうか。それ以外の時間は曇っていたわけで、数字の上では今一つの天候だったといえなくもありません。それにもかかわらず負けた気がしないのは、もともと全く期待をしていなかったところへ短時間ながらも晴れたという事情によるところが一つ。それに加え、陰影のある空に浮かび上がった木々や、木漏れ日が射し込む白樺林など、印象的な光景にいくつも出会えたという事情があります。表面上は惨憺たる予報が続く中、意外なほどに健闘できているのは幸いです。
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北海道花見の旅 2016 - 白樺林

2016-05-05 16:18:06 | 北海道
三時を過ぎると期待通りに日が射してきました。午後の日差しを浴びた桜をひとしきり鑑賞した後、西日が再び厚い雲に覆われたところです。
上記の通り、晴れたというより雲間から日が射したというのが実態であり、昨日と違い青空が広がったわけではありません。しかしこれがあながち悪くありませんでした。というのも雲に陰影があって、日が射し込むことによりそれがなおさら強調され、その空に浮かび上がった木々が様になっているのです。園内が広い上に起伏があるため、広い空を下の方から見上げるような形になるのもよいのでしょう。おかげで印象的な絵柄をいくつも押さえることができました。
しかし、もっともよかったのは桜ではなく、木漏れ日が射し込む白樺林でした。この光景を眺めて思ったのは、やはり北海道の桜は数多ある木々の一つに過ぎず、内地と違って主役たり得ないという分かり切った事実です。
それとともに、なぜエゾヤマザクラが地味に見えるかについても何となく分かったような気がします。思うに、幹が細く枝が直線的で、花も総じてまばらなのが、ソメイヨシノに比べて今一つ様にならない理由ではないでしょうか。円山公園を訪ねたときも、ソメイヨシノと並んだときの違いは歴然としていました。長年漠然と抱いていた感覚が、ようやく具体的に得心できたような気がします。
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北海道花見の旅 2016 - 真駒内公園

2016-05-05 13:54:52 | 北海道
北海道を何気なく走っていても桜はない、乏しい情報だけが頼りだと昨日申しました。その数少ない情報を頼りに真駒内公園を訪ねます。
豊平川を跨ぐ通りの北側に屋内、南側に陸上の競技場があり、さらに南側には地形の起伏を生かした公園が広がっていて、そこに桜が他の木々とともに立っています。文字にすれば一昨日訪ねた八幡平のさくら公園のようではありますが、こちらの園内はとにかく広大で、陸上競技場がさらに四つか五つは造れそうに見えます。それでいながら桜の本数は多くなく、広い園内のところどころに桜が散らばっているというのが実態です。
このような事情もあって花見客は皆無に近く、地元の散歩客が歩いているだけというのどかな園内です。全国どこの町へ行っても、花見には表の名所と裏の名所があるものですが、札幌では円山公園が表、ここが裏の名所ということになるかもしれません。
円山公園に着いた頃から曇っていた空に、先ほどから少しずつ切れ間が出てきました。場合によっては再び日が射す可能性もありそうです。しばらくベンチに腰掛け天気待ちをしてみます。
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北海道花見の旅 2016 - 北海道神宮

2016-05-05 12:22:46 | 北海道
円山公園に隣接する形で北海道神宮があります。北海道で初めて花見をした六年前にも訪ねており、そのときは参道を少し歩いて、まあこんなものかという程度の印象を抱いただけでした。しかしそれは早計だったようです。
以前歩いたのは、本殿へ向かってまっすぐ延びる参道でした。しかし、それとは別に駅の方から斜めに延びる参道があり、そこにかなりの数の露店が並んで、靖国神社のごとく屋外のテーブルで飲み食いができるようになっています。
加えて、二本の参道で囲まれた三角形の区画にソメイヨシノを中心にした桜が林立していて、それに接する形で梅園もあり、梅と桜が同時に盛りを迎えていました。円山公園の園内が、様々な木立に混じって桜が咲く、よくも悪くも北海道らしい眺めだったのに対し、こちらの境内には内地の花見を彷彿させる懐かしさがあります。
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北海道花見の旅 2016 - 円山公園

2016-05-05 11:30:22 | 北海道
大通を西へまっすぐ走り、突き当たったところにあるのが円山公園です。札幌で花見をするならまずはここだといわれる名所でもあります。
札幌は今まさに花盛り、地下鉄の駅から公園までの道を相当数の人々が歩いていきます。その流れに乗って園内に入ると、落葉松、白樺などとともにエゾヤマザクラが林立する広場で、地元の人々が宴に興じていました。
北海道の花見といえば炭火を焚くのが常です。ここでもコンロを含む機材一式が貸し出されるなど、炭を焚くのが当然であるかのように扱われており、一組の例外もなく炭火をもうもうと上げながら花見をしています。中にはビニール製のプールに氷水を貯めて飲み物を冷やす人々も。何かにつけて豪快なのが北海道ならではです。
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北海道花見の旅 2016 - 大通公園

2016-05-05 10:32:17 | 北海道
続いては大通公園を訪ねます。どこへ行っても立派な桜並木がある内地と違い、北海道の桜は数ある木々の一つに過ぎず、それはこの大通公園においても例外ではありません。しかし、テレビ塔と重なる位置にお誂え向きのエゾヤマザクラがあり、それを右手前に、テレビ塔を左の隅に置いた絵柄を記録しました。
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北海道花見の旅 2016 - 北海道庁

2016-05-05 09:43:46 | 北海道
駐車場に車を置いたまま、まずは北海道庁の赤れんが庁舎を訪ねます。ここの主役といえば、何といっても前庭に並んだ八重桜で、以前最盛期に訪ねたこともあります。今回八重桜にはまだ早いものの、他の桜も少ないながらあったという記憶を頼りに再訪したのでした。
エゾヤマザクラ、千島桜はどういうわけか見当たらないものの、庁舎から少し離れたところにあるソメイヨシノの大木が咲いています。しかも幸運なのは空が晴れてきたことです。天気予報を確認すると、晴れる時間帯は一切なく、今の時間に至っては雨との予報が出ています。それにもかかわらず晴れているのが何とも不思議ではありますが、ともかくありがたい話には違いありません。
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北海道花見の旅 2016 - 法華クラブ札幌

2016-05-05 09:15:23 | 北海道
既報の通り、昨晩は法華クラブの世話になりました。ワシントンホテルに比べ利用頻度は低いものの、法華クラブといえばあちらと並んで傑出した安定感を誇るチェーンの一つで、特に鹿児島では定宿となっています。昨日はWeb会員限定の特典つきのプランが四千円台後半、朝食を入れても五千円台後半で設定されており、それが札幌泊の最終的な決め手になりました。

時計台から北へ、または道庁の赤れんが庁舎から東へ進み、それぞれの通りが合流する交差点の南西側という、非常に分かりやすく便利な立地です。建物は外観からして年季が入っていそうでありながら、古さが出やすい階段周りなどを含めてきれいに改装されており、年代を微塵も感じさせません。部屋は十分に広く、机、椅子、鏡、照明などの一つ一つに上質なものが使われていて、窓際にはソファと小さな円卓もあります。朝晩両方入れる石造りの大浴場も快適でした。
加えてWeb会員の特典が、五つある中から一つを選ぶのかと思いきや三つも選べるという気前のよさで、その一つはサッポロクラシックの缶ビールでした。一杯引っかけてからすすきのに出たのはもちろんです。

それらもさることながら、法華クラブといえば品数豊富で郷土色も織り込まれた朝食です。和洋それぞれ選びきれないほどの品々が揃うのは鹿児島と同様ながら、こちらでまず特筆すべきは、二種の塩辛に加えて鮭といくらの親子和え、松前漬にたらこなど、ご飯の供だけでなく肴としても好適な品々が充実していることです。かすべの煮付け、鮭のちゃんちゃん焼に出汁巻き玉子の蟹あんかけなどがこれらに加わり、汁ものは石狩汁と三平汁が選べるなど、晩酌の献立としても十分成り立つ充実ぶりです。仮に酒まで呑めるようにすれば、朝からすっかりできあがってしまう宿泊客が続出するでしょう。果物の風味を生かしつつ辛口に仕上げられた蝦夷鹿のカレーなども秀逸で、朝からすっかり満腹となりました。

直近世話になったにホテルハシモトに何ら不満はありません。しかし、この立地と充実ぶりを考えると、多少の価格差ならば法華クラブに軍配が上がるかもしれません。明日明後日も同じ価格帯で泊まれるなら、札幌にもう一泊するにもやぶさかではなくなってきました。
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北海道花見の旅 2016 - 三日目

2016-05-05 07:47:53 | 北海道
おはようございます。終日雨の予報がその後曇に変わり、果たしてどう出るかと思われた本日の天候ですが、窓の外は明るい曇り空となっています。ところどころ雲が切れて青空が見えており、昨日と同様日の射す場面があるかもしれません。
上陸早々本降りの雨にたたられ、滑り出しは散々だった今回の道内滞在ですが、夕方に雨が上がって日が射してから流れが変わりました。静内の桜並木もさることながら、帰り道の眺めが非常に印象的でした。海岸段丘に沿って国道を行く中、頭上に広がる厚い雲の切れ間から残照がのぞき、その空を眼下の太平洋が反射していたのです。いかにも北海道らしい夕景でした。それを含め、はるばる来てよかったと実感できる場面が昨日はいくつかありました。同じ流れが続いてくれればよいのですが。
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北海道花見の旅 2016 - 龍祈

2016-05-05 00:47:06 | B級グルメ
宿が空いていたことを除き、祝日という条件がことごとく不利に作用しています。最後にスープカリーをいただこうとしたところ、いつも世話になっているSHO-RINが早仕舞いしていました。ただし、こちらについては振られたときの備えがあります。その昔一度だけ世話になった「龍祈」です。
店があるのはすすきのの中心を東西に貫く36号線の延長線上で、上の階にはカプセルホテルがあります。去年そのカプセルホテルに泊まったとき、最後に行くかと考えはしたものの、力尽きて店には寄らず寝てしまうという顛末でした。これがblog開設の年以来の再訪となります。
それだけの間が空いて、当時の味の印象も薄れていたところではありますが、久々にいただいてみると、自身にとって原点ともいえるSHO-RINに近い路線という印象を受けます。直近で世話になった「アジャンタ」「サヴォイ」の両店が、香辛料の風味を前面に出していたのに対し、こちらは和風の要素を取り入れた出汁と、トマトの風味とを身上とします。具沢山の野菜についても申し分ありません。そのような中、当店ならではの特徴を挙げるとすれば、チキンの皮を炙ることで、パリッとした食感を楽しめるようになっていることです。こちらも困ったときの神頼みとして覚えておきたい一軒でした。

SOUP CURRY&HAMBURG 龍祈
札幌市中央区南4条西6丁目 青山ビル2F
011-532-4227
平日 1100AM-1700PM/1800PM-600AM
日祝日 1100AM-1700PM/1800PM-400AM
水曜昼定休
チキンカリー1150円
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