球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

意外性の欠落

2007-02-05 | 技術
本日練習で会った皆様、本番を終えた皆様、その後ラーメン探しの旅に
お付き合いいただいた皆様、お疲れ様でした。
今日はそっちのネタで書くことも可能ですが、あえて読書の話をしようと思います。

村上春樹著"The Scrap"。
僕が生まれて間もない頃の出来事を、
彼のセンスに合わせ、内容は丁寧、且つ題材は(雑誌から選ぶという制限つきで)無造作に書いたもの。
内容はどれも他愛のないようなものばかりだけど、
視点が常に世界を向いており、凡百のアマチュアのエッセイに比べて
基本的に優れた引き出しを開け閉めしている印象があります。

まぁ、もともとアメリカの雑誌の感想を書くというコンセプトなので
視点がアメリカ中心なのは特に驚くべきことでもないのですが、
自分で勝手に題材を選び書くことに比べ、
与えられた題材に対して読み応えのある記事をコンスタントに書けることは驚くべきことです。
(一文が長くなってすみません。)

正確な例えとは言いがたいですが、
"ねぇ、面白いこと言って"
と言われてきちんと相手を笑わせるようなことが言える感じ。

何にでも興味を示す人ではないので思考としての広がりを感じるものではありませんが、
空間的な広がりを感じさせる文章です。
一体何がそうさせるんだろう?



この空間内は、かなりの部分が自分の思考を文字にした結果としての羅列であり、
内省的といえば内省的です。(しかし、自分ではあまりそう思っていません。)

売り物になっていく文字とこうして個人の資産としてだけ残っていく文字について、
色々想いが巡ります。

タイトルの意味はそういったもののことでありまして、
自分で好きなように書いているうちに
段々意外性(目を惹くポイント)が欠落していく恐怖を少し感じているところです。
4B鉛筆なんて、削らずに3日も使えば随分と先が丸くなってしまうわけですね。

いろんな人がスターの不在を嘆くのを、じっと聞いている君と僕…?
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