五叉路のグラフィティ

田舎者からの便り...。

監獄の唄

2024-07-28 01:07:28 | 音楽

キャッシュレス時代の今年7月3日に20年ぶりに新しいお札が発行され肖像画が変わった。
一万円札の顔が福沢諭吉 ☞ 渋沢栄一に、五千円札の顔が樋口一葉 ☞ 津田梅子に、
千円札の顔が野口英世 ☞ 北里柴三郎に変わった。僕は新しいお札をまだ手にしてないが
こちらのキャッシュは永遠に不変なりという訳で…。

Man In Blackとあだ名された有名なカントリー・シンガーソングライターをご存知か。
ジョニー・キャッシュと聞いて『名前だけは知ってるけど...』で終わってはいないか。
J・キャッシュは1955年に「Folsom Prison Blues」というヒット曲で頭角を現した。
暫く好調は続いたがツアーをすっぽかしたり刑事事件を起こすなどアウトローな性格が
災いし、ヒット曲がでなくなると薬物摂取やアル中の影響もあり次第に人気も凋落した。

ジョニー・キャッシュ / Johnny Cash At Folsom Prison (1968)
J・キャッシュが刑務所で演奏したいという野望を実現させヒットした起死回生のLIVE盤だ。
1968年1月13日カリフォルニア州のフォルサム州立刑務所での演奏を録音したもの。

バンドメンバー(The Tennessee Three;ギタリスト:ルーサー・パーキンス、ベーシスト:
マーシャル・グラント、ドラマー:W.S.ホランド)カール・パーキンス、愛しの人で後に
妻となるジューン・カーター(2曲を共演)らに支えられながら、本物の囚人達の前で
感動的なパフォーマンスを聴かせる。

恒例となっている挨拶 "Hello,I'm Johnny Cash!" で開幕するこのコンサートから数曲を紹介
Folsom Prison BluesJackson,思い出のグリーン・グラスGreen, Green Grass of Home 
地下牢のように暗くDark As The Dungeon,あと25分 25 Minutes to GoCocaine Blues

J・キャッシュらしいアウトローぶりを発揮する選曲が何とも凄い。
刑務所の歌、絞首台に向かう歌、絶望の歌なんかを披露している。
"思い出のグリーン・グラス"を郷愁を誘う素敵な歌だと勘違いして聴いている方がいるけど
この歌は”執行を向かえる朝に死刑囚が監獄の中で見た故郷の夢”を歌っているのだ。

このコンサートの模様は、ジョニー・キャッシュの半生を描いた2005年の傑作映画
ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 (Walk the Line) 』のハイライトにも
なっています。貴方がご覧になっていたら、うれしいな。 "I Walk the Line"
映画を観た後、再びこのアルバムを聴いたらさらに感動も倍増するかも。

アルバムを数枚しか聴いていなくても、彼の大ファンだと公言してもいいぜ!
そんな現金な奴だって(この俺も)にわかファンだって彼はきっと許してくれるはず。
まあ、アルバム枚数を数多く持つことに越したことはないけど。
なんたってJ・キャッシュというくらいだから。

コメント (10)
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I Love Paris

2024-07-13 00:07:13 | 音楽

 いよいよ2024年パリオリンピック(7月26日から8月11日)の開催が近くなりました。
パリといったら、ゆかりの音楽家として一番に思い浮かべるのがミッシェル・ルグラン。
シェルブールの雨傘』『華麗なる賭け』『ロシュフォールの恋人たち』... etc.
といった映画音楽の作曲やジャズ・ピアニストとしても有名。マイルス・デイビスとの
共演あり。生粋のパリっ子だったM・ルグランが今年の五輪に関われたらよかったのに。

 I Love Paris / Michel Legrand and His Orchestra (1954)復刻モノラル盤CD
M・ルグランが一躍その名を世界中に轟かせたのが、このアルバム。1954年発売後
瞬く間に好セールスを記録し本国はもとより世界中で大ヒット。このヒットを受け
シリーズ化し【観光地アルバム】を数タイトル(Rome,Spain,Rio,Vienna)発表した。

後に映画音楽の大家となるM・ルグラン(当時22才)の流麗なオーケストレイションは
洒脱でフレンチ気分を高めてくれます。アルバムの収録曲は、すべてパリにちなんだ曲で
スタンダード、ジャズ、シャンソン、映画の主題歌などの有名曲です。数曲紹介すると

 アイ・ラヴ・パリ     パリの橋の下    ムーラン・ルージュの歌
  パリの空の下   ラ・ヴィ・アン・ローズ    パリのお嬢さん

…『パリのカフェ・テラス席でパリのお嬢さんとふたりで聴きたいもの。そうだな、
  今日はブリジット・バルドー嬢か、はたまたカトリーヌ・ドヌーブ嬢と一緒に
   ちょいとこの年代はキツイ?! ~僕の世代ではドミニク・サンダ譲
    イザベル・アジャーニ譲かな~(まぁ!なんて勝手なこと。
  あぁミッシェル・ルグラン君いつもの曲を弾いてくれたまえ!!』...

...妄想に耽けりながら聴いてます(爆)この街の自販機で缶コーヒーサントリーBOSSを
飲んだらカフェインが効いて頭が冴え、”このろくでもないすばらしき世界”の現実に
戻ってきたぞ。そう、僕はこの復刻CDを購入前にこのレコード⇩を買っていたんだ。


The New I Love Paris / Michel Legrand and His Orchestra (1961)ステレオ盤LP
これはMONO盤及び観光地シリーズの好評を受けステレオで再録音し発表したもの。

お洒落なジャケットが気に入り購入したLP。所謂(いわゆる)ジャケ買いでした。
フランス国旗の三色旗トリコロール(tricolore)青・白・赤を配色してタイトル文字を
デザインしているのがオシャレです。モノラル盤ジャケットに写っていた大きな南瓜を
担いだマルシェのオジサンも居ます。さあ、どこかな? 見比べてみれば、正解◎は
エッフェル塔の”A”文字の左Parisの”P”文字のデザインにちゃっかり入っています。笑

~Bonjour Paris!~ Olympic Games Paris 2024 スポーツの祭典 楽しみですね。
Summer of '24『おもいでの夏』になるかな。熱くなったら ”I Love Paris” を聴いて
Cool Downしよう。 Michel Legrand(1932.2.24-2019.1.26)

コメント (8)
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ゲッタウェイ

2024-07-03 00:07:03 | 映画

前回エントリーとは大違い?!…ドロボーはドロボーでも所変われば品変わるという訳で(笑)

『ドク・マッコイ。腕も度胸もしたたかな盗みのプロだ。5年のムショ暮らしを終えてテキサス
の刑務所から保釈の身となった彼を待ち受けていたのは新たな銀行強盗の仕事だった。』

ゲッタウェイ The Getaway(1972年・米国/FAP作品)東和配給《創立45周年記念作品》
監督▶サム・ペキンパー 脚本▶ウォルター・ヒル 原作▶ジム・トムプソン
キャスト▶スティーブ・マックイーン(ドク・マッコイ)アリー・マックグロウ(キャロル)
ベン・ジョンソン<ラスト・ショー> アル・レッティエリ<ゴッドファーザー>ほか
音楽▶クインシー・ジョーンズ ▷「ゲッタウエイ~愛のテーマ」”Faraway Forever

銀行襲撃後の仲間割れから、悪漢達の逆襲や警察からの逃走”GETAWAY”を強いられるドクと
キャロル夫妻の行方は...。サム・ペキンパー監督”暴力の美学”の真髄を鮮烈に魅せてくれる傑作。



日本初公開’73年の翌'74年の春 名古屋納屋橋にあった2番館・名画座〔名宝シネマ〕で観ました。
所蔵してる当時のチラシのスタンプ印には4月13日公開とあるから、観たのはGWだったかな。
S・マックイーンが、次々起きるハプニング難局にも冷静に対処するピカレスクロマンの魅力に
しびれましたね、カッコよかった~!!(併映は、アラン・ドロン主演の「リスボン特急」でした)

 ▷「ゲッタウエイ~愛のテーマ」Faraway Foreverのハーモニカ演奏トゥーツ・シールマンス
"Toots"Thielemansは「真夜中のカーボーイ」や「セサミ・ストリートED」等でも有名なかた。

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快盗ルビイ

2024-06-23 00:06:23 | 映画

『ボクのマンションの上の部屋に越してきたのは オシャレで可愛くてチャーミングなレディ。
しかしそれは、世をあざむく仮の姿 実は彼女は天才的な大ドロボーだったのである。』

快盗ルビイ(1988年東宝)総天然色映画
監督・脚本▶和田 誠 原作▶ヘンリイ・スレッサー
キャスト▶小泉今日子(加藤留美)真田広之(林 徹)水野久美(徹の母)ほかお楽しみゲスト
主題歌▶『快盗ルビイ』唄▷小泉今日子 作詞▷和田 誠 作曲▷大瀧詠一 編曲▷八木正生

先日、BS-TVで久々(1988年の公開以来)この愉快な映画を見ました。
いや~楽しかったな。小泉今日子のアイドルの魅力が画面いっぱいに弾け(当時22才)、
劇中ミュージカル風の挿入歌『たとえばフォーエバー』も披露するサービスぶり。

1950年代ハリウッド製米国映画のシチュエーションコメディを彷彿させる物語は楽しい。
<ルビイ&徹>のズッコケ快盗コンビ(”怪盗”じゃない!)の結末やいかに!? 

主人公の名前からして洒落ています。
加藤 留美 ☞ ㋸ 快盗 ルビイ ... Kyon²が真田広之に仇名”ルビイ”と呼ばせようとする
林  徹  ☞ ㋣ 気の弱い林 徹 … さしずめルビイにもて囃され、獲物を盗る...ってとこかな。
      でも、眼鏡を取る と意外に二枚目ね。 ㋸ ☞ ♡💛💓 

肩の凝らない楽しい映画、この年のキネマ旬報ベストテンで10位なんだから大したもの。


脚本は短編ミステリーの名手ヘンリイ・スレッサーの原作を和田誠が大胆に仕立て直したもの。
TVのヒッチコック劇場に脚本を書いているH・スレッサー(A・ヒッチコックのお気に入り作家)
の短編ミステリーに興味を持ち、原作など僕はいくつか読みましたよ。
 うまい犯罪、しゃれた殺人 A Bouquet of Clean Crimes and Neat Muders(1960)
 ママに捧げる犯罪 A Crime for Mothers and Others(1962) 
 快盗ルビイ・マーチンスン A Collection of Ruby Martinson Stories(1957)
 最期の言葉 The Last Word(2007)

(和田 誠イラスト使用の映画ポスター)
映画の前売り券を買った時、映画館で貰ったこのポスターをしばらく部屋に貼ってましたよ。

お楽しみはこれからだ』を真似てこの映画の名セリフを紹介しましょう。ドロボー計画の
下準備ばっちりで? いよいよ決行前日のふたり、チカラ関係がわかる可笑しな会話から。
 ㋸「いよいよ明日だからね」
 ㋣「会社があるよ」
 ㋸「気分が悪いとか言って、休みなさい」
 ㋣「ああ、たぶん本当に気分が悪くなるだろうね」

コメント (4)
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ディスコ帝国の栄光と崩壊 ~ディスコの女王編~

2024-06-15 00:06:15 | 音楽

Discothèque(ダンスフロア/クラブ)、ディスコの女王と言えばドナ・サマーです。

Donna Summer / GOLD (2005)
ドナ・サマーというと偏見のあるロックファンからは見向きもされないけど、チャンと聴けば
ダンス・ミュージックにとどまらす、エレクトロ・ファンクにポップスとロックを見事に
調和・融合させた斬新さも兼ね備えたアーティストだとこの2枚組CDを聴けばわかります。

Disc1は全世界に彼女の名を知らしめたカサブランカ・レコードからのディスコヒット名曲集。
ドナ様!!と共同プロデューサーのジョルジオ・モロダーとピート・ベロッテの3名が磨き上げて
創った先鋭なディスコビートを纏った曲は他の追従を許さないのだ、実に素晴らしい。

I Feel Love                       MacArthur Park
 Hot Stuff                               Bad Girls
  Love To Love You Baby(愛の誘惑)      No More Tears  duet with Barbra Streisand

Disc2はディスコ・フィーバーが終焉した1980年代 Discothèqueを飛び出し、ドナ・サマーが
新天地ゲフィン・レコードに移りポップス、R&B、ロック等変化に富んだ曲調でも素晴らしい
歌唱を聴かせる。この頃米国のチャートは下降気味だが、ヨーロッパでの人気は不動でした。

The Wonderer               Love Is In Control(恋の魔法使い)
 She Works For The Money(情熱物語)   There Goes My Baby
  This Time I Know It's for Real        State of Independence



2回にわたって「ディスコ帝国の栄光と崩壊」を綴ってまいりましたが、これだけは言える。
ビー・ジーズと”Diva”ドナ・サマーがディスコ帝国の核となり盛り立ててきたこと、さらに
ポップミュージック・カルチャーの様相を変えたのだという事実。
その功罪はさて置き令和の日本おいて、男女とも10数人で踊り歌う学芸会風集団のダンス・
ミュージックが流行っているのを見てもわかるでしょう。
彼らがいなかったら、今日のポップミュージックは違ったものになっていただろう。

最後に、この曲で締めましょう。Last Dance
Bee Gees&Donna Summerの音楽よ!永遠なれ。

コメント (6)
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