今よりは秋づきぬらしあしひきの山松蔭にひぐらし鳴きぬ
夕影に来鳴くひぐらしここだくも日ごとに聞けど飽かぬ声かも
(万葉集~バージニア大学HPより)
愛宕山より月の輪にまかりて、秋立ちて二日というに、下山しける道に滝のありけるを、人に尋ねければ、日ぐらしの滝と答へけるに、折ふし日ぐらしの名にも違う(たが)はず鳴きけるを聞きて
昨日(きのう)今日(けふ)秋くるからに日ぐらしの声(こゑ)うちそふる滝の白浪(しらなみ)
(衆妙集~小学館・新編日本古典文学全集49)
こはきさくやまのゆふかけあめすきてなこりのつゆにひくらしそなく
(秋篠月清集~日文研HPより)
たいしらす よみ人しらす
秋風に草葉そよきて吹なへにほのかにしつるひくらしのこゑ
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
千五百番歌合に 前大納言忠良
夕つく日さすや庵の柴の戸にさひしくもあるか日くらしの声
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)