七月一日明ほのゝ空をみてよめる 紫式部
しのゝめの空きりわたりいつしかと秋のけしきに世は成にけり
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
早秋
秋きぬといふはかりなるなかめより昨日にはにぬ明ほのの空
(宝治百首~日文研HPより)
秋そとも我またしらぬしのゝめにはや吹かはる風のをとかな
(嘉吉三年二月十日・前摂政家歌合~日文研HPより)
百首歌に、はつ秋のこゝろを 藤原季通朝臣
このねぬる夜のまに秋はきにけらしあさけの風の昨日にもにぬ
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
七月一日のあしたよみ侍ける 鎌倉右大臣
昨日こそ夏はくれしか朝戸出の衣手さむし秋の初風
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
秋立日よめる 藤原敏行朝臣
秋きぬとめにはさやかに見えねとも風のをとにそおとろかれぬる
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
ゆふまくれをきふくかせのみにしめはあききにけりとおとろかれぬる
(六条斎院歌合~日文研HPより)
秋立日よみ侍ける 中納言家持
時は今は秋そと思へは衣手に吹くる風のしるくも有かな
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
惟貞の御子の家の歌合に よみ人しらす
俄にも風のすゝしく成ぬるか秋たつ日とはむへもいひけり
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
秋立日よみ侍ける 侍従のめのと
秋たつときゝつるからに我宿の荻のは風の吹かはるらむ
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
あれはててとふひともなきやとなれとにはのあさちにあきはきにけり
あるしなきまかきのをきにふくかせはたれにしらするあきのけしきそ
(廿二番歌合~日文研HPより)
河原院にて、あれたるやとに秋来といふ心を、人々よみ侍けるに 恵慶法師
やへむくらしけれるやとのさひしきに人こそみえね秋はきにけり
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)