十八史略を読む-63 戦国の七雄-5 楚 その4 王の秘密を守るため
「十八史略:徳間書店発行、丸山松幸、西野広祥編訳、1987年7月九刷」から
春申君(しゅんしんくん)が楚の宰相の任についた。
当時、斉には孟嘗君(もうしょうくん)、魏には信陵君(しんりょうくん)、趙には平原君(へいげんくん)、そして楚には春申君がいて、それぞれ食客を抱えていた。
そのころ、趙の人、荀卿(じゅんきょう:人間の天性は悪であるが、後天的努力で矯正できるという性悪説を唱えた荀子のこと)が楚にやってきた。
春申君は荀卿を蘭陵県の知事にした。趙の人梨園(りえん)が妹を春申君に献じた。そして妹が身ごもると、すぐさま引き取って、今度は考烈王の側室とした。こうして生まれたのが幽王である。
幽王は実は考烈王の子ではない。この秘密を守るため、梨園は刺客を使って春申君を殺し、自分は楚の政治を思うままに操った。
幽王が死ぬと弟の哀王が即位したが、自国民の一人に殺された。そのあと腹違いの兄の「負すう:ふすう」が即位した。まもなく、秦王政が楚に軍をさし向けてこれを破り、「負すう」をとりこにした。こうして楚は滅び、秦の一部とされた。
「十八史略:徳間書店発行、丸山松幸、西野広祥編訳、1987年7月九刷」から
春申君(しゅんしんくん)が楚の宰相の任についた。
当時、斉には孟嘗君(もうしょうくん)、魏には信陵君(しんりょうくん)、趙には平原君(へいげんくん)、そして楚には春申君がいて、それぞれ食客を抱えていた。
そのころ、趙の人、荀卿(じゅんきょう:人間の天性は悪であるが、後天的努力で矯正できるという性悪説を唱えた荀子のこと)が楚にやってきた。
春申君は荀卿を蘭陵県の知事にした。趙の人梨園(りえん)が妹を春申君に献じた。そして妹が身ごもると、すぐさま引き取って、今度は考烈王の側室とした。こうして生まれたのが幽王である。
幽王は実は考烈王の子ではない。この秘密を守るため、梨園は刺客を使って春申君を殺し、自分は楚の政治を思うままに操った。
幽王が死ぬと弟の哀王が即位したが、自国民の一人に殺された。そのあと腹違いの兄の「負すう:ふすう」が即位した。まもなく、秦王政が楚に軍をさし向けてこれを破り、「負すう」をとりこにした。こうして楚は滅び、秦の一部とされた。