プロ野球の再編問題をめぐる労働組合・日本プロ野球選手会と経営者側代表の労使協議は10日、双方が最終的な妥協点には到達しなかったが、選手会は予告していたストライキのうち11、12日については回避することを決めた。選手会は経営者側に再回答を求めており、労使協議はさらに継続される。
選手会は「球団合併の1年間凍結」や「球団新規参入要件の緩和」などを要求。10日午後5時を期限に、セ、パ両リーグで11、12日の各6試合を含めた今月の土、日曜日に予定されている計30試合でストライキに入るとしていた。
経営側は8日の臨時オーナー会議でオリックスと近鉄の合併を承認し、来季はセ・リーグ6球団、パ・リーグ5球団での2リーグ制維持を決定。9、10日と大阪市内で開かれた労使協議では、新規参入要件の緩和などで選手会側に大幅に譲歩した。しかし選手会は納得せず、18、19日以降の週末のスト権行使を盾に、継続審議を求めた。
以上が速報記事の全文です。
続報を待つより他はありません。夕方5時のテレビニュースを待ちます。
詳細はまだわからず。
どうした選手会?
ファンが怒りと失望にまかせてかけのぼった「スト支持」のハシゴを、選手側がはずしたということではない事を望みます。詳細はのちほど!
暫定合意事項は
(1)選手会が求めたオリックスと近鉄の合併凍結の申し入れを分析したうえで回答する
(2)新規参入球団の加盟を促進
(3)来季はセ6、パ5で実施、これ以上の球団削減はない
(4)ドラフト改革や選手の年俸について徹底協議
--など。
このため選手会はセ、パ両リーグで今月の土、日曜日の計30試合で予告していたストライキのうち11、12日分については行わないと伝えた。17日までにきちんとした再回答があった場合は、18日以降のストライキも取りやめる。
(中 略)
古田敦也・労働組合・日本プロ野球選手会長「大阪に近鉄バファローズを残せるかもしれないという可能性にかけてみる。(ストライキは)延期という柔軟な対応を選択した。今後もチームが削減されるかという不安もあったが、絶対にないと言っていただけた」
以上、上の記事はニッカンの速報より。
さて、どうなんでしょう。
正直スト突入を支持していたファンの多数にとっては、のぼったハシゴを外されたように錯覚してしまいそうになりますが、今一度冷静に考えれば、決してそうではないという風に僕は思います。
苦渋の決断でストを決意した選手会を支持したわけですから、今回はぎりぎりでストを回避した選手会の判断をひとまずは支持するのが妥当だとぼくは考えます。
まだ、「来週のスト」という「兵器」は振り下ろしてないわけですしね。
近鉄球団の続行に関しましても、他ならぬ当該球団の磯部選手会長が会見で「存続の可能性が残された」という見解を述べていました。
かなりあいまいで、「あやしい」としか言いようがありませんが、「1年間の合併凍結」はぜひとも実現してもらいたい。
なぜなら、新規参入への条件が大幅に緩和される可能性が現実のものとなりましたから。
もしも球団数が12球団、またはそれ以上になっても良いという選択肢が増えたとしたら、1リーグにむけた球団削減への流れそのものがあまり意味をなさないものになります。
オリックスが近鉄との合併を白紙に戻す可能性がでてきますから。
とにかく一年間の猶予があれば、近鉄の身売り先を検討しつつ、ドラフト制度・放映権料一括管理の改革を進め、フランチャイズ移転の検討も含めるなど、あらゆる未来を模索する事ができるでしょうから。
とにかく整理しますと、
今まで経営陣の誰もが球団数を減らす事ばかり考えてきました。
なぜならば読売の放映権料の分け前は、球団数が少なければすくないほど多いからです。
しかし、球団数が増加しても良いという選択肢がそこに加われば…。
経営陣の意識は放映権料への依存よりも、地道な観客動員に向けられる可能性が増します。
フランチャイズの移動やドラフト制度改革の方向に向いてくれる可能性が増します。
いや、こんな楽観的に構えていてはいけないことは、今日の会見での古田会長の表情をみてもわかります。
ポイントは来週中に予定されている「経営陣からの回答」。
もしもその内容に誠意が見られない場合、ストは手段として実行するべきです。
ともかく、「今週のスト」は回避であっても、「来週のスト」はわかりません。
今は「選手会の決定を支持する」という姿勢を、ぼくは崩しません。