野球界に大きな動きがあったため、少し遅れましたが「第三回【マンガの描き方・道具編】」をお送りします。
ちなみに前回までの記事は以下のリンクからどうそ。
■第一回
■第二回
さて、前回はパソコンを使う作業以前の工程についていろいろとご紹介いたしました。
今回はいよいよパソコンが出てまいります。
これは僕の机の横ですね。
リサイクルショップで購入したラックに、
プリンタと
スキャナが置かれています。
ちなみにスキャナのお値段は1万円前後だったと思います。
さて、このスキャナを使ってペン入れが終了した原稿をパソコンに取り込みます。
ポイントは「キレイに消しゴムをかけてから取り込むこと」。
A4サイズの原稿用紙一面に消しゴムをかけると、知らず知らずのうちに消し残しが発生します。
単純な作業ですが、他人に手伝ってもらうとたいてい消し残しが発生します。
さて、僕の場合は加工ソフトとして「フォトショップ」を使っています。
以前はバージョン5.5を使用していましたが、現在は6.0ですね。
使い方に関しては、基本的なところをパソコンに詳しい友人に2~3時間かけて教えてもらい、あとはガイドブックで勉強しました。
6~7割ぐらい使いこなせれば、なんの問題もありません。
で、パソコン上の画面に取り込んだ原稿を加工するにあたって欠かせないのが
ペン・タブレットです。
「阪急電車」はデスクトップの壁紙なので気にしないでください。
ちなみにこの壁紙、
阪急電車を描きたいときはとても便利ですが、そんな仕事は残念ながらありません。
パソコン上に直接作画するとき・またソフトを使って作業するときはマウスではきわめて不便。
よって、このペンタブレットというものを使います。
僕が使っているのは「タブレット界のジャニーズ事務所」こと、「ワコム社」の最新モデルです。
コーヒーをこぼして壊れたので買い替えました。
お値段は大手家電ショップで2万5千円ぐらいだったと思います。
発売日当日でした。
ちなみにワイヤレスのマウスも付属しているので、普段イラストを描かないときも快適です。
また、写真でもわかるように本体の両サイドにはボタン類やタッチパネル(っていうのか?指でこすって操作するやつ)がついていまして、作画作業が快適に行えます。
さて、フォトショップ上はどうなってるでしょうか。
こんな感じです。
素晴らしいですね。
なんか「仕事やってるな、コイツ」っていう雰囲気がこの画像からもバリバリ感じられます。
このソフトとタブレットだけで、僕の場合はペン入れ以降の全ての作業をやります。
背中がかゆいときも、ペンでかきます。
画像で灰色に見える部分。
これは
「スクリーントーン」と呼ばれるものをパソコンで貼り付けていってるわけです。
スクリーントーンに関しては、ご存知の方も多いでしょう。
「マンガ入門書」などを読んで漫画家を目指した時、この「スクリーントーンの値段の壁」にぶつかった方も多いと思います。
かなり安価になったとはいえ、B4サイズの最安値のトーンで一枚280円ぐらい。
しかも大量に使うとなると、学生の方などにとって出費はけっこうなものになります。
しかしフォトショップのプラグインにこれを導入すると、初期費用だけで永久に使えます。
本物のトーンを扱うには多少の技術とけっこうな時間や根気が必要になるのですが、パソコン上なら簡単です。
で、このフォトショップとタブレットを使って黒い部分を塗りつぶしたり(ベタ入れ)、修正を加えたり、コマの中に擬音を入れたりいたします。
擬音の文字が絵に埋もれないように「白い縁どり」もするのですが、パソコンならこれも簡単ですね。
アナログ作業だと、修正液を使ったりしてものすごく大変なんですが…。
さて、作業は進み、原稿は完成します。
とりあえず一度プリントアウトして、ディズプレイではわかりにくいミスも紙上でチェックします。
お腹がすいている場合は、そのまま食べてしまいましょう。
最悪死にますが、少なくとも「お腹がすいた」どころではなくなるので良かったですね。
そして出来上がった原稿を保存し、出版社には、そのまんまパソコンから
メールで送っちまいます。
画像を「グレースケール」から「モノクロ2階調」という形式に変換してからで保存すると、容量はかなり圧縮。
だいたい1~2メガの範囲でおさまりますので、添付ファイルとしてそのまま送ります。
ただし、容量が大きいカラー原稿の場合はそうもいきません。
その場合は、
「宅ふぁいる便」という無料のサービスを利用して原稿を送付します。
このサービスなら40Mまでのあらゆる形式のファイルを無料で転送してくれますので、とても便利です。
時間によってはサイト自体がものすごく重い場合はありますが、どなたでも簡単に使えるサービスなのでオススメです。
メールでの送付に関して、もちろん郵送費がかからないのも大きなメリットですが(着払いですけどね)、それ以上に「締め切りギリギリまで作業できる」というのが魅力です。
さて、ちょっと早足ですすめましたが、楽しんでいただけましたでしょうか。
次回は「ブログで使っている選手似顔絵が完成するまで」に関して、ちょっと詳しくご紹介したいと思っています。
サンプル選手は「岩隈久志」なので、皆さん是非ご期待ください。