前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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庄野義之先生、福井大学名誉教授の葬儀に参列

2016年06月11日 | Weblog
今日は、福井大学名誉教授の庄野義之先生の葬儀に参列しました。先生は原子核物理のご専門で北海道大学、広島大学、福井大学で研究活動をされました。
 福井大学工学部長なども歴任されましたが、日本科学者会議にも参加され、原発推進の危うさについても専門家の立場から警告をだされてきました。
 最近では安保法制に反対する福井大学有志の会にも賛同されていました。
 日本共産党が開催する学者知識人関係者の懇談会にもよくおみえになり、そういう場で私も何度か福井県政報告をさせていただき、激励もいただきました。数年前にご自宅にうかがった折に、ご病気のことも話されていました。
 いま、福島事故がおこった日本で、安倍政権が次々と原発再稼働をすすめようとしている時に、トータルシステムとしての原発の不備を鋭く指摘されてきた先生を失ったことは残念でなりません。
 お疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。



■庄野先生の原発問題住民運動福井県連絡会での講演要旨   2009年5月

1970年に敦賀1号、美浜1号が稼動しているので、福井県の原発は40年を迎える。その当時は、いまと違って情報公開などはほとんどなかった、という。安全の説明がないまま急速に増設されたのが福井の原発。
   先生ご自身、なぜ批判的なのか。技術的問題として安全が確立していない。高レベルの放射能のゴミなどどうするか。トータルシステムの安全性が不十分。
  地域では、結局「カネ」の問題になってしまい、原発依存になってしまった。
  振り返れば、戦争に利用されたということで原子力は不幸なスタートだった。日本でも、中曽根が学者の頬を札束でたたくような手法で推進した、と批判された。
  いま、平和利用といいながら、プルトニュウムの取り出し。もんじゅ・プルトニュウムリサイクル路線。・・・・この流れで原発をどんどんすすめるのがいいのか。

  これまで、美浜1号の蒸気発生器細管破断、敦賀の放射能ふくんだ廃液たれ流し、大飯1号の緊急冷却装置の誤作動、もんじゅのナトリウム火災事故、美浜3号機の配管破断事故・・・・地震による柏崎原発被災。大きな事故が繰り返されてきた。

   日本の原子力行政に、独立した規制機関がないのは大問題。
   国や福井県がすすめるプルトニュウム路線は安全にモノになるか、は疑問。もんじゅのナトリウム冷却にも無理がある。再処理問題ふくめて、よほどの技術の大飛躍がないと難しい。
   こういう点で、日本は地道に原子力をやっていく、という姿勢に欠けている。また、アメリカとの深い関係に拘束された原子力行政であり、日本独自の発展が妨げられている。


■大飯原発との(質疑)応答を読んで   1980.1.17

                 日本科学者会議福井支部 福井大学教授 庄野義之

  小浜市民の会と大飯町住みよい町造りの会が、大飯発電所の安全性について25項目の津門をつくり、関電に「回答」を求めていると聞いたのはもう1年近く前になります。
住民の方たちがこれだけさまざまな面から、しかも大変詳しく原発について問題を出されていることにまず驚かされました。福井の原発反対運動のレベルが一層高くなったことを感じさせます。

この質問は、ひん発する事故・故障に住民の方が大きな不安をいだいてつくられたのだと思います。
頻発する小事故は大事故の前ぶれといわれます。
だから、ちょうどこの質問が出された時に、スリーマイル島原発の大事故が起こったのもまったく偶然とは言えないように思います。

このたび、この質問への「回答」と質疑討論の結果をお聞きしましたが、その内容は大変重要なものであり、私たちも関心を寄せなければならないものばかりでした。

わが国では、事故の実態や原因をはじめとして、原発について正確なデータを手に入れることは非常に困難なことです。今度の回答の中でも、例えば燃料棒被覆管の温度について「企業秘密」という言葉が出てくるのは非常に気にかかるところです。
事実を知らさずに、原発は大丈夫という一方的な宣伝によって計画が進められています。
このたびの「公開ヒヤリング」の進め方にもこのような推進の姿勢が表れているのではないでしょうか。

このようなやり方を変えてゆくためには、やはりこの質問書にあるようなことを、1つ1つはっきりさせてゆくねばり強い努力が必要なのだと思います。
「回答」の中で示されている原発労働者の被曝のデータも、内容にいろいろ問題はあるにしても、住民や科学者の運動の成果として、数年前に公表されるようになったと考えることができるでしょう。

このたびの質疑討論でも、原発についてのいくつかの大事なことが明らかにされていますし、さらに資料の一層の公開を促すことになることが期待されます。

もう紙面がありませんが、「回答」の中から、いくつか気のついた点をあげてみます。
1つは大飯独特のアイスコンデンサー方式の格納容器について、住民の危ぐを一応認めています。
これはやはり1つの成果です。しかし同時に、内容のはっきりしない抽象的な言葉で肝心なところを逃げています。
例えば「量的に評価すれば水素爆発の心配はない」と言っている点です。
また支持ピンなどの問題で、営業運転前の点検は、「原則的にはやるべきだ」と住民の主張を認めています。しかし一方これも大変あいまいな言葉で「総合的に判断して、やらなくてもよい」という趣旨のことが述べられています。

抽象的で内容があいまいな言葉ではなく、実証性を伴った具体的な仕方で、これらのことを今後明らかにしていかなければならないと思います。

今後のご健闘をお祈りします。



福井県議会質問。使用済み核燃料への課税、夜間定時制廃止、耐震改修助成

2016年06月11日 | 福井県政
昨日は福井県議会一般質問でした。福井県が議会に提案している使用ずみ核燃料に課税する条例案の問題での質問がNHKニュースで報道されました。私は、搬出効果は疑問だ、と指摘しました。原発廃炉時代に新たな財源を求めたもの、とみられても仕方ありません。
 60年間運転をめざす高浜原発1,2号機再稼働問題や京都・滋賀などと取り組む広域避難訓練は熊本地震の教訓をふまえたものにすべき、と求めました。


http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3054979371.html





 再稼働反対金曜行動でもやりとりを報告しました。








■NHK・・・・使用済み核燃料課税で議論

県議会は10日、一般質問が行われ、県が電力事業者から徴収する核燃料税で新たに使用済み核燃料を課税の対象とすることに関して議員から「課税によって中間貯蔵状態を半永久化する懸念がある」と意見が出されたのに対して、西川知事は「県外に搬出すれば税負担がなくなる」として、課税は、電力事業者に使用済み核燃料の搬出を促す効果があると強調しました。
県議会の一般質問では、共産党の佐藤正雄議員が、原子力発電所に残されたままの使用済み核燃料についても新たに課税の対象とする制度を設けることに関して「福井県はすでに事実上、中間貯蔵状態にあり、課税によって、逆に中間貯蔵状態を半永久化し県の説明とは、真逆の効果をもたらす懸念がある」と述べ、知事の考えをただしました。
これに対して、西川知事は「県は、再三にわたって県外への搬出を求めている」と強調した上で「県外に搬出すれば税負担がなくなるというのは、これまでの福井県の立場をより強く主張する制度だ」と述べ、課税は電力事業者に使用済み核燃料の搬出を促す効果があることを強調しました。
一方、国の原子力規制委員会の審査で運転開始から40年が経過した高浜原発1号機と2号機が、6月下旬にも運転延長が認められる見通しとなっていることに関して西川知事は「県の専門委員会で国の審査結果や事業者の安全対策の状況などを厳正に確認していく」と述べました。

06月10日 18時52分