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JR東日本 215系電車

2011-04-26 23:21:56 | 電車図鑑・JR新系列一般用車両
利用客の伸びが著しかった着席定員制列車「湘南ライナー」の輸送力の増強を図るために
登場した車両である。
平成4年~平成5年にかけて10両編成×4本=40両が製造された。
製造を担当したメーカーは日本車輛と日立製作所である。
編成の組み方(左が熱海側)と形式は以下の通り。

クモハ215+モハ214+サハ215(サハ215-100)+サハ214+サハ214+サロ215+
※+サロ214+サハ215(サハ215-200)++モハ214-100+クモハ215-100

・クモハ215形:制御電動車。東京・熱海側の先頭に連結されモハ214とユニットを組む。
 制御器やパンタグラフ、発電機などを集中して搭載するため、この車両だけ
 ハイデッカー構造である。100番台は東京側に連結される車両という意味で
 仕様差はない(後述のモハ214形も同じ)。
・モハ214形:中間電動車。2階建て車。クモハ215形とユニットを組む。
・サハ215形:中間付随車。2階建て車。トイレ付き。クモハ215形・モハ214形と同じく
 第2編成以降は連結位置で熱海側(3号車)が100番台、東京側(8号車)が200番台
 と車番が分けられる。
・サハ214形:中間付随車。2階建て車。
・サロ215形:中間付随車。2階建て・グリーン車。トイレ付き。
・サロ214形:中間付随車。2階建て・グリーン車。乗務員室付き。

車体は常磐線中電で試作されたクハ415-1901をベースにしたオールステンレス製で
先頭部分のみ普通鋼鉄製となっている。
クモハ215形以外、全車両2階建てとなっているほか、クモハ215形も機器を集中して
搭載している関係でドア間の客室は2階部分相当の高さにあるハイデッカー構造と
なっている。
正面は貫通型でヘッドライトは貫通扉上に配置された。
貫通扉は非常用である為、観音開き式となり、窓が設けられていない。
塗装は先頭部分が白で貫通扉と客用扉がパープルとなっている。
列車種別表示と行き先表示は字幕式で正面は列車種別表示のみである。

車内は2階建て(1・10号車はハイデッカー)でグリーン車と普通車の2種類がある。
グリーン車は2-2配置の回転リクライニングシートで基本的に211系の
2階建てグリーン車を踏襲したものとなっている。
各座席上部にスポット照明とスポット空調が設置されているが、荷棚は両端の
平屋席にしかない。
普通車は4人向き合わせ(一部は車椅子対応のため3人向き合わせ)の固定クロスシート
(いわゆるボックスシート)で統一されている。
この座席には253系電車「成田エクスプレス」の普通車で採用された片持ち式の
バケットシートを採用し、足元に荷物置場を置けるようにした他、座席上にも
枕木方向に荷棚を設置した。
トイレは3号車、5号車、8号車にあり、いずれも洋式で洗面所とトイレが独立した
特急用電車並の設備を有する。
また、2号車、4号車、9号車のデッキにカード式公衆電話を設置していたが、
携帯電話の普及により4号車のものが撤去された。
ドアは片側2ドア・片引き戸のデッキ付きで窓は全て固定式である。
客室とデッキの仕切りはグリーン車を除き、背の低いパーテーションでの
仕切りとなる。
各客席端部にLEDスクロール式の旅客案内装置を設置しているが、列車によっては
使用されない場合がある。

主制御装置は界磁添加励磁制御でブレーキは抑速ブレーキ付き回生ブレーキ併用
電気指令ブレーキである。
台車は軸箱支持を円層ゴム式とした空気バネ式ボルスタレス台車で
最高速度120km/hでの走行に対応するため、蛇行動防止のためのヨーダンパーを
装備している。
モーターの駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式である。
これらの機器類は211系電車や253系電車のものと同等であるが、車両重量の増加と
性能の維持を両立させるため、制御器の限流値を引き上げ、弱め界磁率を
高めるなどの対策が施されている。
集電装置はパンタグラフで中央線の狭小トンネル対応のものを採用している。
運転台は253系準拠のデスク型ツーハンドルマスコンである。

平成4年より第1編成が東海道線の「湘南ライナー」で運行を開始し、日中の快速列車
「アクティー」にも使用されるようになった。
平成5年には第2~4編成が増備され、「湘南ライナー」の他に「湘南新宿ライナー」にも
使用されるようになったほか、日中の快速「アクティー」で本格的に運用された。
また、中央本線に乗り入れられる設備を生かして臨時快速「ホリデー快速・ビュー
やまなし」にも投入され、他の臨時列車でも運用されるようになった。
「アクティー」での運用は好評であったが、2ドアで乗降時間と10両編成という
短い編成で輸送力の問題が顕在化したため、平成13年をもって撤退し、
同時に運行が開始された湘南新宿ラインの横須賀線~新宿系統の快速を中心に
運用されるようになった。
この列車も好評であったが、平成16年に湘南新宿ラインのE231系統一化が
実施されたため、一般利用できる定期列車の運用からは外され、
再び、「湘南ライナー」、「ホームライナー小田原」、「おはようライナー新宿」といった
着席定員制のライナー列車と中央本線のホリデー快速中心の運用となっている。
なお、本形式ではSuicaグリーン券システムの設置は見送られている。


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