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えちぜん鉄道 MC-6001形電車・MC-6101形電車

2011-11-06 23:25:45 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
京福電気鉄道福井支社の鉄道事業を引き継いだえちぜん鉄道が、老朽化した
旧型車の置き換えと、京福時代に起きた2度の正面衝突事故で失われた車両の
代替として、愛知環状鉄道100系電車電車を譲り受けたものである。
平成15年にMC6001形2両が、平成16年~平成18年にMC6101形12両の計14両が
それぞれ入線した。
基本的に単行運転用なので決まった編成は組まない。
新旧の番号対比は以下の通り(えちぜん鉄道車号←愛知環状鉄道車号)。

MC-6001号←103号 MC-6002号←105号
MC-6101号←101号 MC-6102号←102号 MC-6103号←104号 MC-6104号←302号
MC-6105号←301号 MC-6106号←303号 MC-6107号←107号 MC-6108号←109号
MC-6109号←105号 MC-6110号←106号 MC-6111号←304号 MC-6112号←305号

車体は普通鋼鉄製で旧番が100番台の車両は100形で制御車の200形と編成を組んだ
片運転台の制御電動車であったが、えちぜん鉄道への譲渡にあたって、100形の
連結側に200形の運転台を接合して両運転台化している。
旧番が300番台の車両は元々増結・救援用に登場した300形電車であったため、
この改造は実施していない。
MC-6106号、MC-6111号、MC-6112号は平成4年製造、他は昭和62年製造で
製造を担当したメーカーは全車が日本車輛である。
譲渡時の改造を実施したのは名鉄住商工業と阪神電気鉄道尼崎工場である。
運行開始当初、スノープロウを付けた程度であったが、平成16年ごろまでに
スノープロウと一体の大型のスカートを取り付けて、降雪時の除雪能力を
向上させている。
塗装はホワイトにブルーのグラデーションラインで正面貫通扉と側面ドアは
イエローとなっている。
行き先表示は正面のみで字幕式である。

車内は愛知環状鉄道時代のままのセミクロスシートでドア付近の2~3名分が
ロングシート、他は4人向き合わせの固定クロスシートでヘッドレストがあるのが
特徴である。
シートモケットの色はピンク系からブルー系のものに張り替えているほか、
最初に投入されたMC-6001形では優先席をオレンジ色のモケットとしている。
冷房装置は製造時より取り付けられているほか、扇風機は国鉄車両から流用した
個別のスイッチで作動するものを装備している。
ドアは片側3箇所、全て片引き戸である。
旅客案内装置は当初は乗務員室後方に運賃表示器とLEDスクロール式のものを
装備していたが6103号車以降は液晶ディスプレイ式のものとなった(それ以前の
車両も改造)。

主制御装置は抵抗制御(電動カム軸・永久直列式・弱メ界磁・空転検知装置つき)で
ブレーキは発電ブレーキ併用電磁直通式ブレーキである。
台車は軸箱支持を円筒ゴム式とした空気バネ式ボルスタレス台車でモーターの
駆動方式は中空軸平行カルダンである。
モーターは当初、愛知環状鉄道時代のMT-46形という国鉄101系が使用していた
モーターを搭載していたが、直流600Vでこれを起動させると本来の性能の
半分以下しか発揮できないことが判明した(MT-46形モーターの端子電圧は375V。
1500V÷4=375V→600V÷4=150Vとなる)。
このため、回路に手を加え、力行時には4つあるモーターのうち、3つを回して出力を
確保することにした。
これにより1個あたりのモーターのパワーが向上しているが、それでも在来形式に
比べると低く、ダイヤ上も問題があったことから、平成15年にMT-54形という
JR東日本の113系などで使用されていた強化型のモーターに換装された。
MC-6101形は当初よりこのモーターを装備している。
なお、MC-6101形も力行時は3個モーターとなり、発電ブレーキ使用時は
全モーター(4個)使用となる。
また、MC-6101形では補助電源装置の静止型インバータ化、冷暖房の強化などの
改造も受けており、今でこぞ同じ機器を使っているが、MC-6001形と形式が
分けられた。
運転台はツーハンドル式で愛知環状鉄道時代からワンマン運転を考慮した構造と
なっていたので一部機器を取り替えた以外、そのままである(愛知環状鉄道では
ワンマン機器は搭載していたものの使用せず)。

平成23年現在、えちぜん鉄道の主力車両となっており、終日運用されている。
ラッシュ時にはMC-2101形電車と混じって2両編成で運用されることもある。
ワンマン運転対応であるが、日中はアテンダントによる乗車券発券、各種案内対応が
行われている。
MC-6001形は2両連結で運用されることが多かったが、平成23年7月末~9月末にかけて
相次いで検査入場したため、単行で走る姿を久々に見ることが出来た。


○車内。ヘッドレストが出っ張った独自のクロスシートが並ぶ。
 中ドアにはサイクルパス用の固定器具(自転車を固定するバンド)が設置された。


○運転台。


○運転室後方。上部のディスプレイに運賃表や行き先表示、停車駅案内などが
 表示される。日中はこの辺りにアテンダントが乗務する。


○ラッシュ時に走る2両編成。ちなみに現在この辺りにはテキ6(えちぜん鉄道ML-6)用の
 保存庫が建設されている。


○雪に埋もれるMC-6101形。今年1月の豪雪は本当に凄かった。


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