水の丘交通公園

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横浜市交通局 1600形電車

2010-10-19 22:06:29 | 保存車・博物館
戦後急造車だった800形電車を置き換えるために導入された車両である。
昭和32年に6両が局の工場にて新造された。
横浜市電としては最後の新車である。

車体は普通鋼鉄製で大阪市電3000形電車を範にとったといわれる軽快なスタイルが
特徴である。
正面は中央窓を幅広とし、その両脇に縦長の細い窓を配した三枚窓で
ヘッドライトは正面中央下、標識灯は正面左右上部にある。
塗装は登場時が窓周りが白、他がブルーのツートンカラーで、これにブルーの
細帯が入るものであったが、後にブルーの細帯が無くなった。
晩期はクリームイエローにライトブルーの細帯が入るものとなっていた。
行き先表示は字幕式で正面にのみ設置し、系統板と経路図は板表示である。

車内はオールロングシートで座席のモケットはグリーンである。
ドアの配置は横浜市電のボギー車では珍しい前中式で、どちらも4枚折り戸である。
側面窓は上段Hゴム固定、下段上昇のいわゆるバス窓である。

主制御装置は直接制御方式の発電ブレーキ付抵抗制御で
ブレーキは空気自動ブレーキである。
台車は枕ばねをコイルバネとし、軸箱支持をモノリンク式とした金属バネ台車を
採用している。
駆動方式はこれまで通りの吊り掛け駆動である。

登場時は新鋭車両として迎えられ、近代的なスタイルから好評を博した。
しかし、両端ドアの4輪単車やボギー車、もしくは3ドアのボギー車が多数を占める
横浜市電の中では異端な存在となってしまい、徐々にではあるが
運用が限られていった。
昭和42年より合理化のため、市電のワンマン運転が開始されたが、
本形式は最新形式なのにも関わらず、ドア配置が異なるため、ツーマン仕様のまま
残存し、市電廃止を目前とした昭和45年に全車引退となった。
引退後、1601号が保存車となり、滝頭車庫に保管され、その後、同車庫を利用して
開館した市電保存館で登場時の塗装に塗り替えて展示されている。
なお、この場所は1600形生誕の地でもある。


○1600形車内。近代的で明るい車内であった。
 戸口も広く、乗降もしやすいがワンマン化には不向きと判断されたのか、
 最後までツーマンだった。


○1600形の台車。


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