水の丘交通公園

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国鉄 EF59形電気機関車

2012-10-27 10:13:16 | 保存車・博物館
山陽本線岡山~広島間電化に際し、瀬野~八本松間に存在する大山峠の連続勾配区間で運用されていた
登坂補助用の蒸気機関車を置き換えるために登場したものである。
全車が高崎線や東北本線上野~黒磯間で運用され、両線の電車化で捻出されたEF53形電気機関車及び
EF56形電気機関車からの改造で新造機は無い。
昭和38年~昭和47年にかけて24機が改造された。
新旧の車番対比は以下の通りである。

EF59 1←EF53 8 EF59 2←EF53 9 EF59 3←EF53 3 EF59 4←EF53 11 EF59 5←EF53 12

EF59 6←EF53 5 EF59 7←EF53 6 EF59 8←EF53 7 EF59 9←EF53 4 EF59 10←EF53 1

EF59 11←EF53 2 EF59 12←EF53 10 EF59 13←EF53 19 EF59 14←EF53 16 EF59 15←EF53 18

EF59 16←EF53 17 EF59 17←EF53 14 EF59 18←EF53 15 EF59 19←EF53 13 EF59 20←EF56 1

EF59 21←EF56 2 EF59 22←EF56 3 EF59 23←EF56 5 EF59 24←EF56 12

車体はベースとなった機関車のものをそのまま使用しており、1~19号機までのEF53形ベースのものは
角ばったもの、EF56形ベースのものは半流線型の曲面を多用したものとなっている(但し24号機はベースの
EF56形12号機が同形の後期型のため角ばっている)。
正面は貫通型で前後には大型のデッキを有する形態で古典機特有のスタイルである。
塗装は国鉄標準の「ぶどう7号」と呼ばれる茶色で広島側正面は警戒色としてV字カットの虎縞塗装が
為されている。

主制御装置は電空単位スイッチ式の抵抗制御で特急列車の後押しも行うことから最高運転速度を
95km/hに向上させている。
そのため、ギア回りなどの走行機器の各種強化改造を実施したほか、重連総括制御も可能なように
なっている(原型機では不可)。
ブレーキは空気自動ブレーキである。
本形式では特急列車や高速貨物列車の後押しをするため、走行中解放を実施する関係で東京側のデッキの
連結器を密着自動連結器に換装したほか、各車両に対応したジャンパ栓を取り付けている。
このため、東京側前面デッキ側は厳めしい表情となっている。

昭和38年より瀬野駅に隣接して設置されていた瀬野機関区に配置され、順次、補機として運用されていた
D52形蒸気機関車を置き換えた。
運用区間は列車により異なり、特急など瀬野を通過する列車は広島駅若しくは広島操車場の時点で、
瀬野停車の列車は瀬野で連結された。
この勾配は片勾配で下り列車は通常の車両の装備である程度対応できるため、これらへの連結運転は
行わず、機関車だけで瀬野へ戻って行った。
もっとも、列車の多い幹線であったため、単機で一々戻ることはなく、重連を組んでから
瀬野へ回送されている。
もともと戦前製の機関車であるため、老朽化の進行が速く早期に置き換えが検討されたが、
後継機のEF61形200番台が不具合を多発させたため、EF67形が開発されるまで老体を押して運用された。
昭和57年~昭和61年にかけて本格的に廃車が実施され、民営化前までに全車が運用を離脱した。
10号機は保存機として籍を残し下関車両管理室に保存されていたが、平成18年に除籍・解体され、
ここで全車が廃車となった。
保存機は碓氷峠鉄道文化むらで1号機と11号機(ナンバープレートをEF53形2号機に交換し、デッキも改造前に
復元している)、JR貨物広島車両所で16号機のカットモデルと21号機が存在している。


〇東京側正面。連結器周りの装備が厳めしい。


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