かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

ふいの涙

2022年09月09日 22時21分04秒 | みゆみゆとの生活
私、あまり過去を振り返らないタイプで。
古い記憶はどんどん薄れてしまう。
けど、一瞬で引き戻されることってあるんだね。

昨日たまたま社協でバッタリ会った初老の女性に、どうにも見覚えがあり。
お互いじぃっと見つめ合って、思い出した。
先生。そうちゃんの保育園の時の先生だ。
それも乳児組さん(診断前)の時の。
「先生。えーっと、」名前を思い出せず固まってたら、近くにいた人が「○○さんだよ」と助け船。
「そうそう。○○先生!そうちゃんがお世話になりました。覚えてないですか?」
よく考えたら園の先生って毎年たくさんの子どもを見るもんね。13年前の乳児なんて覚えてなくて当然かも。

すると先生、目をぱちくりさせながら、
「あー。あー。思い出してきました。わかりました。」
どうやら思い出してくれた様子。

私の方も、
「その節はありがとうございました。とても手がかかった子だと思います。」
「いえいえ。ああ、そうでしたね。元気のいい子でしたね。」
「自閉症で、今は特別支援学校の高2になりました。」
「ああ、そうなんですね。そうですか。そうですか。」
戸惑いつつも深くうなづいてくれていて、なんだか申し訳なかった。

お互い急いでいてほんとに短い立ち話。
だけど、なぜかふいに涙が出て困った。
古い園舎の床の色まで思い出されて。
そのあと車で少し泣きました。

何の涙か。
言葉では言い表せないけど。
蓋を開けたんだな。

小さくてぷよぷよだったそうちゃん。
毎日何かやらかして謝って。
心配でたまらなくて。
可愛くて仕方なくて。
でも辛いこともいっぱいあった。

そんなこんなが、うっすらこじ開けられた蓋の隙間からどんどこどんどこあふれだしたんだ。

これだな。
だから私はあまり過去を振り返らないのよ。
切ないのが苦手。

…でもたまには必要なのかも。
ここんとこずっと非常事態だったのに、泣いてなかったから。
涙が、
外に出たがってたんだね。