Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

BF135A4のパワートリム&チルトの修理の続きなんですわ!

2012-05-31 19:18:26 | ブログ

みなさま、ごきげんはいかがでしょうか?

今日は・・・・月末です。

要領の悪い、商売のへタな私の心は、

いつも月末は・・・・宿題の残っている8月31日です。

計上モレはないか?

注文残はないか?

部品在庫の月末の棚卸しは?

経費の領収書の処理は?

この、パニックのなかでも、電話がジャンジャン鳴ります。

「Hさん、BF25Aの修理やねんけど・・・・・」

いつも大変お世話になっているB社のK社長からです。

「Hさん、注文したBF9.9Dは今日に・・・・・」

こちらも、大変お世話になっているM社のO兄さんからです。

ほかの電話もじゃんじゃんかかってきます。

私は、「ひみつのケンミンショー」までに家に帰れるのでしょうか?

ブログを見ている、みなさま・・・お願いです。

急ぎでないご用件は、メールでお願いします。(笑)

さてお題のパワートリム&チルトの修理です。

このパニックの中、部品が届きました・・・・・

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いつもパワートリム&チルト(以下PTT )は、Oリングがいっぱいです。

上の写真の、手前の修理中の金属の・・・「ポンプASSY」は、もし部品で

買ったら、¥83,000-です。(今回はOHです)

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各シャフト・・・

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組み立てていきます。

詳細は・・・・ブログでは説明できません。スイマセン。

大変緻密な、細かな、細かな作業のくりかえしなので、文章では

伝え切れません。書きようがありません。

でも、こんな風に修理していきます。

船外機の修理の中でも、難易度ウルトラC?

私は、たぶん一番嫌いな部位です。

みなさま、PTTは高額です。大切にしましょう!

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組立は続きます。

特殊工具が必要です。

オーナー様で、自分で分解したという人を見たことも聞いたことも

ありません。

業者さんでも、頼んでくる場合があります。

やはり難易度ウルトラDです。

みなさま、必ずメンテナンスを・・・・・・

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作動油は、これを買って補給してください。

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組立完了しました。

正常に動くか、各細かな内部パーツの位置、方向、向き

など、間違えはなかったのか・・・

緊張の一瞬です。

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無事動きました。

よかった、良かった!

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これ以上電蝕が進むとシャレにならないので、気休めかも知れませんが、

塗装をしておきます。

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当然、マリーナやオーナーにお聞きするまでも無く、

強制的にブラケットのアノードは新品と交換です。

ハハハ・・・亜鉛は気持ちよく、交換しましょう!

もし、まだ貴方のPTTが現在、絶好調なら、

私達マリンの修理屋さんに、高額な修理を払わなくて済むように、

定期的に、2~3年おきにでも、点検を依頼しましょう。

しかし・・・・・すでに貴方のPTTが・・・・・・・・・・

貴方の家の財務大臣様が、お優しい方であることを

お祈り申し上げます。

ああっ、ブログを更新している場合ではない!

ケンミンショー、チャンチャカチャン♪


BF135A4パワートリム&チルトの修理とアノードの管理は大切なんです!

2012-05-30 16:46:58 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがですか?

午前中からボトムコンタクトの井上さんが来店されました。

http://botocon.exblog.jp/

なかなかお忙しいようで、すぐに池原に帰らないといけないとかで、

あまりゆっくりお話できませんでした。

でも、新チャプターのこととか、いろいろ情報をいただきました。

池原は今後、もっと熱くなる?

さて、現在修理中のBF135Aのパワートリム&チルトですが・・・

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今回の故障の原因ではないのですが、アノードの管理が・・・

1358 1359

いまひとつだったようです。

体積が少ないのはもちろん、汚れと貝類の不着・・・・

見た目にも、アノードが仕事をしていて、犠牲になっているようには

見ません。

係留艇だったので、見えないのはわかりますが、アノードはチビって汚れて、

機能せず、ブラケットやパワートリム&チルトが溶けてきています。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・・・

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新品は、こんな感じです。(横の中古は、このボートのアノードではなく、

他の陸置艇の物です)

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はずして、裏を見ると・・・・塩、塩、塩・・・ああっ、大丈夫か(冷汗)

塩をざくざくとはがしていきます。

塩といっても、電蝕したアルミのカスが混ざったような・・・

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結構ボロボロと・・・・こわごわ掃除します。

ざくざく、パワーチルト&トリムのボディーも削れて行きます・・・

「ごくっ」生唾を飲み込んで、慎重に、内部との貫通箇所が

無いのか、確認します。

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ザクザク作業が終わりました。

ヒヤッとしましたが、貫通はありませんが・・・紙一重でした。

ピンホールが・・・・・・貫通していたら・・・チン¥¥¥・・・・

(6カクレンチネジの横の・・・・ピンボケで失礼・・・いや、私のことではなく・・・)

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お客さんはまだ、知りません、ドキドキしていたのは、私だけです。

心臓に悪いです。

亜鉛が体積も無く、表面も汚れて導通せず、犠牲にならないので

アルミを構成する分子(電子?)の一部が「置き換え」で海に

「さようなら~」と溶け去っていったので、アルミは実は、アルミでは

なくなってきたのです。

人間にたとえると、「ガン細胞」みたいな・・・・

もっとたくさんの人にわかってほしいので、実験をお見せします。

先ほどの陸置艇からはずしたアノード(防蝕亜鉛)です。

体積は・・・・・95%ぐらい残っています。

なぜ、交換したのか・・・

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取り付けに使っていた穴の間で、導通を見ます。

当然、テスターの間は、導通があります。

(電気が流れることができます)

今度は、表面でテストしますが・・・・・・

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このアノードの場合・・・・導通がありません。

体積が十分にあるかも大切です。

でも、表面で・・・同じ物体で・・・・電気が流れたほうがよい物質で、

流れない・・・・・個人的な意見ですが、今までの経験も踏まえ、

全然よくないと思います。

表面にはビッシリと、カルシウム?見たいなものが不着しています。

体積があれば、表面を磨くのも手だと思いますが、

亜鉛も「置き換え」で、いつままでも純粋な亜鉛か?

能力の低い私では、見た目では判断できませんので、

磨くのも1回のみにしています。

毎年ご指名をいただく、お客様のボートを定期点検する場合、

係留の方は毎年、陸上保管の場合は2年おきが私の規準です。

今回の場合、5年間交換しなかったらしいです。

みなさま、お願いします、

係留の方は・・・ホンダ以外でも・・・毎年変えてください。

なぜなら、この「パワートリム&チルト」

他のメーカーの船外機も、ホンダと

同じ製造社の物を使っている場合が多々あります(と、思う)。

アノードは・・・

毎年変えましょう~

毎年変えましょう~

毎年変えましょう~


BF20D2とBF135A4のこれがこうなって・・・

2012-05-28 19:20:08 | ブログ

みなさま、ごきげんいかがですか?

本日、先週出張で定期点検&追加艤装させていただいた

紳士のKさまより、お電話が・・・

点検も、艤装も完了し、その報告書なども郵送済みなので、

全部終わっているはずなのですが・・・

俺、何かやらかしたか?ボート上に工具の忘れ物?

いや、何かのミスのお叱りか???

どうしよう、どうしよう・・・・・

「Hさん、週末ボートに乗ってきました。

理想どおりの艤装、大変気に入りました。有難う!」

えっ・・・・ああっ、よかった。よかった。

心臓が飛び出るかと・・・おっちょこちょいは相変わらずです。

この点検も、また機会があればブログにアップします。

連休後、一旦落ち着いていた修理が、またまた増えてきております。

まずはBF20D2ですが・・・・

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これがロワケース(ギヤケース)の中ですが・・・

20low2

こうなって・・・・

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こんなんに、なっていて・・・・・

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こんなんでした・・・・

名づけて「アダムスキー型ピニオンギア」

今はやりの「ワイルド」な壊れ方です。

レンタルボートさんのBF20Dなので、急いで修理します。

次は、マリーナさんからお呼びでスクランブル・・・

BF135A4のパワーチルトが動かないと・・・・・

係留艇ですが、最近乗っていなかったようで・・・

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これが、こうなって・・・・・

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こんなん、なってて・・・・

Bf1352

いま、こんなんですわ・・・・

これは、時間も掛かりそうです。

うぇっ・・両手の臭いが、AFTですわ・・・・・・

うまいこと、よみがえるんか?

BF20D2のロワケースとBF135A4のPTT!

がんばろう!!

Drh


BF2DK2のセットアップ!?と最近はLEDライトの注文が多いのです!

2012-05-21 18:45:39 | インポート

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

本日の天体ショーは、ご覧になられましたでしょうか?

遮光物を通して観察していると、ちょうどいい具合にうす雲が・・・

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掛かってくれたので、裸眼でも見ることも出来ました。

昔、ヨットの試合で沖縄に行ったとき、ちょうど「皆既日食」であったのを

思い出しました。

レース委員会も、どれぐらい暗くなるかわからないので、マーク(ブイ)に

発光電灯をつけたり・・・・

そのときは9月でしたが、その瞬間、薄暗くなったのを覚えています。

懐かしい思い出です。

今回もほんの少し暗くなり、涼しくなったような???

さて昨年より、ボートのデッキライト、作業灯、集魚灯用にと、

「LEDライト」の注文が増えてきました。

先日のシーバスボートのK様もLEDデッキライトを2つ取付されましたが、

今週も、K様のWF-26に集魚灯とアフトデッキライトの取り付け予定です。

(部品の入荷が遅れていて、少し予定がずれていますが・・・・・K様スイマセン・・・)

現地に行ってから「ああっ、不良品だ・・」とメーカーに文句を言っても、

お客様に迷惑が掛かるのは同じですから、事前にテストしてから持っていくのが

プロであると、諸先輩方からの教えを実践します・・・

まずは、LED8球のアフトデッキ用のライトから・・・・

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まともに見ると、これでも結構まぶしいです。

お次は集魚灯に使う20球の方を・・・

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これは・・・おおっ・・・まともに見れません。

LEDライトは消費電力が低く、熱を持ちにくいので、ボートの明かりと

しては最高です。

しかも長寿命です。

今回も、リガーマリンさんのサブバッテリーチャージャーの実績あるシステム

も盛り込んで、取り付けます。

さて、あまり広告もしていない私の工場に、BF2Dの商談でご来店が増えていまして

・・・・・有難うございます。

で、今度はBF2Dの「お渡し前のセッティング」のご紹介をさせていただきます。

(以前の繰り返しになる内容もありますが・・・)

まず、納品のエンジンの箱を開けると、3点セットが入っています。

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工具&取扱説明書、ミニボートの基礎知識、箱の横には保証が貼ってあります。

特に「保証書」は大切です。

この内容に沿って、万が一BF2Dに対する製造に起因する

不具合があった場合、無償で修理してもらうことが出来ます。

たまに、某ゴムボートがサービスでしている

「1回だけ無償で修理するサービス券」と混同されている方が来店されます。

船外機は、全てのメーカーで、ご自分で壊したものの修理は有償です。

クルマなどと同じです。

内容をよく読みましょう。

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特に、「保証できない事項」というところで、

「弊社が認めていない改造」に起因すると判定される不具合には、

「保証修理をいたしません」と書いてあります。

よく、ご来店時に「某社の2馬力の××の部品を交換してパワーアップ

してから売ってほしい」と言われますが、私は上記の理由で、新品時の

改造はしていません。百歩譲って1年後の保証を過ぎてから・・・

いえいえ、2馬力を超える改造は、「違法行為」です。

もし、私が2馬力以上に改造したことが原因でお客様が逮捕されたら、

私は犯罪をほう助したことになりますし、お怪我をされても同様です。

某地域で、海上保安庁の職員が知人のショップに来店し、「2馬力がパワーアップ

しているかどうか見分ける方法を教えてほしい」と来店されたとのこので、

後日、近くの漁港で、検挙された人が実際に出たとのことです。

例外として、免許をお持ちで、検査を受検されるなら、合法ですし、1年後なら・・・・

でもそこまでして、パワーアップします???

BF2DK2を箱から出したら、カバーを開けてエンジンオイルを入れます。

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エンジンオイルは、ファインダー(のぞき窓)の半分まで入れます。

約250ccですが、ファインダーをのぞきながら、入れてください。

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輸送中にプロペラに損傷が無かったか、シャーピンと割りピンは

問題ないか、チェックします。予備のピンが2本ずつエンジンの

「あごの下あたり」についています。

シャーピンが折れて、予備を使ったら、すぐに補充しましょう。

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試運転用のガソリンを入れたら、水槽に入れて試運転します。

暖気がおわっても、スロットルを戻すとエンジンが止まる場合、

「アイドルアジャストスクリュー」を調整してエンジンが止まらないように

調整します。

逆に、プロペラが回ってしまう場合も同様に、調整します。

ほとんどが工場で調整済みなのですが、稀に、工場が完璧な空調に

対して、現地との気温差など、調整が必要な場合があります。

お客様にお渡し前にチェックします。

エンジンを使ったら、仕舞う前にキャブレターのガソリンを抜いておきます。

まず、燃料コックを締めて・・・

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マイナスドライバーでキャブレターのドレンコックを数回緩めます。

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ガソリンが出てきたら、容器やウエスで受けます。

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あとは、実際のお引取り(納品)時に実際にエンジンをかけて

いただきます。

2馬力とあなどる無かれ・・・・

ご存知の通りリコイル(引っ張って)エンジンを掛けますが、

船外機がはじめての場合が多い2馬力です。

発電機、草刈り払い機なども始動したことが無い方も多く、

半分ぐらいのお客さんは、大変申し訳ありませんが、

少し「へっぴり腰」で、

2馬力という最小馬力の「ケッチン」に翻弄されそうになります。

私が目のまえで、「こうやって掛けてください」

とやると、すぐに、数回で習得されます。

お手本は大事なようです。

また、同じ仲間や先輩がおられて、同じ場所で降ろされる場合は、

みなさま、すでに多くのことをご存知の場合も多く、

心強いですね。

できれば、そういったお仲間での出航が理想ですね。

現地で声を掛け合って、仲間を増やしましょう!

ところで、冒頭の天体ショーですが、

見た人は「幸せ」になるとか、誰かが言ってました・・・

「あの、私、見たんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宜しくお願いしま~す!!


BF8D1とインペラーの破片を探すのは苦労するんです!

2012-05-14 22:00:58 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがですか?

GWの直後、神奈川県の相模湖の「秋川屋釣の家」さんに、

インターセプター11RSを導入していただきました。

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秋川屋、秋山川釣の家のHP↓

http://www.akikawaya.co.jp/turi/turitop.htm

関東のみなさま、免許不要艇でのバスフィッシングはぜひ、秋山川釣の家さんで

「インターセプター11」を借りてください。

て、いうか、納品の前でも、すでに予約が入っていたとのことで・・・・

有難うございます。

すでに、ライブウェルにもバスちゃんが入ったようで・・・・

ブログ↓

http://ameblo.jp/akiyamakawa/

みなさま、秋山川釣の家さんを宜しくお願いします。

さて本日のお題の、ホンダ船外機「BF8D1」のメンテナンスです。

このエンジンは4月初めに中古を買い取り、今度中古で販売する為に

整備をしました。

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試運転を・・・・・検水口から水が出ません・・・・

分解開始です・・・

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ロワケース(ギヤケース)をはずして・・・

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やはり、羽根が3枚ありません・・・チ~ン♪

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ポンププレートの下に、3枚ありました。

「助かった、全部バラバラ事件にしなくても・・・ああっ・・・・」

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3枚の破片のうち、1枚が半分しかありません。

放置しておいて、冷却水の通路を塞いでしまったりしたら、

オーバーヒートしたり、

「原因不明の直ったり、出なかったりする病気持ちの船外機」に

なりかねません。

私達「プロ」の修理屋さんは、ここで「まあ、いいか」は出来ません。

エンジン全バラ決定です(トホホ・・・泣)

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でも、未練がましくサーモスタットハウジングの中をのぞいたりして・・・

破片はありません・・・・(サーモスタットは異常がなさそうですね)

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どうせ、オイルフィルターも換えるんやったわ・・

独り言をブツブツ言いながら、サイドカバーをはずします。

このサイドカバー、登場したときは

「めんどくさそうやなあ~」と思っていましたが、

慣れてくると、この方が全部~全部隅々まで整備できるので、

いまは、こちらの方が好きです

「そうだ!!」と思って、パワーヘッドをはずす前に、

ホンダ船外機BF8~20Dの静粛性のポイントの一つ、

「水冷式排気チャンバー(アイドルポート)」

を分解してみると・・・・

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「あった」・・・・・発見しました!(右の方の小さい黒いやつ)

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パズルをします・・・・合格です。

破片全部回収しました。

これで、安心して販売できます。

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オイルも多すぎるほど入っていましたわ・・・

そうそう、GW直後に修理に入ってきたM30C2ですが、

ポンプケースがこんなんになっていました。

M30

これは、なかなかわからない故障の仕方ですね。

こうやって比べると、何がおかしいかわかると思いますが、

結構ユーザー自身で修理をされる場合は、

??????

になるパターンです。

残念ながら、プロに任せてください。

一概に

「インペラー交換」

「ウォーターポンプの修理」

と言っても、微妙に壊れ方や対処の仕方が違う場合が

ありますので、ご注意ください。

て、言うか・・・壊れる前に定期的にインペラー交換を

していれば、このような悩ましい故障にはなりませんので、

どんどん自分で交換できるようになって、毎年とか、2年おきとか、

インペラーを交換してください。

エンジンを買ったお店で交換を依頼し、作業を見せてもらえば、

次回から自分で出来るか判断できるはずです。

おおっ、22:00の時報がラジオから流れてきました。

残業しすぎです。

帰りま~す。