Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

カラーソナーESR-160

2011-10-31 19:05:39 | ブログ

みなさまご機嫌いかがでしょうか?

わたくしは、予告どおり艤装・艤装・ギソウ・ぎそう・・・をしておりました。

「電話を5日間連続で掛けたが、やっとでたな」と本日言われました。

ご迷惑をおかけしたみなさま、申し訳ありません。

あと2~3週間、ご迷惑をおかけします。スイマセン!

艤装と並行してメンテナンスも・・・ペラクリンを塗りヌリします。

Photo

実はこれ、休憩みたいなものです。

メインは、船体を切って、穴を開けて、FRPで積層して・・・・体中メリケン粉をかぶったように

真っ白になります。船底内部は暑く、肺にファイバーの粉を吸い込むと寿命が縮むので

マスクをしますが、呼吸が苦しくて「ううっ・・ゲホゲホ・・・」

ぐわっっと船外に脱出し、頭やツナギの粉を払い落とします。

マリーナの美人事務員さんがガラス越しに私を指差し、「顔が真っ白ですよ」と

ジェスチャーで微笑みながら教えてくれますが、すでにほっぺは

「ヒリヒリ、チクチク」しているので、予想通りといったところです。

で、船外の作業「ペラクリンヌリヌリ」は休憩みたいなものです。

何をセットしているのか・・・・この秘密兵器です。

Esr160_img01

㈱光電製作所のカラーソナー「ESR-160」です。

この「サーチライトソナー」は、本当に秘密兵器です。

今まで、数台にセットしてきました。(ESR-140Mk-IIも含む)

まるで、反則技です。これは・・・

船底のここから、ソナーを突き出します・・・・(工事中です)

Esr1601

で、自船の周りのお魚ちゃんを探ります。

大きい青物などフィッシュイーターを狙うときは、ベイトの小魚を

探します。自船のどちらの方向にベイトが移動しているのかわかるので、

青物に追われてどんどん移動するベイトの先回りが出来ます。

底物を狙うときなど、慣れてきたらモニターに映る群れの形状(編隊の形)で

魚種がわかったりします。

音波の角度が自由に変えられるので、あらゆる水深や魚種に対応できます。

このKODENのソナーは、取り付は比較的簡単に出来ます。

(但し、時間はそれなりに掛かります・・・・・乾く時間が要るので・・・・

FRPの素人さんには取り付けは無理と思います。マリンショップに頼んでください)

では、特別にソナーの昇降機をお披露目!

Esr1602

コイツが、ソナーを上げ下げしてくれます。

GPSとつないで、NMEA信号を入力させると、設定したスピードに達すると

自動的にソナーを上げて、破損から守ってくれます。

数台取り付けた私からのアドバイスとしては、出来るだけボートの中心線上に

ソナーを取り付けてください。

作業が、中心からずらして取り付ける場合よりもずっと楽になります。

(たぶん・・・皆さんそれで工賃が多少は変わるかと・・・・)

あと、昇降機の配線は、太目の物を使ってください。

たぶん、上下している瞬間は、それなりに電力を使っていると思うので、

細い線だとトラブルの元になります。

そうそう、24V仕様ですけど、12V仕様のボートにESR-140Mk-IIを

つけたとき、コンバーターで12V→24Vに変換すればOKでした。

(ワイズギアカタログ2011、272ページのDC122410とか・・・)

とか、偉そうに言ってますが、これらはKODENのOさんやHさん

に何度も電話して教えてもらったことも多いです。

理解力のない私に、丁寧にご指導いただき誠に有難うございます。

おかげさまで取り付けしたオーナーのみなさま、大漁です。

キャスティングで青物狙いのK様は、誰よりも先回りできると

大変自慢されています。

違うKさまは、群れの上で順調に釣っていて、群れがどちらに逃げようと

しているのかわかるので、その方向にボートを移動させるそうです。

で、今度は昇降機のアップを・・・

Esr1603_2

ソナーのわりにESR-140Mk-IIなんか、GPS魚群探知機の上級機種と価格が

あまり変わりませんし、たぶん、現在の「付けた者勝ち」状態は、

そのうち結構みんな取付したりして、

「ああ、その魚の群れはアジではないので・・・」とか言う会話が、

当たり前のように聞かれるようになるのではないでしょうか?

なんか、自分のボートにR2-D2的な、ロボットみたいなやつがいるようで、

逆さまに「ウィ~ンウィン」言いながら船底に出たり入ったりして、

メカメカしくて、すごく楽しいです・・・わたくし!

さて、また粉まみれの日々は続きます。

「メールの返事が遅い」とお怒りのお客様、

必ず返事返しますので、見捨てないで下さい・・・

宜しくお願い申し上げます。


回航で潮っ気を補充

2011-10-22 13:38:43 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがですか?

先日、ボートを取りに言ってきました。

新幹線に乗って・・・・

Photo Photo_2

とあるトラスト店様に到着、大変お世話になりました。出航します。

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オーナー様も同行したがっておられましたが、予定があるようで断念されました。

回航は退屈そうに思われる方もおられるでしょうが、

ずっと神経を張っておかなければならず、実はすごく疲れます。

回航の専門の方(回航屋さん)、すごく尊敬いたします。

島や岩礁堆、暗礁など自然の地形に気を使います。

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事前に保険に入ってから回航しますが、私なんかでも一応プロに

分類されますので、ガッツリ座礁したら、転職するしかありません。

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本船も進路を予想し、自分が権利艇であっても出来るだけ

まともにミートしないように、早目から進路や速度を調整します。

その間も、エンジンの油圧計、水温計などはチラチラチラ見です。

すごく気を使うものの一つは、底引き網の漁船です。

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操業中か、そうでないかを見極めます。

操業中なら、2隻コンビの操業か、1隻で網を引いているのか見極め、

こちらが避けます。

網を引いている漁船は、いくらプロの漁師さんでも衝突回避不能です。

航跡や煙突から勢いよく出る排気、群がる鳥などがヒントをくれます。

そして、極めつけは、これ・・・

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定置網や養殖網などの魚網です。

写真のように、ブイだけの場合もあります。

プロペラに巻きついたら・・・・・

救助を要請して、海上保安庁さんにご迷惑を掛け、

網を破って、漁師さんに損害を掛け、

ボートを壊してオーナーに迷惑を掛け、

私は、信用をなくして転職です・・・(チーン)

ですから、夜はいけません。

一般の方も、夜の航行は極力しないようにしてください。

やっと、見慣れた橋が見えてきて、少しホッとします。

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ただ、橋の下辺りで、潮が悪い時間に通過となったようで

もみくちゃにされます。

本船も同行が3隻、逆行が2隻ほど同時に橋の下に突入ですから

進路もここしかすすめません状態で、本当は本船航路を逆走したら

少し楽だったのですが、仕方なく荒波に向かって左右に激しくローリング

しながら、ピッチングも加わって、がぶがぶがぶります。

ワイパーが忙しく左右を往復して、いい仕事をしてくれます。

半泣きになりながら海峡を抜けました。

ワイパーの行動範囲の外側が、潮が乾いてすりガラスのように白く乾き、

少し前の苦戦を記録していました。

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さあ、最後のレグはこの煙突を目指してまっしぐらに走ります。

流木やコンビニ袋をスラロームで避けながら、無事に到着しました。

久しぶりに潮っ気を、ほんの一握りですが充電できました。

また明日から「陸上(オカ)勤務」です。

でも、11月半ばぐらいまで、このボートの艤装でマリーナ勤務に

なります。

すぐ横に海があります。

潮風浴び放題なんです。

充電いっぱいしてきまース!


ジョイフィッシャー25III/BF150A中古艇

2011-10-18 14:16:09 | ブログ

みなさまご機嫌いかがでしょうか?

私は本日、早朝よりお客様の下取艇を引き上げに遠方に行って来ました。

で、眠たいですZZZZZZZ~

この下取艇は、整備後に中古艇として販売いたします。

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日産ジョイフィッシャー25EXIII/BF150Aです。

2年前の10月に進水式を行いました。

エンジンは、7月の定期点検整備の時点で133時間なので、

現在は約150時間ぐらいではないでしょうか?

装備は夜間航海灯、パワーメイトアンカーウインチ&アンカーローラー

日立スーパーマリントイレ(全自動)、デッキライト、キャビンライト、

デッキウォッシュ、エンジン水洗ポンプ、ロッドホルダー、キャビンクッション

スカイライトハッチ、キャビンカバー、ドライバーズシート

などなどフル装備です。

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メーターはなんと、高級デジタルタコメーター&スピードメーターーです。

時間当たりの燃料の消費量やその日のトータル燃料消費量など、機能満載

のメーターです。

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まだ整備前なので、船体の写真は載せられず、申し訳ありません。

オーナー様はステップアップの為、乗り換えられました。

定期点検&消耗品の交換しておりますので、エンジンは

絶好調です。

早ければ11月30日ごろには、整備できているかも?

(先に販売艇の艤装をしないといけないので・・・・・)

最近なかなか出ない、高年式の中古艇です。

ご興味のある方は、ご質問メール等でお答えいたします。

E-Mail/info@hondamarine-hanbai.com

までお気軽にお問い合わせください。

めちゃくちゃきれいです。

(2年しか使用しないないので、当たり前ですが・・・・)


初回点検とBF2Dのキャブレターの故障

2011-10-14 13:59:29 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

私は、頭が痛くて・・・・風邪を引いたようです。

(これで、バカでも風邪を引くことが証明されました。)

昨日のBF90DKOの初回点検で、終了直前に雨が降り出して、片付けの間、

工具はぬらしたくないので、身を挺して傘になって・・・・・

ツナギごとしっとり濡れたのが、原因だと思います。

Photo

そうそう、現地でギヤオイルを抜くとき、私はこれ↓

Photo_2

新人の頃は、エンジンの下にトレーを敷いて、ギヤオイルがツツツツツ~

糸を引いて垂れてくるのですが、海沿いの現場です。風が「ひゅるり~

ひゅるりらら~」あれ、これは鳥の鳴き声か?

いや、風が吹くとトレーの周辺にギヤオイルを撒き散らすことになります。

で、試行錯誤して、この方法に・・・中には作業中汚れたウエスや軍手などいれて

1石2鳥です。抜いている間にも他の仕事が出来ます。

ガムテープなどで貼ると、はがしたときノリが付くのでマスキングテープです。

あっと、ホンダブランドのHAMPのエンジンオイルがグレードアップしました。

Hamp

下が今までの「10W-30 SM」で上が新しい「5W-30 SN」です。

最近の自動車同様、粘度が5W-30になって、燃費に貢献します。

ホンダ船外機では説明書に「10W-30をご使用ください」と書いている機種も

あるので、ホンダサービス課を通して、研究所に聞いてもらいましたら、

「全然問題ありません!」とのことです。

今度から、当社のハウスオイルはこれで決定です。

ただ~し!他社の船外機については?????です。未検証です。

このHAMPオイル、高性能で価格がリーズナブルなので、私の周りの

船外機店さん結構みなさん、使用されています。

私の経験ですが、ヤマハさんの船外機に入れた場合は、性能や消耗量など、

問題を感じたことはありません。というか私は入れています。

ただ・・・あるメーカーさんの船外機だけは、この10W-30とか5W-30を

入れると、ものすごくオイルの消耗が激しいらしいので、ご注意を!

(私のお客様には、そのメーカーの方がいないので・・らしいでスイマセン)

ホンダ船外機以外に入れる場合は、自己責任でお願いします。

さてやっと本題のBF2Dのキャブレターの故障です。

とある販売店さんから、HELP要請があり、修理することに・・・

Bf2cab5

なるほど、エンジンが掛かりません。スパークチェックすると、火花は飛びます。

燃料系統のトラブルかもしれません。

キャブレターをはずして分解します。

「ありゃりゃ・・・・・こりゃエンジンかからんわ!」独り言を言いながら・・・

Bf2cab1

キャブのチャンバーのカップ内部に、斑点が・・・水の混じっていた痕かも知れません。

はじめは錆びだと思いましたが、業務用洗浄液につけたら、斑点は消えました。

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ちょっと見辛いですが、真ん中のジェットが真っ黒で詰まっています。

はずしてみると・・・

Bf2cab2 Bf2cab3

完全に詰まっていました。右は洗浄液につけて、汚れが取れた後です。

撮影が上手くないので恐縮ですが、センターの穴があいているのが

見えますか?(画像をクリックすると拡大します)

オーナー様はエンジンの使用後、キャブレターの中にガソリンを残したまま

長期間、未使用だったと推測します。

で、ガソリンが揮発する「おいしい」成分から蒸発していき、残った

「おいしくない」成分がベトベト残って、ジェットを詰まらせたのです。

ちなみにHELPしてきた販売店さんですが、お客様に

「2回しか使っていないのにエンジン掛からなくなって、返品したいぐらいだ」

と言われたとか・・・

少し、かわいそうです。

ちなみにBF2D4でしたので、最低でも4年ぐらい前に買ったのではと思うのですが・・・

4年間で2回使用・・・・ガソリン抜かず・・・・納得!(残念)

あと、キャブのチャンバーのカップについている、ガソリンを抜くドレンスクリューですが、

回しても、叩いても、バーナーであぶっても緩みません。

ガソリンを度々抜いていれば、すぐ緩むと思うのですが・・・

カップ本体ごと、交換になりました。

でないと、残ったガソリン抜けないし・・・・残念ですが・・・

2馬力に限らず、使用後はキャブレターのガソリンを抜きましょう。

(毎週必ず使用するユーザーさんは、必要ありませんが・・・でも抜いて

持ち帰ったほうが、クルマを汚したりしないので良いと思います)

最後に、メールでお問い合わせいただきました

静岡県のSさま、メール返事が届いたかよくわからないので

ここにも書いておきます。

アーマチュア 税別定価¥25,800- 在庫あり

ホルダー~ブラシセット ¥4,020- 在庫あり

ブラシ(4つセット)¥1,860- 在庫あり

スプリング、ブラシホルダー単体の設定はありません。

宜しくお願いします。


新旧BF90の足とゲタは共通?!

2011-10-11 11:02:23 | ブログ

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか?

私と言えば、先日ごひいきにしていただいているオーナー様が

BF150Aから以下のエンジンに乗り換えいただきました。

Yannma

当然、船体ごと乗換えです。で、見学やら手続きやらバタバタと・・・

近く、ボートが入荷したら、これまた鬼のような艤装がてんこ盛りです。

ありがたいお話です。

でも船外機を卒業されるので・・・少し、さみしいかも・・・・。

さてみんなに見放されていたBF90Aの修理のおはなしの続きです。

頭が載った・・・(頭は業界用語でパワーヘッド・・シリンダー、クランクケース等の塊)

ところまでは前回、お話をしていましたが・・・

905

お次はキャブレターです。

Bf90at6 Bf90at7 Bf90at8 Bf90at9

キャブレターの分解時、ガスケットは必ず新品に交換してください。

古いのを再使用すると、隙間から空気(2次エア)が入ったりして、不調になります。

低馬力ほど多いです。再使用・・・(悲)

組みあがったら、亜鉛(アノード)も交換しておきます。

Bf90at10

丸い、2つの亜鉛がそれです。

Bf903

ゲタと足をつけて、完成しました。ゲタと足って、なにって・・?

これも業界用語です。

ゲタはエクステンションのことです。これ↓

Dscf2374

BF90の場合、LとXのボディーの長さの違いはここです。

私の周りではみんな「ゲタ」と言っています。

あと完成した全体写真をじっくりみて、「おかしい」と思った方おられますか?

もし、違いがわかったあなたは、ホンダ船外機販売店レベルです!

実は、BF90ATにBF90DKO(最新型)の足をつけています。

足ってなに・・・・スイマセン。ロワケース(ギヤケース)のことを、

私の周りの修理屋さんはみんな、「足・あし・アシ」といいます。

四国の弊社営業所のプロフェッサーYも

メーカーのT課長も言うので、

ほぼ全国的に通用するのではと思っています。

Bf901

左がもともとのBF90ATの「アシ」で、右がBF90DKOの「アシ」です。

要点のスペックが共通です。

このBF90ATですが、アシが使用不可となりましたが、ちょうど中古品を持っていたので、

それで対応したいが・・・・・・・・

取付前に自信が無かったので、メーカーT課長に無理無理お聞きしたら、

「違うんちゃう?ちがうんちゃう?」と言う返事だったのですが、引き下がらず

さらに研究所に問い合わせていただいたら、

「Hちゃん、ピンポンや、アシのスペックは共通やって・・・」

(T課長は関西弁です。T課長、お忙しいところ調査有難うございました)

そうです、数年前のBF90DKOの説明会後、たしか共通だと言っていた・・・

たまには役に立つことを覚えていました。

新型BF90DKOの「アシ」は流体形状の最適化で最高速がUPしており、「砲弾形状」を

採用していますので、水中抵抗が旧型より大幅に低減していますので、

重症でASSY交換する場合は、こちらに変更するのも手かと・・・

で、1つ違うところが・・・

Bf902

前進後進をするシフターのシャフトですが、ロワケース側で、

長さが違います。(細い方のシャフトです)

BF90AT(AV,AY,A2などなど)のトランサム長さXサイズは

ロワケース側のシフトシャフトが「グイーん」と長いです。

逆にBF90DKOは短く、BF90AのLサイズと同じ長さ・・・

で、BF90DKOは上側のシフトロッドでXとLを

変更しています・・・・・・のに・・・・

BF90AVのシフトロッドを注文してしまった私・・・・・・体を張って勉強?

また要らぬ在庫を増やしてしまい、会社に怒られたのでした。

最後の締めくくりは、やはり試運転&キャブレター同調調整。

Bf90at11 Bf90at12

キャブレターのパイロットスクリューを調整し、その後、同調を調整します。

これをしないと、エンジンは完全復活しません。

出来上がり、オーナー様が取りに来られて、

BF90Aはおうちに帰っていきました。

さあ、よみがえったBF90A

あと10年ぐらいは最低活躍してね!