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Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

BF90Aと修理のつづき

2011-09-29 13:10:00 | 修理

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

現在、交通安全週間ですかね?

覆面パトカーがたくさん走っております。

なのに・・・・・なんでそんなの飛ばすの・・・

本日は獲物を捕まえているスカ〇ラインを2台も見ました。

2台の距離500mぐらいしか離れていません。

交通事故も最近よく見かけます。

雨でスピン大破したトラックや軽自動車、

追突の衝撃で民家に突っ込んだドイツ製高級車

実は私も先日、CR-Vを他車とこすってしまって・・・・・

みなさま、交通安全です。ゆっくり走りましょう!

さて、BF90Aの修理の続きです。

Bf90at1

首だけになっています。

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スパークプラグを点検すると・・・えっ・・・

で、分解することに・・・

90

新旧比較・・・白いのが水が入っていた痕です。

3番の燃焼室に・・・ヘッドガスケットが抜けかけて

お水がちょろちょろと侵入?

プロがプラグを点検していれば交換時に見逃さなかったはずですが・・

激しくオーバーヒートでもさせたことがあるのでしょうか?

902

3番のバルブを換えるついでに、他のバルブもメンテナンス・・・

気分的には全部、換えたいところですが・・・

903

バルブを取り付けます。

集中力と根気です。

Bf90at

頭が乗っかりました。

90_2 90_3

ウォータージャケット(排気)側のアノードメタル(防食亜鉛)の交換前と

交換後です。

係留保管の方は特に、寿命にかかわる部分です。

ここは、係留中でも、個人でも交換は可能と思いますので、

必ず定期的に交換を実施してください。

反対側のインテーク側にも2個あります。

Bf90at_2

ウオーターポンプ(インペラー)から汲み上げた冷却水を

エンジン上部まで送るウォーターパイプです。

見やすいようにこちら側に向きを変えて撮影していますが、

小穴が2個開いているのがわかるでしょか?

これは、汲み上げた水の一部を途中でオイルパンに向けて噴射することで

オイルパン(エンジンオイル)を冷却しているそうです。

BF90A以外の他の機種も、ホンダ船外機はほとんど、この

冷却穴はあったはずです。

(冷やす目的がオイルパン以外の場合もあるようですが・・・)

こういったアイディアがホンダ船外機の高耐久性を支えております。

905

さて、ここまでで、昨日は終わりました。

おっと、昼休憩が終わったので、今日も続きを開始だ~♪


BF90Aがえらいこっちゃ

2011-09-28 10:34:14 | 修理

みなさま、ご機嫌いかがですか?

私は最近、残業が多くなって寝不足です。

なぜって?

実は困った電話が多くて・・・セールスとか勧誘とか暇つぶしとか・・・冗談です。

本当は、先日のこれが・・・

Bf90a

ここまでになるとは・・・・

Bf90at1

主原因はこれです・・・・・

手で持っているのはシフター・・・これは塩で固着・・・シフトできず。

本命は右側の穴の中に写っているバーチカルシャフトのウォーターシールです。

Bf90at2

オーナーのご友人の話では、中古で購入したらしいのですが、その時点で

水没あとがあったのと、長期間メンテをしなかったので

バーチカルシャフトのシールがグリス切れみたいな状態に

なって、水がフライホイール室に浸入し、シフターやら

スターターモーターやら、地獄絵図でした。

これでは前の鉄工所さんも撤退を決断するはずと思いました。

せめて2~3年おきにインペラー交換をして、その時

バーチカルシャフトの先にグリスを塗って、取り付けていたら、

こんなことには・・・・

で、ここ数日は、他の修理や商談や注文をこなしたあと、

このBF90A嬢と夜中まで2人きりで・・・・・

ばらしていくと

「うわっ、おまえここまでやせ細って・・・・かわいそうに・・・」

「よっぽど苦労したんやなぁ・・・」

今週は休みも取れそうにありません。

日産の所長に誘われている週末の関西ボートショーも行けそうにありません。

では、いまから続きを開始します。

すごく・・・・・・・・・・・楽しいです!


ボトムコンタクトさんと30DEL

2011-08-30 10:04:00 | 修理

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか?

今日は、材料が届いたらFRP補修の仕事の予定です。

この暑さですから、FRP仕事は少し、辛いのですが・・・

昨日は、エンジンの整備を・・・

Bc1

で、誰のボートかっていうと、この人・・・

Inter1

池原ガイドのボトムコンタクトの井上さんです。

ブログ↓

http://botocon.exblog.jp/

先日、インターセプター14をガイドボートとして新投入されたばかりで、

バックウォーター用にアルミボートも持っておられますが、

以前使っていたボートも復活させて、状況と場所に合わせて

3隻体制にするので、この「マクロ13C」を再稼動させるべく、

整備に入っています。

ステアリングやリモコンなどケーブル類を整備して、

次はエンジンの整備です。

Bc2

このYAMAHA 30DELは3気筒で3キャブです。

数年、眠っていたとのことなので、ご依頼どおり、

いきなりキャブレターの分解をします。

ガイドでお客さんを乗せて走るので、井上さんも慎重です。

Bc3

古いタイプのキャブレターなので、細かなJET類が詰まりやすく、

オーバーホールのやりがいがあります。

1番、2番・・・3番と下に下がるにつれ、状況が悪く・・・引力の影響ですね。

Bc4

3番のキャブレターJETですが、2ストローク混合オイルの死骸と

思わしき「ネバネバ」君で詰まっております。

1番、2番が大したこと無かったので、長期保管前にキャブからガソリンは

抜いていたのでしょうか?

偶然???

さて、キャブレターは洗浄液に漬け込まれた甲斐があって、

きれいになりました。

これから組立です。

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エンジンをかけてキャブ微調整のとき、パイロットスクリューを規定値より

緩めたときに、エンジンの回転が上がったときは・・・

やり直しです。まだまだ詰まっている部分があります。

あと、上手く清掃できていれば、次は3つのキャブレターの

同調をとる必要があります。

4ストロークのように同調調整用の工具は必要ありませんから、

知識と少しの経験で調整と言うことになります。

さて、各通路の洗浄は出来ているのでしょうか?

今日も暑そうですが・・・がんばります!


BF25Aとキャブレターがえらいこっちゃ

2011-06-06 13:37:11 | 修理

みなさま、ご機嫌いかがですか?

先日私は、ある方のお見舞いに行ってきました。

マリン関連の方なのですが、仕事中に高所から落下されまして・・・

ドクターヘリで〇〇県立医大に運ばれて・・・・

今は少し回復し、地元の病院に転院されていて、話をすることができました。

この方は以前、私が以前勤めていた会社を辞めて独立するかとか、いろいろ

悩んでいたとき、自分のことのように一緒に悩んでくれて・・・

前の会社を退職して、しばらくのち今の会社に就職がきまったので

報告すると、自分のことのように大変喜んでくれて、

「Hさぁん、独立して自分で仕事をするとか言うてたんで、

心配やったんで、これを集めてたんや・・・」

渡されたファイルを開いてみると・・・・走り回って集めてくれていた

地元の中古ボートの写真や情報がぎっしりと入っていました・・・・・・・・(涙)

今でも仕事+アルファーの、いい関係です。

早く良くなって、仕事に復帰していただきたいものです。

さて今回は、BF25Aの修理の続きです。

エンジンが吹け上がらないという、症状ですが・・・

Bf25a9 Bf25a10

インテークマニホールドごとキャブを全部はずします。

はい、アノードもここに見えていますね?

海での使用、特に係留保管の方は、キャブのOHのときは

一緒にアノードの交換もお願いしましょう。

で、キャブレターをばらしていきます。

1番キャブ・・・問題ない。

2番キャブ・・・問題なさそう・・・。

3番キャブをばらしていきます・・・

Bf25a12

おっと・・犯人の痕跡を発見。これか?

Bf25a13

やりました、犯人発見です!

緑色の犯人が、通路を塞いでいました。

これでは3番キャブが死んでいて、

大変調子が悪かったに違いありません。

キャブレターを全部、漬け込んで汚れを溶かし、

洗って組立ていきます。

旧パーツと取寄せたパーツを重ねて

撮った写真です。

Bf25a14

組立完了後、3連キャブレターモデルなので、

同調を取っていきます。

一旦分解しているので、同調が狂っているはずです。

同調前の写真。

Bf25a15

次は、同調後の写真です。

Bf25a16

ビシッと気持ちよく、決まってくれました。

エンジンの回転も、非常にスムーズです。

後日、お客様に状況と修理の内容を報告しました。

大変喜んでいただき、

私も充実感で気持ちがいいです。

今回のお客様は使用後に必ずキャブレターに残ったガソリンを

抜いておられたのですが、

数ヶ月ボートをご使用されなかった間に、ほんの少し

残っていたガソリンが悪さをしたのが

原因だったと思われます。

運がわるかったのか?

でも長期間エンジンを使用しない場合は、

必ずキャブレターのガソリンを抜いておきましょう。

このようなトラブルを防げることが多いです。

キャブレターモデルのオーナーさま、

ぜひ実践を!

(おわり)


BF25Aとインペラーがバラバラ

2011-05-27 18:42:21 | 修理

皆様、ご機嫌いかがでしょうか。

とうとう近畿地方も梅雨入り(入梅)です。

と、いうことは、カツオの時期がやってきたのでしょうか?

おいしいカツオ、初鰹、本鰹、ソウダガツオ?

将軍丸

http://ameblo.jp/shougun0739/page-3.html#main

八百盗 中村屋

http://blog.rebass.jp/user/yaotou/nakamuraya/

まだ、釣れていないようですね。

今年こそは、自分で釣ったおいしいカツオが食べたいものです。

さて、先日の話ですが、出社すると「連絡ください」とお客様から

FAXが入っていました。

BF25Aですが、エンジンが吹けないので修理をして欲しいとのことです。

Bf25a1

夜遅く入院だったので、次の日に症状確認の為、エンジンスタートさせました。

「ブルン」一発始動しました。

そのまま少しスロットルを吹かせますが、

「ブルッ、ブブブ・・・モォ~~ブブ・・・モォ~~」

1気筒死んでいるような、重い回転です。

「さて、暖気を・・・あっ!STOP、STOP!」自分で自分に命令して

緊急停止させます。

エンジンが掛かってすぐに「チョロッ」と出たのですが、その後

検水口から水が出ていません。

すぐにインペラーの確認です。

ロワケースをはずす前に、証拠が欲しいので点検を兼ねてウォーター

スクリーンをはずしてみると・・・

「あった・・・」

Bf25a2

インペラーの破片がいます。

ここまできている場合、「えらいこと」になっている事が

多いです。

ロワケースをはずして、インペラーを確認しますが、

「うわあぁ!」

Bf25a3

予想以上に重症です。

先ほど一瞬だけ「チョロッ」と出てきた水は、幻だったのか?

シリンダー内に残っていた水???

インペラーはバラバラで、ポンプケースは溶けており、

内側のカップにインペラーの羽根?ポンプケースの一部が

熱で溶けてへばりついています。

水が無い状態で長時間ポンプが回ると、このような壊れ方をするのですが、

(インペラーの摩擦熱でポンプのボディーが溶ける)

このBF25Aはメインのウォータースクリーンが詰まっても、

もう一つサブのウォータースクリーンがキャビテーションプレートの裏に

付いているので、多少のゴミの引っ掛かりでは

「完全水欠」には、ならないと思うのですが・・・

Bf25a4

インペラーと破片を残らずかき集めます。

パズルをするまでも無く、全然足りません。

・・・・・・時間が掛かることになったので、少し休憩します。

「ふうっ」

コーヒーとビスケットを食べて、気分転換します。・・・・・・

20分後、気持ちの充電が完了したので、再スタートします。

Bf25a5

下側のダンパーを分解し、エクステンションケースを

はずします。

Bf25a6

細いパイプが、冷却水を上げるパイプです。

ちなみに太いのは排気管、その上がオイルケース(オイルパン)です。

Bf25a7

冷却水管をはずして、インペラーの破片が詰まっていないか

確認していきます。

Bf25a8

さらに、ウォータージャケットのカバーをはずして、捜索します。

(BF25Aのアノードの一つは、ここにあります。

あと2つは、インテークマニホールドをはずすとあります。

係留保管の方は、必ず定期交換を!)

下からエアガンで「プシュ~」と吹いたりして・・・

もう、大変です。

オーナー様に電話して確認しましたが、確かにアラート(ブザー)は

鳴っていたとのことですが・・

(一瞬だけ鳴ったようだとのことで・・・ということは、センサーやブザーの点検も

必要なのかもしれません・・・こちらは試運転できるようになってから・・)

このオーナー様のボートは、すごくきれいで、装備品も整頓されていますから、

おそらく、不注意ではなく、不可避な事故だと思います。

さて、ご依頼の「エンジンが吹けない」ですが、

この後、各部点検し、犯人発見しました。

長くなるので、こちらは後日にでも・・・

(つづく・・・であろう)