Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

Dr-HとHONDA船外機

2011-02-25 21:29:57 | 修理

先日のBF150Aの修理のときですが、

お客様のボートからパソコンを持って降りてきたら、

見ていたお客様の友人の方が

「なぜ、パソコン持っているの???」と質問をし、

「エンジンの診断/点検のためです」と言ったら、

「クルマ並やね(クルマと同じだね)」と・・・・

そうです。同じです。

無いと修理できません。

で、各メーカーコンピューター診断機がありますが、

ホンダ船外機の診断機はDr-Hと言います。

(前にも言いましたね)

で、そのプログラムに「スナップショット機能」という便利な機能があって、

エンジンの不調時の状態がモニター&記録できます。

まず、スナップで取った不調の直前の状態ですが・・

Drh1

次に、だんだんと不調が出だした状態です・・・

Drh2

赤のグラフはスロットル開度を示しています。

で、スロットルレバーは、ほとんど固定に近い状況です。

にもかかわらず、エンジン回転は激しく上下を始めています。

緑の線は・・・・詳しくは企業秘密にするしかないですが、

(私では無くメーカーさんに特許とか著作権?とか

もろもろの権利がある情報も含めれるので・・・)

お次は・・・・

Drh3

非常に激しくエンジンの回転が上下している状況です。

これらの情報を分析し、どこが悪いか絞っていき、

修理を行っていきます。

過去のセンサーのエラーの履歴や回転数の履歴だけでなく、

現在の不具合の状態を記録、分析できるところに

このDr-Hの賢いところがあります。

また、私では役不足で解決できない場合は、このデーターを

本田技研工業の研究所にメールで送って、分析してもらい、

修理の指針をもらい、的確に指示しただき、

不具合箇所を何度も突き止めてきました。

今日までは、強力な協力をいただいたおかげで

100%原因を発見できております。

えっ、Dr-Hって、診断機のこのなのか?

私のことなのかって?

どちらも正解です。

どうしても知りたい方は、過去のブログで探してください。

7月ぐらいやったかなぁ・・・

わざわざ探すほどのことでもありませんが・・・


BF150Aと燃料圧力計

2011-02-25 18:05:52 | 修理

みなさま、初春の候、いかがお過ごしでしょうか?

なにやら関東地方では♪春一番が~♪

吹いたそうで、もうそこまで来ていますよ、春が!

ボートオーナー様におかれましては、点検/整備は済んでいますでしょうか?

さて本日は、燃料圧力計の話です。

電子制御で燃料を噴射する最近の、そう、EFIエンジンですが、

燃料を送るポンプが2つ付いています。

ホンダ船外機では、1つは「低圧側燃料ポンプ」というもので、

燃料タンクからのガソリンをエンジン内部まで引っ張ってくる仕事を

担当しています。

もう一つは「高圧側燃料ポンプ」で、燃料を配管内で高い圧力に保ちます。

どんどん送り込んで、圧力をかけます。

一番先にあるインジェクターは、いわば蛇口みたいな、電気信号で

一瞬口を開きます。高圧なのでガソリンを、「プシュー」と噴射し、

燃焼室に送り込まれます。あとは「ボン」と爆発・・・

Photo_3 

その高圧の燃料ポンプですが、EFIエンジンの文字どおり

「心臓」です。

高圧ポンプは、血の代わりにガソリンを送っています。

人間と同じで、年を取ると、弱ってくることがあります。

また、水や異物を入れると、病気になります。

なので、たまには「血圧」・・いや「燃料圧力」を測って、

「心臓」のコンディションを見たり、病気が無いか調査します。

今回はBF150Aのお客様より連絡があり、出航して30分ぐらい走ると

だんだんエンジンの回転が落ちてきて、4000rpm→2500rpm→

3500rpm→2000rpmみたいになるとの事で出動しました。

試走して症状がでたので、Dr-Hで走行状態のデーターを記録したあと、

各部の調査に入ります。「心臓」いや「高圧燃料ポンプ」は

燃料圧力計を接続して、アイドリングの圧力を測ります。

「270~320kPa」が規定値です。

Photo_2

このエンジンはキーONで300kPa、アイドルで320kPaですから、

「心臓」は元気いっぱいであることが証明されました。

このあと、(お客様がおられるので詳しくは書けませんが)

燃料タンクからエンジンまでの間でトラブルが発見されました。

(見つけるのに、結構時間掛かりました、最後は勘みたいな・・・

普段なら思いつかないような・・・)

で、この血圧いや燃料圧力テストですが、5年ぐらいを過ぎたら、

定期点検のついでに、修理屋さんに計測をお願いされては

いかがですか?

健康診断みたいなものです。

あと、先日のブログで紹介したPTTのグリスやストッパー、

ロッドを縮めた写真を撮ってきました。

1 Photo_4 2

グリスは先端のみ、ストッパーをして、左右のロッドを縮めておいて

錆びや腐食から守る・・・

ロッドを縮めるとき、意外とストッパーにストレスが掛かるので

注意して実施してください。

ストッパーの管理が悪く、錆びていてボキッと・・・

自己責任でお願いしますね?

ちなみに、このBF150Aですが、係留で5年以上経っていますが

チルトストッパー全然錆びていません・・・

どこのメーカーも、ここや、マウントフレームとか

チルティングパイプ(ステアリングケーブルを突っ込むところ)が

錆びますよね?

強度が必要なので、アルミなど錆びない材質が使えないので・・・

でも新品のときに、ほんの少し工夫するだけで、

劇的に耐久性が変わり、長持ちします。

やり方は各サービスマンで違うので、かかりつけのサービスの

方に聞いてみてください。

私は、先ほどのように、グリスを使ったり、塗装したり、

シリコンで防水したり、

あと、定期点検で訪問の都度、グリスアップやタッチアップ

したりと、いろいろです。

これをしたからと、別料金がもらえるのではないですが、

やはり自分が嫁に出したようなボート&エンジンですから、

いつまでも長生きしてもらってっと・・・

さあ、来週はニューフェイスのBF250とご対面です。

実物は、さて、どれくらい美人さんでしょうか???


ボートショー 2011 は悩みが多い?

2011-02-22 17:34:30 | ブログ

Photo

みなさま、ご機嫌はいかがですか?

来る3月3日~6日に、パシフィコ横浜にて

「ジャパン インターナショナル ボートショー 2011」

が、開催されます。

昨年は納品(艇)が重なって、結局いけませんでしたので

「今年は行くぞ」と気合を入れていましたら、

ちょうど良い具合に、招待チケットをいただきました。

さて、どの日に見学に行きましょうか?

「来るの?(関東的アクセント、る↑)」とTELで聞いきた旧知の方がいて、

「行きますよ(関西的アクセント、行↑)」と

答えたら「じゃぁ、飲もうよ」とか・・・

(泊まりになるじゃないですか?仕事で行くのに・・・

あっ、飲むのもしごとか???)

・・・人と人のつながりを取るのか?

・・・・きれいな仕事の流れを取るのか?

あっと、2年ぶりに、帰りにあそこにも立ち寄って?

現地であの人にも会えるかな?

ハードやなぁ、我ながら。

欲張りすぎなんでしょうかね???


新型 BF250 

2011-02-18 14:04:52 | ニュース

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか?

さて、今回はHONDAのニューフラッグシップモデルのご紹介です。

この情報を早く、書きたくて、書きたくて・・・

少数の方がフライングしてすでに情報をホームページなどで公開しておりますが・・・・・・

(恐ろしくてこの先は書けませんが・・・)

私は、命が惜しいので(ははははっ)ひたすら我慢、耐えておりました。

そして、この日がやってきました。

Uさん、有難うございます。

そしてこれが、新型BF250でございます。

Bf250pro_2

V6、3.6Lで、アキュラシリーズやエリシオンなどに搭載されている

最新型エンジンがベースとなっています。

Bf250

現在、フロリダでボートショーが開催されており、BF250のプロトタイプが

展示、公開されました。

上の写真は、その画像です。

話は変わりますが、「クルマのエンジンをベースって、部品の互換性はどれくらい

あるのですか?」と良く聞かれます。

昔、HONDAの人に聞いたときは「全くクルマと同じ部品は10%ぐらいでは」

とおっしゃっていました。

陸より海の方が条件が過酷ですから、クルマのエンジンをそのまま積んだら

すぐぶっ壊れますよね。

話を戻して、BF250ですが、正式発売は今年の秋ぐらいの予定です。

ああっ、待ち遠しいですね。

20フィートオーバーのバスボートや、27フィートのフィッシングボートなどへの

選択の幅が大きく広がると言うものです。

HONDAですから、当然、漁業や業務への販売もOKです。

漁師さんも、業務船の方もどんどん使ってください。

ギヤケースも通常のメンテナンスで「ちょーどいいHONDA」

普通の整備で問題ありません。

少し良いオイルを入れたなら、ブ~ンブンブン全開バリバリ~

耐久性抜群のHONDAですから、ずっと全開で行きましょう!!

待ってたぜ~!


HPDI と曲がりくねった道

2011-02-17 19:51:58 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

私はというと、先日から道中が大変で・・・・

先週は船外機のセットのお手伝いで琵琶湖へと・・・うっ・・・前が見えない・・・

Kiri

濃霧注意報が出ていて・・・何とか到着し・・・

Photo

ヤマハVZ150HPDIのセットをお手伝い・・・

このエンジン、なくなってしまうそうで・・・残念ですね!

(175、200は継続販売するそうですね)

そして数日後、会社で仕事をしていると・・・

なんと大阪でも雪が積もってきました。

「やばい、帰れなくなる!」

16:00ですが、早退して帰路に・・・・・なにっ!

山越えの道が早々と通行止めです。「帰れない」

警察官に「チェーン付けてるし、四駆やし、行かしてや!」とおねだりしますが、

「滑って昇れない車だらけで、行っても通れません!」と叱られました。

遠回りして、他の道に向かいますが、みんな同じ・・・大渋滞・・・進みません。

トロトロ・・・トロトロ・・・通勤時間は50分ぐらいですが、

3時間経っても、トロトロ・・・何か良い方法は????あった!

学生時代、バイクで「がーどれーるきっくたーん」とか言って「ろおりんぐ」していた、

旧峠道を思い出しました。

渋滞から脇道へ・・・さてチェーンは付けているがCR-V君は走破できるのか???

「がーどれーる」を突き破って「そうなん」している自分を想像しながら・・・

サクサクサクサク・・慎重に・・サクサク・・「へるめっと」のおじさんが立っています。

「またか」みたいなうんざり顔で、私を見つめていますが、「ニコッ」と表情が変化!

おじさん 「チェーンつけてもらってるんですね」

私 「はいっ!」

おじさん 「でも、すごい雪で、倒木とか・・車もいっぱい乗り捨てられていて・・・

      自己責任でよいなら、進んでください」

私 「えっ・・・(しばし熟考・・)あかんかったら引き返してきます」

ということで、さらに・・・サクサクサクサク・・・

1

スノボで信州などに行ったことはありますが、

サクサクサク・・ついでにクネクネクネ・・・

「まーく・つー」が斜めに止まっています。

あまりの景色に、「わはははははっ」・・・頭がおかしくなりそうです。

Photo_2

倒木というのは、竹が雪の重みで曲がって、道の方へ・・・だったんですね!

右へクネクネクネクネ・・・左へクネクネクネ・・・

途中で放置された車、脱輪して斜めの車、あきらめて途中で止まっている

トラック・・・スラロームして避けながらクネクネ・・・サクサク・・・クネクネ・・・

「ざぁぁ・・ろ~んぐ~あんど~わいんでいんぐ~ろおぉ~どぉ♪」

ビートルズを口ずさみながら・・・おっと後ろから・・・うそ?

あおってくるので、先に行ってもらいます。

「えるぐらんど」と「ぼくしい」が抜かしていきます。

「いにしゃるD」のよう2台が絡み合って飛ばしていきます。

「俺より頭がイッてるやつがいる・・・」

私は慎重に・・サクサククネクネサクサククネクネと・・・

初めの通行止めの山越え道が下に見えます。

雪で埋もれた車、車、車・・・たがいちがいに道路に放置されて・・・

さきほどの警察官の言葉が真実であったと証明された瞬間です。

「おまわりさん、疑っていてゴメンナサイ」

心の中で懺悔します。

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こんな状況でも「ははははっ」と半笑いで写真を撮りながら進む私は、

頭がおかしかったに違いありません。

さすがに、放置車を写す勇気はありませんでした。

たまに、内部に人影があったので・・・

助けるどころではなく、自分の運転だけで精一杯です。

5時間かかって家に帰りました。

本日、通行止めになっていた、その山越え道を走りましたが・・・・・・

気のせいでしょうか、ガードレールがあちこちでクネクネと・・・

来年の冬はスタッドレスを買うことにします・・・