みなさま、ご機嫌いかがでしょうか?
さあ、もうすぐでゴールデンウィークが始まります。
今週、ご注文などのお電話では皆様、「連休に間に合いますか?」
とお尋ねになります。
どこのメーカーも船外機本体、部品、マリン用品ともに本日が事実上安全日ギリギリ?
だったので、明日からの注文では、間に合うもの、ダメなもの出てきそうです。
弊社で在庫しているものなら船外機もパーツも、前日まで出荷可能ですが・・・
この写真は、今年の横浜ボートショーで撮影したものです。
写真を見ていただき、3つのギヤが付いていると思います。
基本的に、どこの船外機も同様の構造です。
上にぶら下がっているギヤが、一般的に「ピニオンギヤ」と呼ばれることが多く、
クランクからの動力を伝えるギヤです。
下に向き合って2つある、大きいギヤが「ベベルギヤ」と呼ばれており、
それぞれが、前進と後進を担当しています。
ピニオンギヤとべべルギアは、ずっと回っています。
ピニオンギヤの動力を前進又は後進ギヤに伝えるのは、両方のギヤの間にある
クラッチで、船外機はほとんど「ドッグクラッチ」というシステムです。
ドッグクラッチはプロペラシャフトと一心同体です。
ドッククラッチは前後にスライドします。スライド方向にあったべべルギアと
で、もう一度写真を見ていただくと、ピニオンギヤとベベルギヤの大きさが
違うのが判るでしょうか?
ギヤの歯の数が違います。
たとえばHONDA BF150Aなら、ピニオンギヤの歯の数は14山です。
ベベルギヤは30山です。
この、ギヤの比率がギヤ比で、30 ÷ 14 = 2.14となります。
クルマのように、船外機はギヤチェンジしません。
このギヤ比は、その船外機のそれぞれの逃げられない個性となります。
ここで、BF150Aが、23ピッチのプロペラを入れたときの
最高速を計算すると、
全開でBF150Aは、6000rpmなので、ギヤ比が2.14だと
1分間に6000 ÷ 2.14 = 2803 回 プロペラが回転しています。
1時間なら 168,180回転しております。
プロペラのピッチはインチなので、センチに直すと
23ピッチ × 2.54 = 58.42cm ペラ1回転で進むので、
1時間なら、168,180 × 58.42 = 9,825,075cm進みます。
で、98.25km/hとなります。
(現実にはスリップが発生しますので、少し遅くなります)
このギヤ比は、同じ馬力でもメーカーによって違います。
どこのメーカーも、最近は最高回転が、大体6000rpmぐらいですから、
このギヤ比に秘められた船外機の個性は、
各メーカーが世界中のどこをターゲットにしているとか、
どんな使い方を得意としているかという、考え方にも
つながっていくと思います。
ご自身の船外機のギヤ比とプロペラサイズで、上記の計算をしてみてください。
理論上の最高速度がわかります。
ちなみに、その理論上の速度と、GPSなどで計った実際の速度の差が
「スリップ率」となります。
「スルップ率」が低いほど、スピードを出すには、理想的な船型、ボトムの状態が
良い、セッティングが良い、となります。
一つ、すごい意地悪なことを言います。
(気を悪くされる可能性のある方は、ここから下は
スルーして下さい。ゴメンナサイ)
あなたがいつも、ボートのスピードや、プロペラの相談をしている
誰かがおられれば、上記の式のようなことをご存知か聞いてください。
全くご存知でなければ、あなたは自分のボートのスピードアップについて
相談する相手を間違えている可能性があります。
と、偉そうに言っている私は、よく計算を間違うので
人のことは言えませんが???
算数は苦手です。
小学校のとき塾で、先生にむちゃくちゃ怒られてました。
「ああっ、いやな過去を思い出してしまったぁぁっ!」
いま心は、深海より濃いブルーであります・・・・・・・・・・
(おわり)