今日は、JCIの検査で仕事が始まりました。
我が大東市の事務所まで、迷いながら到着したようです。
気持ちの良い検査員さんが来てくれて、すぐに終了。
気持ちの良い一日の始まりです。
ちなみに我が事務所のHPは以下の通りです。
http://www.hondamarine-hanbai.com/
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さて今回は、防蝕亜鉛(アノードメタル)を簡単にご説明したいと思います。
海には極微量の電気が流れており、金属を侵食(電蝕)します。
船外機はアルミ合金でできております。電解的に負けないように、その成分や
メッキ処理は各メーカーの超極秘となっております。
でも、完全に電蝕しないものではありません。
よって、アルミより電解質的に弱い金属を取り付け、犠牲になってもらって
本体を守ります。ほとんどのメーカーが亜鉛を犠牲金属として採用しています。
一部、VOLVO PENTAなどは淡水用にマグネシウムを採用しています。
船外機ではありませんが、シャフト船には、シャフト用にアルミもあります。
ほとんどのメーカーの船外機では、外の見える部分で、ブラケット下部や
トリムタブやその付近に亜鉛(アノード)を取り付けていますね。
でも、実はエンジンの内部にも、多くの犠牲亜鉛が付いています。
以下は、HONDA BF130Aの内部亜鉛です。
これは、インテークマニホールドをはずした部分です。
丸い、2つ付いているのがアノードメタルです。
これは反対側の、オイルカバージャケット内部です。交換前と交換後です。
交換前は電蝕でトロトロに溶けた状態でした。
BF130AやBF90Aは少し古いので、インテークなどをはずさないといけませんが、
BF40/50D、BF75/90D、BF115D,BF135/150A等は、点検用のフタをはずせば、
簡単に交換できるようになっています。
係留保管で、これらアノードを1回も交換していないとすれば・・・自殺行為です。
特に2ストロークと違って4ストローク船外機は、安定した燃焼による低燃費を
実現しないといけない為、冷却水温度が高いので、きっちりアノードの管理をしないと
電蝕が誘発されやすいように感じています。
自身のエンジンのアノードの位置と数をしっかり理解し、定期的に交換してください。
特に、アノードは減っていないが、泥や貝や海藻で表面が露出できていないものが
目立ちます。これでは付いている意味がありません。
で、前回から修理していたBF130Aの続きです。
係留にもかかわらず、電蝕は見られません。
最終組立および、試運転をして完了です。
今回の不調の原因は、長年にわたっての使用で、湯気などが排気管から
昇って来たことによる錆びで排気側バルブをちょっとづつ錆びさせ、
3番のバルブシート部が錆びて圧縮もれが発生していたようです。
毎回、清水を通して洗っていれば、マシだったかも知れませんが、
10年の蓄積ですので、これだけはなんとも・・・・・・・・・
調子の戻ったBF130A、これからも長生きしてオーナー様に
たくさん鯛を釣らせてあげてください。
さて、再来週は「ミニボートフェスティバル2010すさみ大会」です。
ことしもブービー賞狙いで出場します。
ぜひ皆さんもご一緒にどうですか?
みんなでおいしいビールを飲みましょう!