Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

ゴールデンウィーク前は、いつも大変なのです。

2014-04-22 16:18:25 | インポート

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?

桜がちり、業者さまよりBF2DK2の注文がガンガン入るようになってくると・・・

そう、ゴールデンウィーク直前です。

飛び石連休なんて、一流メーカーさんの労働組合の辞書には載っていません。

ガッツリ今週末から5月6日まで、船外機も部品も用品もSTOP!!

急げ、急げ、今のうちですよ・・・

で、私は今晩から・・・配達です。

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8時間ほど掛かるようです・・・片道・・・

連休に間にあわせてほしいと、かわいい「展示インターセプター11RSII」が

お嫁に行くことになりました。

私も行くのは初めてです・・・そう、スモール・・・

また報告します。

さて、先週は持ち込み修理と出張修理yと中古磨きがなどありまして、

まず、なかなか直らないBF8Aですが、塩のつまりを除去し、

組み立てて再運転です。

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オーバーヒートが治りました。

「万歳、ばんざ・・・・・・あれ」

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すごく、調子はいいのですが、変なところから排気の匂いが・・・

「おお、これはひょっとしたら、恐怖の自分のおならで窒息死パターンでは?」

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再度分解すると、電気腐食で排気管周りは、穴が広がって・・

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排気管周りの、排気が上に上がってこないように防いでいる

パッキン(左が旧部品)が熱で溶けて、どろどろです。

「確かに、オーバーヒートしてたし・・・・・」

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下方に排出しないといけない排気が、これでは上にのぼってきて、

エンジンカウル内に充満し、「自分のおならで窒息死」です。

5~10分でエンジンがとまるが、原因不明とか、

エンジンカウルをはずすと元気になる場合は・・・ここです。

BF9.9AやBF15Aも、強烈なオーバーヒートをさせると・・・・

さらに入院期間が延びました。スイマセン。

あと、エンジンオイルの漏れるBF2D6が入院・・・

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ああ、バルブカバーが錆びています。

もっと大きい馬力のオーナーでも、いろいろメンテナンスされています。

2馬力もちゃんとメンテしましょう。

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部品交換後は、さらに耐久性を向上させておきます。

こいつを、3回重ねて「プシュー」です。

でも・・・・・・・・はいきかんが抜けません。

バーチカルシャフトも、スムーズに回りません。

塩が・・・・・・・

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皆様、画像をクリックすると拡大します。

使い終わったら、必ず清水で洗いましょう~

そうそう、2基掛けのセブリエ28IIに乗りました。

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38Knotオーバーです。

加速装置「BLAST」搭載のBF150AK2の2基掛けですから、

一瞬でプレーニングに入り、4500rpmから作動したVTECは

「どこまで回るんやー」というぐらいブンブン高回転まで

一気に回してくれます。

これで、クラス最大の発電量を誇るのですから、選ばないと損です。

このセブリエ28II,大阪湾の端から端まで、一瞬ですね。

で、出張点検は、毎年ありがとうございます。

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毎年、完璧に点検をされるオーナー様のお一人です。

6年目のBF135A4ですが、アイドリングでほんの少しブるので、

2回目のバルブタペットの調整です。

私の気が散ると調整が狂ってはいけないと、

オーナーが、のぞきに集まってくるご友人の他のボートオーナー様たちに

「あっち行って、自分のフネ整備しとき~!」と、駆逐されます。

やはり、特に排気側の調整が必要でした。

一緒にEACVやスロボもきれいにします。

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このオーナーさまは、内外のアノード全部交換されます。

私も、そのほうが良いと思います。

はずしてみないと、消耗量がわかりませんし、

毎年ボルトを緩める、ロックタイトを塗布するのも、

大変重要です。

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「アノード交換しようとしたら、ボルトが折れた・・・」とか聞くことがありますが、

毎年点検していれば、ほとんどそのようなことはないと思います。

ネジ折れの修正・・・大変です。(私は大嫌いです)

結構高く付くと思います。

そして・・・やっとウイングフィッシャー23EXII/BF135A4の中古艇の

磨きが終わりました。

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う~ん、時間が掛かりました。

いつでもお嫁に出せます。

現在BF135A4君、644時間です。

バルブタペットの調整をして、お渡しします。

マリントイレ、日よけ、ナカセンのスパンカー、アフトステーション、

GPS魚群探知機、エンジン清水洗い用ポンプなど付いております。、

そうそう、今週末は泊りでNさんにもお手伝いいただいて、

32FTの上架点検、整備、修理です。

2人でやっても、時間がぎりぎりです。

シャフトも、ペラもはずします。

しかし・・・部品が不安です。

今年は、部品の到着がよくずれて、悩んでいます。

今回はマリーナの上架、塗装と整備の外注さんの手配、

宿泊の手配をしているので、部品が届かなかったらと思うと、

夜も寝られません・・・

ああ、そうか、今晩はずっと高速を走っているので、

寝ることは無いのか・・・・でも、不安です・・・・・・・・・・・・・・・・


嵐の次の火曜日とBF2D4が直りました。

2014-04-15 16:37:32 | インポート

皆様、ご機嫌はいかがですか。

私は、ここ最近、出張修理やボートショー、はたまた修理で遅くまでお仕事を

していて、頭が少しボーッとしています。

(誰ですか、いつも通りと言ったのは!)

今日は業界の多くの業者様がお休みのため、月曜日の嵐のような

「BF130のBZBE-・・・・・・のプラグとフィルターと・・・送っといて」とか

「新しいほうのBF90のBBCJ・・・・・のインペラーと燃料フィルター出荷して」

みたいなお電話が無い日なので、修理がはかどっております。

(完全に業者用人間パーツリストですな、私は・・・・)

さて、数日前に修理で入ったBF2D4 SCHJです。

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外観の程度は最高のD4(デーヨン)です。

でも、始動不良ということで・・・

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はい、これでは掛かりません、確かに・・・・

エンジンオイルやギヤオイルなども、交換しておいてくださいとのことで、

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真っ黒です。

譲りうけたエンジンとのことですから、以前のオーナーの

管理とのことです。

キャブは2回、分解清掃しました。

コッテコテで、1回目でガム質とかスラッジなどの汚れが、

奥の奥に残っていたと・・

ヤマハのスーパーキャブレタークリーナーでもてこずった汚れでした。

さあ、2回目の試運転です。

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やっとアイドリングが安定しました。

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エンジンが十分に温まったので、少し回転を上げ、

5分ほど様子を見ます。

分解しないので、音とか遠心クラッチの状況を判断します。

問題はなさそうです。

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最後に、アイドルアジャストスクリューを微調整して

終わりです。

暖気を十分にしてから調整しないと、

急発進したりしますので、構造とか基本が良くわからない人は、

触らないほうがいいです。

買ったお店に調整してもらいましょう。

エンジン掛けたらいきなりボートが発進して海にドボン・・・

悲惨です。

なお、ここは気温など季節で微調整をする場合もあります。

当然、新品の場合は、お客様にお渡しの前に、

今の気候に合わせてから、お渡ししています。

直りましたBF2D4、

そう、貴重なBF2D4です。

今からお客様に「修理完了」のお電話しま~す。


関西ボートショーと新型セブリエ28IIIは、寝れるぐらい気持ちいいんですわ。

2014-04-14 20:40:00 | インポート

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?

先週末の私は、新西宮ヨットハーバーでありました、ボートショーに

行ってました・・・・・・日曜だけですが・・・・

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ご来場有難うございます。

土曜日は・・・・・常連様のボートの整備でした・・・・

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珍しくディーゼルエンジンです。

常連様ですので、特別です。

普段は、ディーゼルの整備は受け付けておりません。

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インペラープーラーを持っていかず・・・(泣)

土曜日はE様がご来場されていたようで、

留守にしていて、申し訳ございません。

で、金曜日は・・・

いろいろと修理がたくさん残っていて、

その他注文の処理とか、いろいろと・・・・・

オーバーヒートするBF8Aくんも、ヘッドをバラして・・・

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う~ん、完全に詰まっているわけではないですが、

でも塩はたくさん掻き出しました。

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上の通路と、横の通路が開通しました。

エンバイロクリーンも使って、耳かきができない奥の掃除をします。

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インテークマニが塩カミがひどくてなかなか外れず、

半泣きになりながら、はずしました。

「おおっ」

サーモスタットは、たぶんずっと前から開いたまま死亡していたと

思われます。(怖)

「う~ん、ノーメンテ~」

その他、2馬力が修理に入ったりして、金曜は西宮に行けずです。

ゴメンナサイ。

で、日曜は、いつもお世話になっている日産マリーンさんのお手伝いです。

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出展はN34、SUNCAT245、そして今年リニューアルした、

業界の皆様ご存知の高速クルージング可能なボート、

「セブリエ28III」です。

W様、ご来場ありがとうございます。

ゆっくり自分にあったボートを見つけていきましょう!!

「あれ、Aさんは商談中で・・・所長も商談中で・・・・」

まさか、美人事務員さんが試乗ドライバーをするわけも・・

で、ワタクシが新型セブリエ28にお客様を満載し、

沖へ向かって出港します。

定員いっぱいの12名が載っていても、最新BF225AK3を搭載した

セブリエ28IIは余裕で加速を開始します。

電子リモコンを前に倒すの角度に応じてリニアに反応する

加速装置「BLAST」がフルパワーで最大トルクを発揮します。

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「本当に定員いっぱいか?」

間違いありません。

今日はボートショーの日曜日です。

どこのメーカーのボートも、試乗のお客様でいっぱい、パンパンです。

でも、セブリエ28IIIは余裕で加速しまして、あっという間に

高速域に達します。

楽しい時間は、すぐに終わります。

私の横から、寝息が「スースー」と、

「うそっ」幼児がベンチシートで寝ています。

乗り心地は確かに最高の船ですが、寝ることはないと・・・

将来有望な男の子ですね。

で、着岸は・・・・聞かないでください。

ワタクシハイテク、の電子リモコンは・・・・

でも、今度のセブリエ28IIIは、格段に進歩しました。

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エンジンは最新型のBF225AK3ですから、シフト操作を楽にする

「シフト荷重低減制御装置」が付いていて、すっごくスムーズです。

(シフトの瞬間、点火時期制御により、トルクを変動させ、クラッチの操作を補佐

する装置です)

さらに「アイドリング時充電出力向上装置」により、アイドリング時に

GPSとか電気がもっと必要になったとき、自動的にアイドル回転をあげて

発電量を増やし、充電能力を増やします。

「ジェネレスエアコン」装備のセブリエ28IIIも、この充電向上装置のおかげで

バッチシです。

当然、加速装置BLASTと

高速時はバルブ可変機構のVTECは最高の走りをしますし、

クルージングスピードでは、

ECOmoモードの「希薄燃焼リーンバーン」で低燃費です。

室内は、フロントガラスの形状変更により、さらに広くなりました。

前方、両サイドの視界がもっと良好になりまして、

下でもずっと安心して運転していられます。

セミフライブリッジは、オープンエアを味わいたくなったときだけ?

ベンチシートの採用で、子供も安心して寝られます??

ハル形状は波きりの良い日産艇の遺伝子を受け継いでおり、

高速ランナバウトです。

ブンブン走ります、最新セブリエ28III

う~ん、走りが気持ちいい!

30Knoオーバーで、ポイントに直行ですね。

(ちなみに最高速は、公式に35.4Knotです。

さらに、BF150AK2の2基掛けの場合は38Knotです。

念のため・・・

個人的には、BF250Aが最高と思います。

ぜひ、お試しを・・・・!!!)

今週末、来週末も日産マリーン堺浜マリーナでは展示会があります。

ああ、私も行きたいのですが・・・BF135A4の定期点検が入っています。

早くウイングフィッシャー23EXIIを仕上るぞ~


おめでたい進水式と、声が出なくてゴメンナサイの巻

2014-03-31 17:58:49 | インポート

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

ワタクシは数日前から喉が腫れて、声が・・・・・・・

先週は、おめでたい進水式でした。

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前の会社のときから、何度もありがとうございます。

今回は念願の「フライブリッジ」のあるボートに乗り換えです。

なのに、このおめでたい門出の日に、声が出なくて、

「大変、申し訳ございません」

マリーナさんにも、所長さま、スタッフの皆様や美人事務員さんにもいろいろと

お世話になりました。

思えば今回は、GPSの取付や外注さんとしたエンジンの整備の日以外は、

マリーナに来た日はひたすらボートを洗ったり、磨いたりする毎日・・・

ワックスやアセトンやコンパウンドやカビキラーまで動員し、

「どこ洗ってんの?」「床下です」

「それどこ洗ってんの?」「アンカーロッカーです」「まじめやなぁ」

と、通りがかり、のぞき込む人たちに言われ続けて・・・

でも、そのおかげで船底にもぐったとき、ビルジポンプの破損を見つけたり、

造船時から残っていたタッピングビスや木片を回収したり、

(ビルジポンプが吸い込むと、故障しますし・・・)

また進水式までに愛着が出てきて、お嫁入り前日には

「さみしいなあ」とガラにも無く(笑)

さて、派手なシャンペンシャワーを済まし、進水式を無事終えて、

新しい保管地へ向けてオーナーご兄弟と出港します。

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天気は、午後よりマゼが吹くとの予想ですので、

あまり寄り道せず、まっすぐ南下します。

途中、巨大な建造物が見えてきました・・・

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あれをくぐります。

弟さんは船舶免許を取得したばかりとのことで、

浮標やまわりの他船との位置関係など、興味深深です。

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おおっ、いつくぐっても、本当に人間が作ったのかと、

びっくりする大きさです。

(ちょうど、電車が走っているのが写っていますので、大きさがわかりやすいです)

行程の2/3を過ぎたころより、風が徐々に強まりだしてきました。

操船が私の番になりました。

私は昼間の操船は、曇りでも偏光サングラスを掛けます。

私のはSWANS製です。

個人的な意見ですが、そのほうが流木や漂流物の発見が安易で、

危険を回避しやすく、

波の大きさや深さもわたりやすかったり、ブロー(風の吹き込み?)も

見分けやすいと感じています。

偏光で無いやつは・・・・あまり役に立たないかな?

がんばって波を切り分け新天地に、到着しました。

マリーナさま、お世話になります。

今年の夏は、黒潮を見に行かないといけません。

思ったより離着岸の練習ができなくてすいません。

オーナー様、また釣りにでも誘ってください。

その時は、じっくり練習しましょう。

今度から楽しいマリンライフが待っています。

海の神様、どうかこのボートの航海に安全を!!

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BF135A4とBF20D3の続きと、そういうことなら急でも行きます。

2013-12-19 17:46:05 | インポート

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?

昨日、BF20D3のバルブ折損&海水ジャブジャブの修理中、いつもお世話に

なっているマリーナの所長からお電話があって・・・

「急やねんけど、BF135A4のオイル交換に来てくれへん?」

私「えっ、オイル・・・・・だけで・・・」

「実はM君(整備)のご家族に不幸が・・・」

私「いつもの外注のNさんは?」

「いま日本海で53コンバーチブルの回航中で・・・」

私「そういうことなら、お互い様ですから明日行きます!」

で・・・・

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エンジンオイルとギヤオイルの交換とか、その他モロモロを・・・

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オーナー様は「ブローバイガスのオイルが垂れる」とのことで、

吸引機がオイルを、またギヤオイルが抜ける時間を利用して、

エアクリーナー等などのクリーニングも行って・・・

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プロペラシャフトの点検なども行ったのでした。

お別れは、恒例の年末のご挨拶・・・

今年も、残り少なくなりました・・・

さて、BF20D3の続きです。

誰か?のボルトのトルク管理不足?で、パワーユニットの

ベースガスケット付近から海水がジャブジャブ入っていたので・・・

「こんなとこも・・・」

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コンロッドの取付ボルトの中まで・・・ほぼ全バラ決定ですね(泣)

怖いのは、中身ですが・・・

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ああ、ここまでミルクコーヒー攻撃です。

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今までエンジン掛かっていたからと言って、これを見て、

そのままブンブン回していいとは、誰も思わないでしょう・・・

半分塩水ですし・・・

海への水没機は、いつ、どのように海水が入ったか情報があったり、

すぐに対処するので、そちらの方が症状が軽い場合もあります。

(注、電装品を除く)

でも、今回のようなミスでチョロチョロ海水が入っていたり、

防食亜鉛を定期交換しなかったので冷却水路に腐食で穴が開いて

水が少しずつ、少しずつ入った場合は、深刻な場合もあるので、

判断が難しいです。

「ギョエェェェェェ~」

シリンダーのピストンの行程の下側が、すっかり錆びております。

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いつから塩水が入っていたのか?

エンジンは黙して語りません・・・

調子が悪いエンジンのスパークプラグは、真っ黒です。

ということは、シリンダーヘッドの内側も・・・・

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当然・・・・・真っ黒です。

ススがタールのような、おこげのように張り付いています。

良い燃焼を目指して・・・クリーニングします。

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「これぐらいで許したろう」・・・

いえ、許してください。

ほかにもやらないといけないことが・・・

さて、パーツが届きました。

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ステムシールをつけていたら、マリーナさんやってきました。

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早くお客さんに返してあげたいと、引取りを兼ねて、勉強も兼ねて、

お手伝いに来られました。

感心ですね。

お客さんがうらやましいです。

で、マリーナさんが持って帰れるように必死で、写真も撮らずに・・・

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一気に組み上げました。

その後試運転し、OKです。

マリーナスタッフの自家用車に積まれて、かえっていきました。

「バルブまでスリスリしたから、パワーもどったやろうな・・・」

復活したBF20D3、たぶん今日から警戒船の仕事を

していると思います。

働き者のBF20D3くん、

寿命が延びたので、もっと稼いでね~。