Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

BF15AMとMFS18Aと急がば回ってよかった??

2013-05-30 15:06:12 | ブログ

皆様、梅雨の時期となりましたが、ご機嫌はいかがでしょうか?

最近まで、少し悩んでしまう修理が2台入っておりました。

まず1台目はBF15AM(SJ)・・・・

Bf15a

お客様(業者様)のお話では、症状は、

「走っていると、時々調子が悪くなる」ということだったのですが・・・・

試運転して、調子を見ようとしたら・・・

エンジンが、うんとも、すんとも言いません。

調べると、全く火が飛んでおりません。

仕方が無いので、点火系を全調査です!

Bf15a1

とりあえず安心したいので、コンプレッションは・・・OKです。

Bf15a2

なぜか、このエンジンはあちこちベチョベチョです。

フライホイールをはずします。

Bf15a3

バランサー付近、又はクランクシャフトのオイルシール付近から、

エンジンオイルがにじんでおります。

(ボルトの頭の横にはうっすら溜まって・・・)

平成11年製造です。

まだパワーユニットがビンビンで動いているのが

ホンダらしいというか、誇らしいです。

でも、電気系とか、ゴムのオイルシールとか、

そういったものは、交換時期かも知れません。

その他、エキサイターコイルとか、CDIとか点検して・・・

(途中でプロフェッサーYに電話して、チャージコイルが

ないと騒いでいたら、リコイル式は無いよと怒られて・・・)

テスターを当てると、CDIでΩがおかしいので、たぶんこれです。

他は・・・適正値です。

Bf15a4

アイドルポートの下が、このように汚れているヤツは・・・

私の経験では、オイルの入れすぎ(とってもとってもとってもとっても♪)

または、調子が悪かったやつです。

Bf15a5

ウォーターポンプは・・・溶岩のようにブツブツです。

上記お客さんに報告がてら、以前の様子を聞くと、

やはり、エンジンがうんともスンとも言わなくなったので、持ってきたと

言うことでした・・・・・

お次はMFS18Aです。

以前、重症だったのを修理して1.5ヶ月ぐらいお使いいただいていたのですが、

「使用していると、パン、パンとバックファイヤーするようになった」

と、少しお怒りです。

再びお持ちいただき、点検します。

エンジンオイルが減っていて、下限より下がっていて、

警告灯の赤ランプが消えません。

給油して、運転しますが、お客さんの訴える症状が出ません。

正直・・・2日ほど悩んで・・・結論が出ました。

「答えは現場にあり!」

お客様とほぼ同じボートを持っている同業者に助けを借りました。

小雨の中、試運転を繰り返します。

Mfs1811

全く調子は良く、ブンブン走ります。

イジワルしてキャブをいじったりしても、関係ありません。

ふと思い立って、Fさんに電話して、相談します。

「エンジンオイルのセンサーを殺すには・・・・・」

小雨降りしきるなか、Fさんに聞いた方法で、センサーを

殺して、エンジンに「エンジンオイルが足りていない」と勘違いさせます。

走り出してすぐ、アラートが作動して、回転制御を開始しますと・・・

「ううううう・・・パン・・・うううううううううううう・・・パン」

やっと、再現できました。

Mfs1812

どうも、オイルが減って、アラートが作動して回転制御の為

点火を間引きするので、未燃焼ガスがマフラーに掃気されていた

ところにあとから点火する場合もあるようで、アフターファイヤー

を極稀におこすようです。

メーカーによって、少しクセが違うようです。

私が今まで経験したものは、回転制御時には「パンパン」

言わないので、思いつくのが遅かったのでした。

お客さんに電話して、説明すると、少し思いつくところも

あったのか、おおむね納得していただけたようです。

(というか、実走試運転して問題ないので、問題ないです。)

お客様には少し、追加をお願いしました。

(それだけでいいの?と言われましたが・・・・・)

急がば回れです。

力を貸していただきましたOさん、有難うございました。

(ボートも貸していただきました)

あと、いろいろ知恵をお貸しいただきましたFさん、有難うございます。

今後とも宜しくお願いします!

あと・・・最後に・・・・

本日もお電話をいただきました・・・・・・・・・・

「オークションで船外機を買ったが、エンジンを掛けると白煙が

出ますが、異常ないでしょうか」とご質問が・・・・・・・・

そんなもの、正常なら白煙なんか出ません!

私は、なんと答えればよいのでしょうか?

恐るべしNCNR・・・・・


中古艇のBF130AXXNの整備をしましたよ!

2013-05-27 18:39:27 | ブログ

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?

さて、先日、堺浜マリーナのバリバリの営業マンA氏が売ってしまった

中古艇についているBF130AXXNの整備をしました。

私が整備が終わってから、ゆっくり売ろうと思っていたのですが、

優秀な営業マンは待ってくれません。

で、その整備風景です。

Bf13021

このボート&船外機は陸上保管で、使用後に毎回水洗されていたので

非常に程度が良いものです。

Bf13022

ウォーターポンプを分解点検し、インペラーを新品に

交換しておきます。

プロが販売するのですから、当たり前です。

Bf13023

サーモスタットの分解、点検です。

サーモスタットは・・・・なんと!ご臨終されております。

このまま納品したら、いきなりエンジンの調子が悪いとか、

壊れたとか、大変なことになるところでした。

当然、新品に交換します。

通常、2~3年ぐらいで交換してください。

Bf13024

スパークプラグをはずして、焼け具合など点検します。

異常なしです。

Bf13025

インジェクターをはずして、ノズルなどを点検します。

プラグ同様、異常があると、はっきりとわかりやすい部分ですね。

Bf13026

インテークマニホールドをはずして、アノードの減り具合を確認

しました。

その他、エンジンオイル、ギヤオイル、EACV、スロットルボディー

PTTなど等・・・2日間にわたって点検し、最終試運転を・・・

33Knotでました。

プロペラも新品に交換しましたよ。

私達プロは、特に断わりが無ければこういった整備をして、

中古艇を販売しています。

万全を期して・・・それでも、ごく稀に引渡し後に小さな問題が

出たりして、出動~「スミマセ~ン」するのが中古です。

出ないように、出ないように・・・

たまに、「オークションで買って、だまされた」と駆け込んでくる方が

おられますが、だまされているのではなく、未整備で購入しているのですから、

何が起こっても、それは、不思議ではない。うん!

整備の経験の無い方は、中古艇は、お近くのプロショップから

購入されることをお勧めします。

現在、先日ご見学いただきました別の中古艇のご返事を

待っているところです。

あと数日以内に、ご返事があると思うので、毎日、緊張をして

待っております。

売れたら・・・今年の夏は、一緒にカジキを釣りに行くことになります。

えっと、会社には内緒です。カジキ釣り。

7~8月に、3日ぐらい連続で、出張修理が入っていたら、

ツナギをぬいで、短パンTシャツにサングラスで、

黒潮の流れる海面を見つめていると思います。

夏のマリンスポーツ・・・最高です。


お電話で修理指導は実施しておりません。

2013-05-25 19:03:19 | ブログ

皆様、ご機嫌いかがですか?

少しブログの更新を、取材以来サボってしまっていて・・・

本日午前中は、お客様と中古艇の見学を・・・

Kad32

午後は事務所に帰って・・・・

BF2Dがやってきました。

点検の結果、異常無しです。

お客さまはブローバイガスをオイルのモレと勘違いされていました。

点検してもらって、無償では悪いと思われた?

気を使ってギヤオイルをご購入いただきました。

有難うございます。

あと、BF2Dは、こういう方法で防錆をお勧めします。

Bf2d20

タペットカバー(バルブカバー)のサビを防げます。

中が見えていたら、こんな感じのイメージです。

Bf2d21

加減はして下さい。

ほんの少しでOKです。

掛けすぎないように・・・・・・・・・

その他、常連さんの点検にも行ってきましたよ。

Bf135

BF135A4ですが、毎年上架と同時に定期点検のご依頼をいただきます。

係留保管ですが、アノードの管理が完璧で、上架艇に近い状況を維持できています。

うれしい限りです。

あと、再販の為整備していた中古艇ですが・・・

Tf235

TF235II&BF130AXXNですが、私が炎天下の元、ヒーヒー言って

整備している途中から商談が入って、展示していただいている

マリーナの営業マンAさんが・・・・

ご成約おめでとうございます。

さすがはAさん、売る売るとは聞いていましたが・・

きれいだったので自分で売りたかった?

がんばって速攻で仕上げます。

その他、修理が・・・・

Dt5

これは・・・翌日退院!

Bf15a

これは、業者さんが、お客さんに代わって持ってこられました。

現在、点検中ですが・・・火が飛んでいない???

じっくり点検します。

Mfs18

これも・・・・症状が再現できず・・・試運転に行くのか悩み中です。

あと最後に・・・・前にも書きましたが、ユーザー様への

お電話での修理方法の指導は実施しておりません。

「今修理中なんやけど、方法を教えてくれ・・・・」というやつです。

本日もお電話いただきましたが、自分の目で見たものにしか

アドバイスや指導はいたしません。

本日のBF2Dのお客様のように、お持込いただければ、

具体的にアドバイスし易いです。

船外機は海に出るものです。

私は、中途半端な助言は逆に危険であると思っています。

特に、お電話の初めに、自己紹介されない方は・・・

本日もお電話での対応の間、来店中のお客様への

説明は中断して長らくお待ちいただいた上に・・・・

わからないことがあったら、お近くのプロショップに

持ち込んで相談してください。

私より頼りになるお店が、全国にはいっぱいあります。

私も人間ですので・・・

きつい言葉を聞くと、心が傷つきます。

電話恐怖症になりそうです・・・・・。


取材に来られたのですが、H主任が来なかったので緊張して、何を話したか覚えていません(泣)

2013-05-17 15:30:38 | ブログ

皆様、ご機嫌はいかがですか?

本日、チョー有名な「株式会社 舵社」さまが取材に来られました。

私なんかで、良かったのでしょうか?

本当に、私がしゃべった文言で、記事に出来るのでしょうか?

いらないことまでしゃべりすぎて、Mr-H主任に怒られないでしょうか?

やばいところはちょきちょき「カット」して下さい。

そういえば、一緒に来ると行っていたMr-H主任、いないじゃないですか!

なにやら・・・・・せっかくお会いできると・・・・・主役が留守とは残念です。

代わりにUさんががんばっていました。

しかし・・・こんな修理工場で、良かったのでしょうか?

カメラマンさんは、汚いものが写らないアングルを探すのに苦労を

されていたと思います。

大変気の毒でございました。

私のところに来る前は、「リトルボート販売」の田原社長が

取材を受けていたとのことで・・・・

それを聞いて(自分から聞いたのですが)余計に緊張しました。

プロフェッサーY師匠やO兄貴師匠、はまち部長の分も代表していろいろとあれこれ

言わなければいけないと気合を入れていましたが・・・

来店された皆様のお顔を確認し、Mr-H主任がいないのがわかって・・・

緊張して頭が真っ白になり、なんの話をしたのか、

全然覚えておりません。

たぶん、やばいこともいっぱいしゃべったと思います。

仙台で〇〇××△△・・・・・・・・・・

記事になっても、私のせいではありません。

Mr-H主任が・・・・・来れなかった理由が・・・・・原因ですので・・・・・

で・・・私はいまだに、心臓が「ドキドキ」しています。

さて私は、ホンダ船外機の魅力を紹介することが出来たでしょうか?

「ボートクラブ8月号」に、HONDA BF2D特集として、記事になるようです。

Photo

皆さん、8月号を買いましょう!

ただ~し、

私のことですから、全部ボツになるかも知れません?

でも、8月号を買いましょう!

私がボツになっても、田原社長の役立つマル秘情報満載です。

ミニボートの船外機オーナーさま、必見です。

8月号・・・・わたしは家宝にします!!


ヤマハF60CETLの定期点検と閻魔さまとマリーナが休みだったので帰ってきました(泣)

2013-05-15 14:27:59 | ブログ

皆様、初夏のような今日この頃、ご機嫌はいかがでしょうか?

本日はあまりの暑さに、初半そで作業でした、F60CETLの定期点検。

オーナー様が、「これ飲んで!ほいっ」と渡されたのが・・・

Photo

どろろ~ん、「閻魔」さまです!

オーナーはお酒を飲まない方なので、明らかに私の為に持ってきた

ようです。

お断りしたのですが「遠慮せず」とのことで、いただいてしまいました。

申し訳ございません。

ああ、ヨダレが止まりません。

で、そのヤマハ船外機F60CETLの定期点検です。

F60c1

このF60Cはベイフィッシャー23セットのもので、進水後約1年、

係留保管です。

ただし、係留場所には蛇口があり、オーナーは帰港後、

毎回必ずフラッシングデバイスを利用して清水通しをしておられます。

油脂類はオーナー自身が横で交換されています。

私は、各部の視認点検及びスパークプラグ、インペラー、アノードの

交換と、グリス塗布、タッチアップをしていきます。

F60c2

このF60CETLは、スパークプラグのそれぞれの横にアノードが

付いています。(合計4つ)

あと、ウオータージャケトにもミサイルのようなアノードが1つ付いています。

そのほか、PTTに1つ、ブラケットに2つ、ギヤケース上に1つ、

トリムタブに1つ、合計6箇所10個付いています。

今回は内部アノードとブラケットのアノードを交換しました。

毎回真水で洗っておられるので、「内部アノードも、次回から2年おきでも

大丈夫かも知れませんね」と思いました。

たぶん、全く洗わないなら、全部毎年交換になる方も多いのでは?

F60c3

電気腐食は自然現象で、地域差があります。

よく腐食する地域、湾、港、、あまりしない係留地・・・・

今回は初回なので、点検の意味も含めて内部アノードを全部

開けてみたのでした。

特にミサイル状のアノード・・・何年も放置すると、中で膨らんで

抜けなくなったり、中で「ポキッ」と折れて、冷却通路を塞いでしまって、

「なんかわからんけどオーバーヒート」する船外機になる場合が

あったりしたりして・・・・

あと、ギヤケースをはずしたときは、どこのメーカーでも

中間ハウジングの中をのぞいてください。

F60c4

通常どこの船外機も、外側より内側の方が「守りが薄い」ので、

内側から先に「電気腐食」の兆候が現れるものです。

今回は・・・べえりい ぐうっどです。

視認の範囲では、陸所保管艇とほぼ同じ程度と思いました。

このF60Cは、10年も20年も活躍することでしょう。

ほかにこのマリーナでは、Sさんと久しぶりにお会いし、

「XX-27、どこかにありません?」

「僕、1隻持ってるよ」

とのことなので、現在の商談がスベッたら、電話をいただけることに・・・

早くご案内しないと、夏がやってきてしまいます。

少しあせってきました。

さて、予想どおり、午前中で終わったので、午後から堺浜マリーナに

行って中古艇を整備しようと、「これから行きます」と電話をしようと

思ったのですが・・・・・

「RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR・・・・・・・♪」

誰も出ません・・・

水曜ですが、マリーナの定休日だったようです(泣)

整備予定のBF130Aのオイルとか、部品とか・・・

また持って帰ってきたのでした。

やはり・・・おっちょこちょいです。

閻魔さま、私に効く薬は、あるでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・