Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

60FETOLの組立と記載ミスはヒューズが飛んだんです!

2012-06-30 14:02:08 | ブログ

あ~あ、とうとう生レバーが食べられなくなりました。残念です・・・・・・

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

さて、昨日は夕方までかかって、60FETOLを組立ました。

60f31

コネクティングロッドのピストン側のベアリングを1つずつ組み立てます。

ここの特工はもっていないので、自作します。

60f32 60f33

入れる数を間違えると・・・・あれっ・・・最後に1本余っている・・・・

「ゲロゲロ~!!!」・・・・やり直しの刑が待っています。

ここは、4ストロークの構造の方がシンプルで良いですね。

(クランク側は、2ストの方が簡単なので、どっちもどっちですが・・・・・)

60f34 60f35

組みあがりました、シリンダーに挿入します。

この60FETOLは、「スルッ」と一度に入るタイプで大変便利です。

TOHATSU M140Aとか、私大好きです。「スルッ」とタイプ。

60f37

完成です。

試運転するのに、中古のヤマハのハーネスを探します。

このエンジンは本体だけはずして運ばれてきて、配線がありません。

船外機の乗せ換えなどで、不要になってはずしたパーツをストックしているので・・・・

「ゴソゴソ」・・・・「これとこれはS社だ」・・・「ゴソゴソ」・・・「これはM社」・・・

あいにく、キーイグニッションとか、ハーネスがありません。

昨日はここで、暗くなってきて、試運転が難しくなったので・・・

えっ・・いや・・・帰ってビールが飲みたくなったからとか・・・・

イエ~ス!それもあります。

で、本日は朝から、ヤマハサービスデーター2002に載っている配線図を見ながら、

仮の試運転用のスイッチを作成します。

20021

60FETO・70BETOのページを見ながら、配線を作って、接続します。

20022 20023

この「サービスデーターブック2002」ですが、古いヤマハ船外機を修理するときの

私の相棒です。

出来ました。

接続します。

キーイグニッションを「ON」・・・・・・・(沈黙)・・・・・あれっ

「またやらかしたか、俺・・・・・」

ヒューズを確認・・・・切れています・・・・

「なーんや、切れてるやんけー」

ヒューズを交換して「ON」・・・・・・(沈黙)・・・・・・あら・・・

ヒューズを確認します。また切れています。

「配線の接続、間違えたか?俺・・・・」

配線カバーをはずして、1から確認します・・・・・・・・・

「間違えが・・・・わからない・・・・どこだ・・・」

何度見直しても、間違いがありません。

と、言うことは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

配線図を忘れて、カプラーや部品にテスターを当てて、

プラス電源、アース、スターターリレー、短絡など調べて見つけていきます。

「あああああああっ、プラスとマイナスが逆なんですけど・・・・・・・」

一瞬、私はとんでもない配線をしてしまったのかと、ゾッとします。オカルトです。

でも、良く考えると、各役目というか、配分は合っています。

「あと、可能性が残るのは・・・まさか、マニュアルが・・・・・」

ご存知の通り、メインハーネスは共通ですから、

75AET・85AETのページを見ますと・・・

「ガ~ン!」

20025 20026

カプラーの配置からすると、逆ではないですか!

しかも、テスターで調べたとおりの配置になっています。

どうも、記載ミスのようです。

貴重な時間と、20Aヒューズが2本、犠牲になりました。

業者のみなさま、気をつけましょう。

151ページです。

20024

弘法も筆の誤りとは、このことです。

天下のヤマハさんでも、記載ミスはあるのですね。

私は初めて見ました。

そういえば6~7年ぐらい前、M社のテクニシャンズハンドブックでも、

進角のメモリがイラストで回転方向と逆向きに書いてあったことがありました。

Sea Pro10もしくは25のページだったと思います。

そのときもパニックになりました。

みなさま、人間のすることです。

間違いは誰にでもあります。

見つけても怒らないで、そっと教えてさしあげてください。

私は・・・・・・・・・・・・・・もっと自分に自信を持ちましょう!?


60FETOLと暗記と2ストは〇〇が無いんです!?

2012-06-29 11:31:42 | ブログ

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。

本日の私は、今のところ予定通り進んでいて、気持ちいです。

09:10に出社し、営業所を開けました。

09:30にクロネコさんが注文していた60FETOLの部品を持ってきました。

09:40荷物を検品し、無事全部届いていることを確認できました。

Photo

10:00DMの宛名書きを開始します。

10:30宛名書き終了し、

    60FETOLのサービスマニュアルを開きます。

Photo_2

我が記憶装置は低スペックなので、締め付けトルク数とか数値まで全部は

暗記できませんが、メーカーの推奨する組立手順や数字で管理されている

たとえばアクセルリンクとか、それら部品の調整方法とか、

おさらいしておきます。

アップデートです。

いや、バージョンアップ???

たぶん、見なくてもある程度は出来ると思うのですが、

やはり、メーカーの手順どおりするほうがスピードが速いですし、

詰まったとき、自己流で切り抜けようとすると、大抵無理をしたり、

力技に頼ったり・・・・・製品に傷を付けたり、ろくなことになりません。

また、体調不良時や、精神状態が悪いときなども、作業中に

考え事をしていて手を切ってしまったり・・・・

やはり、他のお仕事同様、自己管理や環境を整えることが、

良い修理には大切だと思います。

そうそう、先ほど1人で大笑いしました。

検品していて、ピストンリングの梱包を開けた時・・・・・

一瞬、手が止まって、脳が違和感信号を発します。

何が、おかしいのか・・・・・・・えっ・・・

「ワッハッハハハハハハ(大笑)」

Photo_3

久しぶりの2ストロークです。

最近はずっと4ストロークのピストンリングばっかり見ていましたから、

2ストの「オイルリング」が無いことが、一瞬、脳には

おかしく見えたようでした。

自分で、自分に大笑いです。

さて、気分もほぐれましたので、これから作業を開始しま~す。


60FETOLとボーリングが無理ならホーニングでどうでしょう??

2012-06-26 20:03:38 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

先日、私が出席していた自治会の会議の席でのことですが、

締め切った部屋で数人が話し合いを・・・誰かが習慣でエアコンのスイッチをON・・・

数分して・・・・

Aさん「寒く無いですか?」

自治会長「う~ん、さぶいなあ、どう?」

私「えっ、ああっ少し・・・・・」

Bさん「最近はどこにいっても弱冷とかエアコンをあまり効いてませんから、

  体が暑いのに慣れてしもたんでしょうね」

確かに、ショッピングモールなど、数年前まではキンキンに効いていたエアコンが、

節電の為、ぬるくなっています。

ニュースでは、今年の夏は、暑くなる?とか言っています。

みなさま、ご提案です。こういうときほど海で遊びましょう!

海水浴、水上スキー、ウェイクボード、スキービスケット、バナナボート、水上オートバイ等

水に入って遊んでいると、大変涼しくて気持ちいいものです

U10932610863065759730gp0

日陰は必要です。パラソル、タープもご用意ください。

想像しているだけでも、うきうきしますね。

最近はレンタルボートも多くなってきていますし、バーベキューの出来るマリーナも

増えてきています。

海で、遊びましょう!

さて、前回のブログで爆死されていました60FETOLですが、

オーナーのF様はあちらこちら、中古船外機を探しておられましたが、

Fさま「パワーチルトの動かない、程度のよくないと言われる60Fが〇〇に

 あるらしいが、Hさん、どう思う?」

私「Fさんはどう思うんですか?」

Fさま「ダメだと思う・・・」

私「・・・・では、ダメでしょう」

とか言うことで、F様より「不死鳥のように蘇らせて下さい」とのご指示が・・・

かしこまりました。

60f21

復活の為の調査を始めます・・・・

シリンダーの傷は・・・・浅くはありません・・・

私「Fさん・・・シリンダーのボーリングをしてオーバーサイズの

 ピストンを・・・・・・・」

Fさん「えっ・・・ああっ・・・・(大人の事情で、カットします)」

私「・・・・ではホーニングでやってみますが、パワーダウンは免れません・・・」

で、一生懸命ホーニングしてみました。

60f22

う~ん、難しいところです。

クランクシャフトがこれですから↓

Dscf3519

さて、このフェニックス計画のホーニング大作戦、

吉と出るか凶と出るのか?

みなさま、Fさんと60FETOLへの、ご声援よろしくお願いしま~す。

60f23


60FETOと悪夢の結末

2012-06-23 17:37:35 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

私は仕事中、FMラジオを聴くともなく、聴かなくともなく流しております。

今は「サントリーサタデーウェイティングバー、アバンティー」が、流れています。

長寿番組ですね。必ず毎週聴いております。

ウェイティングバーといえば、昔シカゴに出張で行ったとき、お手伝いしていただいていた

通訳の方が、

「おいしいロブスターの店があるのですが、行きませんか?」と

予約無しで入ったら、店の人が

「少し、時間下さい」とウェイティングバーで、文字通り待たされました。

ウエイター「〇▲※□♪A-B-C-!」

通訳の人「Hさん、何を飲みますかとのことですが・・・」

わたし「バドワイザー!!」

Relay

ウエイター(少し、にやけたがさすがプロ、)「Hi,OK!」

通訳「※※▲□」言ってとウエイターを待たして・・・

 「Hさん、ミラーにしましょう!ミラーライトもあります!」

この時点で、いつものように空気の読めない君になっていた私、ウエイターに直接、

「バドワイザー」

通訳さん「ああぁ・・・・・・・・・っ・・・」

そのあとテーブルに案内された私は、通訳さんに説教をされたのでした。

通訳「Hさん、アメリカではビールにランクみたいな慣習があります」

私「たとえば」

通訳「バドワイザーは家で飲むようなビールです」

私「ミラーは?」

通訳「たとえば、少しかしこまった場所で飲むものであったり、ステータスの

ある人が飲むビールです。」

私「では私はバドワイザーを飲むのが、理に合っている、うん」

通訳「・・・怒・・・怒・・・怒・・・・」

私「でも、話は面白い、ではクアーズは?」

通訳「(大人の事情で、カット)」

私「ありゃ・・・では、ミラーより上はあるの?」

通訳「う~ん、たとえばHさんが家のパーティーに招かれたとして、

わざわざキリンやアサヒなど日本のビールがあったとしたら、マジ友として

歓迎されているとか、そういうのはあります」

私「そのときバドワイザーが出ていたなら?」

通訳「(大人の事情で、カットします)」

私「怖いー!」

通訳「だから・・・これからは、私の言うことは守ってください!」

私「は~い・・・・・・」

(上記は過去の私の単なる体験談です。どこまで本当かどうかのご判断はお任せします)

さて、以前少し書きました、焼きついた60FETOがやってきました。

60f5

オーナーには電話で、シリンダーヘッドをはずしてみたらと言って、焼き付きを

確認してから送ってきていますから・・・

ああっ、確かに・・・・・でも・・・・少し違和感を感じつつ・・・・

60f6

あっと、その前に、60FETOのシリンダーにもアノードが入っていますので、

お見せします。

60f7 60f8 60f9 60f10

ヤマハ2スト60馬力、70馬力のオーナー様、特に係留保管の方、たまには交換

することをお勧めします。

60f11

さあ、パワーユニットをはずします。

クランクケースを2つに分離して・・・・・・・「ギャアァァァァ(大げさですが)」

60f2

2番ピストンのコネクティングロッドのが、折損しています。

アップにすると・・・・・

60f4

ニードルベアリングは1つも生き残っていません。

ひどいものです。

4ストローク船外機は、エンジンオイルがなくなった場合、(オイルキャップの

締め忘れや、抜いて、入れるのを忘れたとか)ここから焼きつくことが

多いですが、2ストロークはベアリングが入っているからか、ピストンと

シリンダー壁面の油膜切れ焼付き(オーバーヒートとか・・・)が多いのですが・・・

どうも、先にベアリングから逝ったような感じです。

で、ベアリングやコンロッドの破片が燃焼室に入って、ピストンなども

壊した・・・・

60f1

電話して説明すると・・・・絶句されていました。

聞けば、そういえば、少し前からエンジンがゴロゴロ言っていたとか。

2番ピストンはスカートもどこかにはだけていってしまって、

1番も、3番も、軽く焼きついています・・・

原因は何なのか?

60f3

オイルタンクの中に、ミルクコーヒー色のオイルが残っていました。

オーナーはヤマハSSオイルを使っていたそうなので、本来はブルーのはずです。

水の混入で乳化していると思われます。。

過去に、ジェットスキーで同じパターンでの焼き付きを診断したことがあります。

5年とか、2ストオイルを継ぎ足しだけで・・・・結露や雨水などでオイルタンクに

水分が入ったのでしょうか?

下の方に、乳化したオイルが溜まっている場合があります。

水ではピストンも、シリンダー壁面も、クランクシャフトも潤滑できません。

これが原因の可能性が高いと思います。

あと、過去に水没やキャブレターから水を飲んで、ベアリングが錆びて発症し、

長年かかって壊れた可能性もあります。

私は分離給油の2ストローク船外機を中古再販する場合、タンクをはずして

傾け、底がトロ~ッと怪しい場合は全部捨てて、タンクを洗って、新しい

オイルを入れておきます。

あっと、その場合オイルポンプ付近のエアヌキも忘れずに・・・・・

4スト全盛期になって、やらなくなったなあぁ、オイルポンプのエア抜き。

昔は新品の船外機をセットしたときとか、オイルタンク、オイルホースを

点検修理したあと、生唾のみながら行ったものです。

オイルタンクの底に怪しいとろみ成分がある方、早めにプロに

点検を依頼しましょう。

オイルラインのエア抜きが出来ていない2スト船外機は・・・・悪夢です。

絶対、いつもお世話になっているプロに見てもらってください。

2ストの中古ボートを購入する方は、試乗のとき、エンジンカウルをはずしてみて、

「ゴロゴロゴロ」というのが聞こえたと思ったら、慎重に判断しましょう。

さあ、このエンジン・・・悪い夢なら早く覚めて・・・無理のようです。

Fさま・・・・お悔やみ申し上げます。

仕方ないので、家に帰って、バドワイザーでも飲んで寝るとします。

おやすみなさい。

   


台風と本物を見る目とBF60AK1

2012-06-19 16:16:34 | ブログ

みなさま、お天気はいかがでしょうか?

大阪は、台風に襲われる直前で、雨がザアザア降っております。

夕方から夜にかけて通過するようですね。

ちょうど和歌山県が満潮と台風の接近が重なるので、皆さん大丈夫かと

何名か電話したところ、中村屋さんがつながったので聞いてみると、

すでに台風対策済みとのことで、頼もしい限りです。

Ca3b0043_2

お隣のボートも沖出ししたとのことで、有難うございます。

台風が来ると、いつも憂鬱になります。

尊敬する四国のF社長は、台風が来るとユニック車に枕木いっぱいを乗せて、

お客さんのボートを次々と陸へ上架させるそうですが・・・・

今回もされているのでしょうか?

全く赤字だが、自分から買ってくれたお客さんのボートは自分が守ると・・・

尊敬いたします。

さて、天気の影響か、今日は電話もパラパラ・・・

こういった日に、よく見るお気に入りのブログがあります。

「轟クルマ文化研究所」

http://blog.goo.ne.jp/todorokikuruma

メーカーさんはあまり見たくないと思う?、辛口のクルマ評論ブログです。

毎回見ていて、すごく勉強になります。

すごくクルマ業界に精通している方の、覆面?ブログかな???

私達マリン業界、いや船外機も本田技研工業さんを初め、日産自動車さん、

スズキさん、ヤマハ発動機さんもエンジンを作ったり、クルマ関連です。

メーカーさんがどういった理論でクルマを生み出すのか?

為になるブログです。

で、このブログを読みながら思い出す1冊の本があります。

そう、有名な・・・・

20110210_2021752_t

「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」

(写真はネット上で拝借いたしました)

少し古い本ですが、家の本棚では特別席に祭ってあります。

私の車に関する考え方を、根底からぶっ飛ばしひっくり返した本です。

この作者のMさん、勝手に大変尊敬しております。

現在は、クルマ用品の貿易関連のお仕事をされているようです?が、

愛車CR-V君(RD-1)も、この本に載っています。

当然「乗れるクルマ」と書かれています。

うれしーーーい!!

また、こういった本を書いていただきたいものです。

昔、来店したお客様が、

「頭の弱い子は、乗り物とか、スピードとかにあこがれるものなんですよ」

と、おっしゃっていました。

ハイ、私がそうです。

(バスボートのスピードは例外です。)

ヨットも、ボートも、クルマも、バイクも大好きです。

(飛行機は自分で運転できないので、除外です。ダメです。)

そういった乗り物で、本物と、そうでないものを見分けないといけません。

「本物を見る目」です。

いかにメーカーが力を入れて作ってくれたか?

本気度を見極めないといけません。

最近で言うとBF60AK1のような本気すぎるやつ・・・・・

(私は残念ながら、新機種説明会&講習会に参加しなかったので、

 いまさらながら、ゆっくり「ジワ~ッ」と良さを感じています)

Product_photo_bf60

本気度の高いボートや船外機は、やはり気持ち「良い」です。

う~ん、わたしにはどれぐらい「見る目」があるのか?

まだまだです。

今後も「轟クルマ文化研究所」ブログを見て勉強をします。

ああ、とうとう雨が

「ザアザア」から

「ピュー、ピュー」に

なってきました。

帰りま~す。