Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

黒い画用紙

2008-06-03 19:08:43 | Weblog
 生まれ変わったら何になりたいか。このありきたりの質問に対して、私は黒い画用紙と答えることにしている。
 なぜ画用紙、しかも黒なのか。それは私が白いクレヨンとなら友達になれそうな気がするからである。

 私だって本当は赤や青のクレヨンと仲良くなりたい。けれど、花方の彼らとは友達になれない何かがある。彼らは勉強もできて、スポーツもできて、イケメンで、女からもモテて、クラスの人気者で、非の打ちどころはないのだけども、ただ一点、自分のように卑屈で傷付きやすい面がないゆえに絶望的に鈍感なところがあって、他人の痛みに気付かないところがあって、捻くれ者の私は妬み半分に陰口を叩いてしまう。こっちを向いてほしいと思えば思うだけ素直になれず、距離を置いてしまう自分がいる。
 一方で、12色くらいのクレヨンの中で断トツに冷遇される白なら、そんな私の気持ちを受け止めてくれるのではないかという気がする。自らも虐げられ、グループから外され、みんなから無視されているからこそに0.5刻みでの感性を持っていて、私の不器用さを理解してくれるのではないか、私の言葉の裏にある本音も全て分かってくれるのではないかという期待がある。

 しかし、根性の曲がった私は、やっぱり赤や青と仲良しになりたい気持ちを捨てきれない。そのために白を踏み台にしようとして、傷付きやすい白は敏感にそれを察知して、気が付けば誰からも相手にされなくなっている。それが自分という人間なのではないか。

 自らを傷付けないためなら他人を攻撃することをも厭わないという、すごく嫌なところが私にはある。しばしばそれを痛感する。


最新の画像もっと見る