車道の観客の先頭は、たいがいミニ椅子に腰かけています。でも道路は端に行くにしたがい下がってくるので、これでは後方の人が見えません。だから立ってしまうのです。
サンバカメコはもちろんですが、浅草の観客もヒトのことを考えません。
こういうのはうまい解決方法があるはずなんですが、実行委員会は何もしません。浅草サンバはまだまだ発展途上です。
S2リーグ4チーム目は、ウニドス・ド・ウルバナ。1981年設立。本拠地は名古屋市などで、毎年はるばるありがとうございます。19回目の出場。テーマは「守れ!汚すな!みんなの水の惑星」です。
早々に現れた水の妖精?のハイレグ度が素晴らしい。この角度こそ年に一度のお祭りというべきでしょう。
後続のタンガダンサーは振り付けがピタッと合い、S1リーグと見紛う見事さです。ただ、給水係さんがちょっと邪魔でした。
とても見応えがありましたが、このテーマをリベルダージあたりがやったら、どれだけ豪華になるでしょうか。やはりチームの規模は重要です。
なおウルバナといえば、ユカ・リバリオさんが有名ですが、今年は見えませんでした。
5チーム目はアカデミコス・ダ・グローリア。2017年秋に新規設立し、昨年に続いて、2回目の出場です。東京都品川区。テーマは「バージンロード!」。
結婚式の一日を愉快に描きます。当日、家では割烹着の女性やちゃぶ台が大騒ぎ。場所を教会に移して、ここでもさまざまな人がカップルを祝福します。
そのはしばしに登場するタンガダンサーが素晴らしい。晴れの一日にふさわしいキャラクターといえましょう。
最後はバージンロードを花嫁と花婿が行進し、感動的です。テーマが身近なので感情移入がしやすく、とても好感が持てました。
6チーム目はインペリオ・ド・サンバ。1999年設立、東京都。17回目の出場です。テーマは「リオデジャネイロ讃歌」。
テーマがなじみ深いので、ふだんのイベントでやっていることをそのままやればいい、ということになります。リオの愉快なメロディに乗って、演者が軽快に踊ります。
外国人タンガダンサーも多数。彼女らは本気で踊らないイメージを持っていますが、今回はしっかり踊っています。スタイルのいいダンサーやダイナマイトバディなダンサーが揃い、これこそサンバという気がします。
惜しむらくは、演者同士の間隔が広すぎて、一部ダンサーは駆け抜けていきました。もうちょっと配置に気を遣っていればいい行進になったのに、惜しい。この辺りがS1リーグとの違いでしょうか。
7チーム目はブロコ・アハスタォン。2001年設立、東京都港区。18回目の出場です。
アハスタォンは私の好きなチームで、とくにバテリアの緩さ加減がいいです。Tシャツもシャレたデザインで、好きです。今回のテーマは「充電はご自由に」。
チーム全体が同じ振り付けで踊って、統一感があります。巨大なコンセントやソケットなど、アレゴリアも面白い。
ただ、電池が切れて全員が止まってしまうのは、せっかくのいいリズムが分断されて、もったいない気がしました。やっぱりサンバは、最初から最後まで動きまくるのがいいと思います。また昨年のテーマが「リモコン」だったので、やや既視感があるのが残念でした。
車道の方では、最前列でバカ高い椅子に座っているバカがいます。
どうしようもないですね。
トリを飾るはICUラムズ。1984年設立、東京都三鷹市にある国際基督教大学から15回目の出場です。テーマは「エルドラド(黄金郷)への冒険」。
ICUラムズはS1リーグと同等の力量を持ったチーム。今回はテーマがやや分かりにくいですが、皆さん衣装が凝っていて、統率感も取れています。
そして目玉は「黄金8人娘」で、これは前週の三茶ラテンカーニバルでも披露されました。8人のプリプリのお尻がまさにエルドラドで、三茶後、サンバカメコの間では大変な話題になったものです。ところが肝心の私は三茶に行けず、地団駄を踏んだものでした。
そして今回やっと、鑑賞となりました。8人衆の中には、カメコ内での人気上位スリーに入るダンサーさんもいて、感激しました。
大学単体でこれだけの衣装と意匠を凝らすのは素晴らしい。造形に手抜きがないのです。ちょっとレベルが違う感じで、文句なしに優勝と思いました。
果たしてS2リーグの優勝は、ICUラムズでした。ほかのチームより頭ひとつ抜きん出ていました。
次はいよいよ、S1リーグです。
(つづきます)