第35回浅草サンバカーニバルを今年も見に行った。
パレードは午後1時から。2リットルの飲料を購入し、JRと地下鉄を乗り継ぎ、浅草駅に着いたのは、開始20分前だった。オレとしては、かなり早い方である。
相変わらず人出はすごいが、今年も天気がわるく、覚悟したほどの人混みではなかった。
オレはいつもゆるゆると出掛けるので、撮影場所の問題が生じる。地上に出てすぐの歩道に、エアポケットのように空きがあったのだが、オレは先を急ぐ。オレの撮影スペースは、雷門の先、と決まっているのだ。
車道はもちろん埋まっていたが、最前列に折りたたみ椅子を使っている客の群れがあったので、その手前の歩道で撮影することにした。これなら車道の最前で立たれる心配はない。まったく、車道の最前で立つヤツはバカかと思う。
歩道では前から2列目を確保した。オレの前はマンガ家・針すなお似のオッサンだが見たところ手ぶらだし、やがていなくなるだろうと思った。
パレード開始までまだ時間がある。オレの左に、外国人の男性と日本女性のカップルがきた。
オレの左前にはやや隙間があるのだが、男性はそこにねじりこみ歩道の最前を取りたいふうだ。
割り込み、はほとんど外国人がやる。小さいスペースに片足を入れ、そこからグイグイ体をねじこんでゆく。それで何かの拍子に体を入れ替えてしまう。要注意だ。
時刻は1時になったばかりだが、もうレトロバスがやってきた。パレードが開始されたようだ。
オープニングパレードは台東区のお偉方。お馴染み・なぎら健壱の姿もある。その後に今度はオープントップバスが通った。さすがは台東区、観光アピールも忘れない。
サンバ隊が現れた。まあこのあたりはオレも軽く撮影する。今から鼻息を荒くしていたら、最後までもたない。
「脚立は使わないでください!」
オレの右後ろで撮影していたオッサンが、警備員に注意された。「昨年脚立が倒れて、大騒ぎになったんです。脚立の使用は禁止するよう、区からきつく言われています!」
オッサンはしぶしぶ脚立から降りたが、彼が約束を守るわけがない。サンバカメコは傍若無人が信条である。
「そこは通路です! 立ち止まらないでください! 左に寄って見てください!」
また警備員が叫ぶ。いろいろ注文が多いものだ。
またサンバダンサーが通った。後ろのオッサンは、もちろん脚立を使っていた。
さて今回の注目は、昨年大旋風を巻き起こしたロボットレストランの再登場だ。昨年はオレたちカメコのド肝を抜いて、陰の優勝といわれていた。今年はどんな過激な演出を見せてくれるだろう。
地元小学生の鼓笛隊などが通って、1時45分ごろ、彼方でけたたましい音がした。ロボットレストランだ。
この撮影手段が難しい。本当はデジカメで撮りたいのだが、ロボレスのあのテーマ音楽はビデオで録音したいし、何よりあの隊列を一部始終記録したい。それで、ビデオ撮影にした。
「ロボットレストラン」の看板に続いて、何だか訳の分からない巨大アレゴリアが現れた。
ダンサーはビキニをベースに馬のかぶりものをしており、その数がホントに物凄い。それらが数秒でオレたちの前から消えていく。まるで打ち上げ花火のようだ。
ペガサスの上にもダンサーが乗っている。今年は「馬」がテーマらしい。
しばらくして、タンガダンサーが登場した。やはり彼女らが出るとホッとする。そしてこの数もまたスゴイ。これはサンバカーニバルなのヨ、と教えられているようである。
サンバを踊っているふうではないが、かわいい娘ばかりだ。
アレゴリア2階のベランダみたいのが、ダンサーごと、ぐいーんと前に突きだされる。ずいぶんカネがかかっている。
その次のアレゴリアには、巨乳のダンサーが乗っていた。しかしすぐに過ぎ去ってしまう。このあたり、もう少しスピードを緩めてもらえないだろうか。
その後ろのアレゴリアには、フンドシ姿っぽい女性が、カラフルな馬に跨っていた。これまた妖艶なのだが、やっぱり確認している間に過ぎ去ってしまう。可能なら追い駆けたいが、アレゴリアは続々と登場して、オレを次の撮影へといざなう。
次のアレゴリアにも、フンドシダンサーが乗っている。だが、転落防止のためにウエスト部分がベルトで繋がっていて、セクシーさが半減した。
ダンサーはストッキングを穿いているのか否か、確認できない。ただ、フロント部分が妙に細い娘がいて、これなどはあえて穿いてないんじゃないかと思わせる。
お次は足軽ダンサーズ?の登場だ。さらに「東京おどり太鼓」なる和太鼓アイドルユニットまで登場して、もう何が何だか、訳が分からなくなってきた。
締めは足軽ダンサーズの乗ったアレゴリアが去り、幕となった。
ふ~っ…。いったい何基のアレゴリアが出たのだろう。今年も絢爛豪華、昨年に違わず素晴らしい出来で、眼福の一語だった。
――が、昨年に比べて、ダンサーの肌の露出が少なかったかな。これは、オレの目が慣れてしまったのだろうか。昨年ほどの衝撃はなかった。
ともあれロボレスが圧倒的迫力だったのは間違いない。ここにロボレスのV2が決まったのである。
来年もロボレスが出てくれるのなら、オレはスタートからゴールまで、追っ掛けをやるかもしれない。
もうだいぶ出し物を堪能したが、ここからS2リーグの登場、すなわちコンテストのスタートである。
1チーム目はウルバナ。1981年結成で、名古屋の有名チームだ。今年もユカ様は出場するだろうか。
…とその時、雨が降り出した。とうとう来たか、と天を仰ぐが、ロボレスの演舞が終ったのが不幸中の幸いだ。
オレの2つ前、車道のガードレールにもたれていた女性2人組が、折り畳み傘をさした。
それに呼応するように、オレの前のオッサンが、傘を開いた。その傘がでかい!!
一瞬にして、オレの視界がその傘のみになってしまった!
カーーッ!! 意外なところに伏兵がいたものだ。まさかこんな展開になるとは思わなんだ。
向こうにはすでにウルバナが来てるのに、これじゃあ撮影どころではない。しかしオレの左右には人がいるから、ズレるわけにもいかない。といって、オッサンに文句を言えば角が立つ。
ここはまずまずの撮影スペースだったのに、もはや撤退するしかなくなった。
くそっ!! 年に一度のお楽しみなのに、何てこった!!
浅草サンバ、人生と同じで、何が起こるか分からないことを痛感した。
パレードは午後1時から。2リットルの飲料を購入し、JRと地下鉄を乗り継ぎ、浅草駅に着いたのは、開始20分前だった。オレとしては、かなり早い方である。
相変わらず人出はすごいが、今年も天気がわるく、覚悟したほどの人混みではなかった。
オレはいつもゆるゆると出掛けるので、撮影場所の問題が生じる。地上に出てすぐの歩道に、エアポケットのように空きがあったのだが、オレは先を急ぐ。オレの撮影スペースは、雷門の先、と決まっているのだ。
車道はもちろん埋まっていたが、最前列に折りたたみ椅子を使っている客の群れがあったので、その手前の歩道で撮影することにした。これなら車道の最前で立たれる心配はない。まったく、車道の最前で立つヤツはバカかと思う。
歩道では前から2列目を確保した。オレの前はマンガ家・針すなお似のオッサンだが見たところ手ぶらだし、やがていなくなるだろうと思った。
パレード開始までまだ時間がある。オレの左に、外国人の男性と日本女性のカップルがきた。
オレの左前にはやや隙間があるのだが、男性はそこにねじりこみ歩道の最前を取りたいふうだ。
割り込み、はほとんど外国人がやる。小さいスペースに片足を入れ、そこからグイグイ体をねじこんでゆく。それで何かの拍子に体を入れ替えてしまう。要注意だ。
時刻は1時になったばかりだが、もうレトロバスがやってきた。パレードが開始されたようだ。
オープニングパレードは台東区のお偉方。お馴染み・なぎら健壱の姿もある。その後に今度はオープントップバスが通った。さすがは台東区、観光アピールも忘れない。
サンバ隊が現れた。まあこのあたりはオレも軽く撮影する。今から鼻息を荒くしていたら、最後までもたない。
「脚立は使わないでください!」
オレの右後ろで撮影していたオッサンが、警備員に注意された。「昨年脚立が倒れて、大騒ぎになったんです。脚立の使用は禁止するよう、区からきつく言われています!」
オッサンはしぶしぶ脚立から降りたが、彼が約束を守るわけがない。サンバカメコは傍若無人が信条である。
「そこは通路です! 立ち止まらないでください! 左に寄って見てください!」
また警備員が叫ぶ。いろいろ注文が多いものだ。
またサンバダンサーが通った。後ろのオッサンは、もちろん脚立を使っていた。
さて今回の注目は、昨年大旋風を巻き起こしたロボットレストランの再登場だ。昨年はオレたちカメコのド肝を抜いて、陰の優勝といわれていた。今年はどんな過激な演出を見せてくれるだろう。
地元小学生の鼓笛隊などが通って、1時45分ごろ、彼方でけたたましい音がした。ロボットレストランだ。
この撮影手段が難しい。本当はデジカメで撮りたいのだが、ロボレスのあのテーマ音楽はビデオで録音したいし、何よりあの隊列を一部始終記録したい。それで、ビデオ撮影にした。
「ロボットレストラン」の看板に続いて、何だか訳の分からない巨大アレゴリアが現れた。
ダンサーはビキニをベースに馬のかぶりものをしており、その数がホントに物凄い。それらが数秒でオレたちの前から消えていく。まるで打ち上げ花火のようだ。
ペガサスの上にもダンサーが乗っている。今年は「馬」がテーマらしい。
しばらくして、タンガダンサーが登場した。やはり彼女らが出るとホッとする。そしてこの数もまたスゴイ。これはサンバカーニバルなのヨ、と教えられているようである。
サンバを踊っているふうではないが、かわいい娘ばかりだ。
アレゴリア2階のベランダみたいのが、ダンサーごと、ぐいーんと前に突きだされる。ずいぶんカネがかかっている。
その次のアレゴリアには、巨乳のダンサーが乗っていた。しかしすぐに過ぎ去ってしまう。このあたり、もう少しスピードを緩めてもらえないだろうか。
その後ろのアレゴリアには、フンドシ姿っぽい女性が、カラフルな馬に跨っていた。これまた妖艶なのだが、やっぱり確認している間に過ぎ去ってしまう。可能なら追い駆けたいが、アレゴリアは続々と登場して、オレを次の撮影へといざなう。
次のアレゴリアにも、フンドシダンサーが乗っている。だが、転落防止のためにウエスト部分がベルトで繋がっていて、セクシーさが半減した。
ダンサーはストッキングを穿いているのか否か、確認できない。ただ、フロント部分が妙に細い娘がいて、これなどはあえて穿いてないんじゃないかと思わせる。
お次は足軽ダンサーズ?の登場だ。さらに「東京おどり太鼓」なる和太鼓アイドルユニットまで登場して、もう何が何だか、訳が分からなくなってきた。
締めは足軽ダンサーズの乗ったアレゴリアが去り、幕となった。
ふ~っ…。いったい何基のアレゴリアが出たのだろう。今年も絢爛豪華、昨年に違わず素晴らしい出来で、眼福の一語だった。
――が、昨年に比べて、ダンサーの肌の露出が少なかったかな。これは、オレの目が慣れてしまったのだろうか。昨年ほどの衝撃はなかった。
ともあれロボレスが圧倒的迫力だったのは間違いない。ここにロボレスのV2が決まったのである。
来年もロボレスが出てくれるのなら、オレはスタートからゴールまで、追っ掛けをやるかもしれない。
もうだいぶ出し物を堪能したが、ここからS2リーグの登場、すなわちコンテストのスタートである。
1チーム目はウルバナ。1981年結成で、名古屋の有名チームだ。今年もユカ様は出場するだろうか。
…とその時、雨が降り出した。とうとう来たか、と天を仰ぐが、ロボレスの演舞が終ったのが不幸中の幸いだ。
オレの2つ前、車道のガードレールにもたれていた女性2人組が、折り畳み傘をさした。
それに呼応するように、オレの前のオッサンが、傘を開いた。その傘がでかい!!
一瞬にして、オレの視界がその傘のみになってしまった!
カーーッ!! 意外なところに伏兵がいたものだ。まさかこんな展開になるとは思わなんだ。
向こうにはすでにウルバナが来てるのに、これじゃあ撮影どころではない。しかしオレの左右には人がいるから、ズレるわけにもいかない。といって、オッサンに文句を言えば角が立つ。
ここはまずまずの撮影スペースだったのに、もはや撤退するしかなくなった。
くそっ!! 年に一度のお楽しみなのに、何てこった!!
浅草サンバ、人生と同じで、何が起こるか分からないことを痛感した。