雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

冷涼な花姿 ・ 心の花園 ( 47 )

2013-08-27 08:00:27 | 心の花園
         心の花園 ( 47 )
               冷涼な花姿 


残暑厳しいこの季節、園芸店を覗いてみても花の種類も減り気味です。それに、第一、庭いじりなどする気にもなりません。
しかし、こんな時こそ、涼しげで可憐な花など眺めて、一息つきたいものです。

心の花園なら、いつでもお望みの花に出合うことが出来ます。
「スカビオサ」が薄青紫色の涼しげな姿を見せています。
この名前は、英名をそのまま使ったものですが、園芸種では主にこの名前が使われています。原産地は、ヨーロッパ、アジア、アフリカなど広く分布していて、その種類は八十種にも及び、地域により少しずつ違う雰囲気をもっています。いずれも、高地など冷涼な気候を好むようです。

和名は「セイヨウマツムシソウ」ですが、「セイヨウ」とついているのは、わが国にもわが国を原産地とする「マツムシソウ」があるからです。
名前の由来は、花が落ちた後のネギ坊主のような姿が、僧侶が巡礼の時に持つ松虫鉦(マツムシガネ)に似ていることから名付けられたものです。
「「スカビオサ」には、「不幸な愛情」「私はすべてを失った」などいくつもの花言葉がありますが、いずれも寂しげで不幸を暗示させるようなものばかりです。花の姿から連想したという外国の花言葉がそのまま用いられたものですが、私たちが園芸種の花姿を見る限り、もう少し違う、涼しげな花言葉が欲しい気がします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする