緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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断捨離寸前にデビュー

2020年11月26日 | 茶道
昔、むかーし、亡くなった母が人から貰ったらしい茶碗が一つ、食器置き場に置いてありました。
大きさも微妙に大きいし、一つだけだし、何に使うもんやら分かりませんでした。
たまに紅白なますのような酢の物を作って入れたでしょうか。

でももう何年も使わないし、邪魔になるし、捨てようと思って出してみました。
それではたと気がついたのです。
これは抹茶碗だと。
抹茶を点てるお椀じゃないかと。


模様の入り方など、どう見ても抹茶碗です。
茶道を習い始めて3年、私もようやく抹茶碗が抹茶碗だと分かるようになったのか(笑)。
20年近く、正体が分からなかったとは、いやはや、情けない話です。

この話を先生宅のお茶のお稽古の時に話したところ、先輩が「それ、公民館のお稽古の時に持ってきて」というので、その次の公民館のお稽古時に持っていきました。
(私は隔週で公民館と先生宅の稽古に月計4回通っています。)

かくして、断捨離寸前のお茶碗が多くの人前に晴れてデビューしたのです。
「安物の茶碗ですけど」と謙遜して言うと、いつも辛辣な物言いの先輩の一人は「そうやね、上から見たら真円やわ。大量生産品やね」と。
『言うか、それを!!』
でも一つ勉強、口造り(口をつける部分)が真円だと機械で作った大量生産品だと考えてよい。

離れた場所で聞いていると、この茶碗について皆が色々と言ってました。
「こんな茶碗あった?」という問いには誰かが「みどりさんの家の蔵出しの茶碗です」と答えています。
私の家、蔵なんてあったっけ。

先生も遠くから目ざとく見つけて「あの茶碗は初めて見る」と。
そしてじっくり見ると「あんまり使っていない茶碗やな。こなれていない。今の時期には丁度いいわ」とか。
こんな茶碗でも使いこむとこなれるのかしら。

無事にデビューもすみ、今では家の食器棚に飾ってたまにお茶を点ててます。