私が中学校１年生だった時のこと…。
確か、創立記念日だったと思います。
創立記念日は お休みなので、お友達１０人と待ち合わせして、映画を観に行くことにしました。
その映画は、『 青春グラフィティ スニーカーぶる～す 』 …。
たのきんトリオ映画・第１弾、近藤真彦さん主演の映画でした。
当時は、たのきんトリオ全盛期で、クラスでもマッチ・トシちゃん・ヨッちゃん…それぞれファンに分かれてキャーキャー盛り上がっていました。
※ 知らないお子たちは、お父さんお母さんに訊いてみましょう。
せっかくのお休みを有意義に過ごすために、朝一番の回を観て、その後 遊園地へ行く予定です。
さすが中学１年生…何事にも全力投球です。
（ たのきんトリオだけに？ ※ 知らないお子たちは…以下略。）
私立の学校でしたので、お友達のお家はバラバラな地域にあります。
中央線沿線・西武線沿線・小田急線沿線・京王線沿線…。
皆が集まりやすい場所ということで、待ち合わせ場所は新宿駅にしました。
朝一番の上映でも行列が予想されましたので、かなり早い時間に待ち合わせました。
そして１１人が揃ったところで、早朝の新宿の地下街を映画館へ向って歩いていました。
「 女三人寄れば姦しい。」 と言われるのに、１１人の女子…しかも つい数ヶ月前までは小学生だった子供たちですから、ワ～ワ～キャ～キャ～、さぞかし賑やかな一行だったと思います。
そんな私たちに、３人組の大人が近付いて声を掛けてきました。
男性一人、女性二人…キチンとスーツを着て、何だか厳しい物腰です。
「 君たち、何年生かな？」 「 歳はいくつ？」
ちょっと咎める様な口調が気になります。
グループで一番のしっかり者のＯちゃんが答えます。
「 中一ですけど？」
けど、に力を込めています。
（ それが何か？）の意味を込めていますね。
「 今日は、学校は どうしたのかな？」
……これって…補導員です。
集団で学校をサボっているとでも思っているのでしょうか？
「 創立記念日です。」「 お休みなんです。」
私たちは口々に説明しました。
「 創立記念日はお休みなの？」
疑っています…心外です。
Ｔちゃんが生徒手帳を出しました。
生徒手帳には、学校の行事が書かれてあります。
「 ほら、見て下さい！」
ドラマの刑事さんが警察手帳を見せる様な感じで、どことなく誇らしげです。
若干 顎も上がっています。
「 ふ～ん。皆、同じ学校なのかな？」
私たちは 全員で生徒手帳を取り出し、突きつけました。
「「「「「「「「「「「 ほらッ！」」」」」」」」」」」
やっぱり 顎が上がっています。
あまりの勢いに、補導員も吃驚です。
「 ほ…本当だねぇ。」
「 わ…分りました…。」
「 気を付けて遊びなさいね…。」
補導員達は去ってゆきました。
お仕事とはいえ、あんな風に決め付けて 高飛車な態度で接しなくてもいいのに…。
私たちが気分を害したか…というと、やっぱり子供なので嫌なことは すぐに忘れて、楽しい一日に想いを馳せて、再びワ～ワ～キャ～キャ～と映画館へ向けて歩き出したのでした。
逆に（？）楽しい想い出のひとつになりました。
