(上・下)
著:ヨン・アンヴィデ・
リンドクヴィスト
この夏公開されているスウェーデン映画 『 ぼくのエリ 200歳の少女 』 の原作です。
公開前に、『 王様のブランチ 』 の映画コーナーで リリコさんが紹介されていて、ちょっと興味が湧いたので購入しました。
さて、『 モールス 』 のあらすじは…?
( ※ ちょっぴりネタバレ 注意!)
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ストックホルム郊外に住む12歳の少年オスカー。
内気で友達の居ない いじらめっ子…。
ある日、オスカーはエリという少女と出会う。
エリは 学校にも通わず、昼間は出歩かない。
謎の多いエリに オスカーは惹かれてゆく。
そんな中、町では失踪・殺人事件が多発する。
そしてオスカーは知る。
事件には エリが深く関わっていることを…
エリが ヴァンパイアであるということを…。
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愁いを帯びた冬の北欧、閉鎖的な小さな町、12歳の孤独な少年の初恋、孤高の不死なる者…。
哀しく、そして美しい、ラブストーリーです。
私は 何故か、吸血鬼作品に心惹かれます。
私自身が派手な八重歯の持ち主であるせいなのでしょうか…。
たとえ悪役であったとしても、吸血鬼側を贔屓してしまいます。
ハッピーエンドなら とても嬉しくなります。
『 モールス 』 の結末は……内緒。
邦題の 『 モールス 』 は、物語に出てくるモールス信号のことです。
けれども、原題は 『 正しき者を入れたもう 』 という意味の言葉が付けられています。
( 英題は、『 Let the Right One In 』 こちらも同じ意味。)
これは、吸血鬼に纏わる逸話、“ 吸血鬼は招かれなければ 入れない ” によるものです。
原作を読むと、この題名の相応しさが解ります。
「 入ってもいい?」 「 いいよ。」
この短い言葉に、物語の主題が籠められています。
そして、クライマックスでも……やっぱり内緒。
吸血鬼好きの皆様、是非ご一読を…。
原作者自らが脚本を執筆したという 映画 『 ぼくのエリ 』 …。
予告編を観るだけでも 切なさと愛おしさでいっぱいになりますから、ぜひ本編も観てみたいです。
この原作、そして映画は絶賛されていて、ハリウッドでリメイクが決定しています。
監督は、あの 『 クローバーフィールド HAKAISYA 』 のマット・リーブス監督。
詩情溢れるこの原作を、どんな風にハリウッド的(?)に仕上げるのでしょうか…?
こちらも興味があります。