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みけこの詰め合わせ

不自由さとテルミンについて(8)

2005-02-25 | テルミン

これからもテルミンを弾き続けていく

最近、音楽療法という言葉が聞かれるようになりました。 おおざっぱに言えば音を楽しめば楽しくて体にいいということのようですが・・・テルミンの場合はどうなのかわかりません。 この楽器は音程をとるのが難しく、下手な演奏を聴くのも身体に良いとは思えません。(^^;

わたし自身は、集中して演奏している時には命そのものが少しすり減るような感じがします、我慢して聴いている人にとってもそうでしょう。(笑) わたしは芸術はみなそういう側面を持っていると思っています。 どこまで追求するかによっても磨り減り方?は違うでしょうけれど、多かれ少なかれ苦しみもあるものです。 あるいは簡単な遊びであると割り切って、戯れに弾く程度にしておいたほうが無難なのかもしれません。

テルミンは自由度の高い楽器です、どんな奏法でもかまわないんです、自己流で勇ましく活動されている人もたくさんいます。 ただ、不自由さのために自己流を選ぶしかなかった場合は、自ら好きで進んで選んだ奏法ではないのに、本当は正統派の奏法で弾きたいのに、と思うジレンマが常について回ります。 それが、わたしのような奏法でも弾けますからどんどんトライしてください!と言えない理由です。 でも、もし正統派の演奏ができる状態だったらピアノに戻れますから、テルミンを弾いてはいないでしょう。 まあ、結局はそういう縁だったということです。

わたしは不自由だからこんな演奏しかできませんという言い訳はしないように、不自由さを前提にしたくはないと思っています。 それを前提としてしまったらそれはもう音楽ではなく、単なる見世物になってしまうのではないかと思います。

もし自宅で独習することになった場合、他の人の演奏を見たり聴いたりする機会がなく、ひとりぼっちの寂しさを味わうことになると思います。 そういう点でもテルミンを愛する人たちの友の会であるFriends of the Thereminには入会しておくのはとてもいいと思います。 演奏する人だけでなく、鑑賞する人にも楽しい会です。

もし、あなたがこれからテルミンを始めるとしたら、そしてずっと弾き続けていくとしたら、わたしもあなたにお会いする機会もあるかもしれませんね。 いつかどこかでテルミニストとしてお会いしましょう。(^^)/~~~

8回にわたって書いてきました「不自由さとテルミン」はこれでおしまいです、お読みいただいてありがとうございました。m(__)m


不自由さとテルミンについて(7)

2005-02-23 | テルミン

練習を続ける

あとは弾きたい曲を弾きたいように練習するなり、教則本に従って地道に練習するなり、受講している講座のカリキュラムに従って練習を積み重ねるだけです。 がっかりさせてしまうかも知れませんが、他の楽器を練習するのとなんら変わりありません

選曲について、テルミンにはクラシックが向いているのですか?というご質問も多いのすでが、そう決まっているわけではなく何を弾いてもOKです。 弾いてみればわかりますが、音程の跳躍の幅が広い曲、速い曲は難しいので、なるべくゆったりとした音程の移り変わりが狭い曲から始めてみるといいでしょう。

練習に熱中するあまり長時間弾きっぱなしでいるのは良くありません。 これは健康な方でも同じで、20~30分弾いたら休憩して身体をほぐしたほうがいいそうです。 これは20分弾き続けなさいという意味ではありません、短時間でもつらいと思ったらすぐに中断してください、決して無茶をしてはいけません。

奏法の中でビブラートがありますが、テルミンでは自分でビブラートをかけなければなりませんので、手を揺らすことになります。 手首などの関節が安定していない人はビブラートをかけるのは危険かもしれませんので注意しながら試してください。 手持ちの固定装具をつけて弾くことができるなら、そうしたほうが良いでしょう。

※わたしがてるみんるーむに載せている曲がクラシックや古い曲ばかりなのは、作者が亡くなって50年以内(戦時加算もあります)の作品には著作権の問題があるからです。 要するにわたしがめんどくさがりなだけ。(^^;ゞ
JASRACが管理している曲は所定の手続きをすれば有料で使用できますが、ちょっぴり面倒です。(シロウトが練習の様子を無料で公開する程度の使用についてはもう少し便宜をはかってもらえるとありがたいと思うのですが。) なお、JASRACに管理が委託されていなくても、プロ・アマ問わず全ての作品や演奏には著作権が存在しますので、勝手に拝借してはいけません
【後日加筆】MUSIC TRACKMy SoundYou Tubeでは、著作権の処理を代行してくれるので、PD(権利消滅)でない曲も公開できます。



不自由さとテルミンについて(6)

2005-02-21 | テルミン

三毛子の場合

最初は楽器購入前に1回、あと2回ほど、20分ずつ程度Friends of the Thereminの練習会で演奏の指導をしてもらいました。 その後は全く習っていません。 正統派の奏法の講座に通ってみたかったのですが、物理的にできないことが多すぎて迷惑をかけるだけどた思ったことが大きいです。 もっと自分に合う講座を探せばよかったのかもしれませんが、よほど近所でないと通う体力がありません、1回講座へ行くために3日ほど無駄になってしまうのでは、結局は練習する時間がなくなってしまいますから。(笑)

結局はわたしの奏法は誰の奏法でもありませんし、お手本もありません。

いちばんの問題は手です、両手の手首が固まっていて動きません。 特に右手の指を使う動きがほとんどできませんので、音程は肘の動きによってとっています。 正統派の人が指ですることを肘でしているわけです。 楽な方向に動かす結果、ピッチ軌道はかなり横方向になっています。

それと、椅子に座って演奏しています。 全く立って弾けないというわけではありませんが、立つことに意識が行ってしまったり痛みが気になったりすると演奏に集中できないことや、長時間練習する時には座っているので本番でもいつもどおりにそうしたいということからです。 ただし座って弾くようになると、弾けない形のテルミンがありますので、どちらでもいいのでしたら立って弾くことをおすすめします
楽器がEtherwaveであったとしても、自分の機材を持って行けない場合にはけっこう気を使います。 他の人は椅子を使いませんからわざわざ準備してもらわなければなりません。 椅子の高さが自分に合わないと困りますし、不安定な椅子では安定した姿勢で弾けません。 楽器を載せるマイクスタンドも他の人とは高さが違うので下げてもらわなければならず、必要な位置まで下がりきらない場合もしばしば。 自分が必要なスタンドや椅子やその他の条件は普段からメモしておき、きちんと弾きたい大切なイベントなどではその場であわてないように前もって伝えておくようにしましょう。

わたしは演奏によって関節の状態が悪化したということはないと思いますが、体力がないので演奏するとけっこう疲れます。 たぶん健康な人でも始めたばかりのころには見舞われるであろう筋肉痛はそれなりに経験しました。


不自由さとテルミンについて(5)

2005-02-19 | テルミン

練習を始める

見学に行った講座などでやっていけそうなら、そのまま入学してしまうのがいいでしょう。 正統派の奏法の先生でなくても、よく合う奏法の先生の講座が見つかればそこを選べばいいと思います。

結局は自分に合う奏法がなく、独習することになってしまうかもしれませんが、そんな場合でも竹内正実さんの教則本であるテルミンを弾くは買っておくといいと思います。 楽器の購入やセッティングについてもていねいに説明されていますし、伴奏や模範演奏の入ったCDもついています。 今のわたしにはほとんど飾っておくだけの宝物となっていますけれど。(^^;ゞ

最初に購入する楽器はEtherwave(イーサウェーヴ:写真)がいいと思います。 アメリカのMoog Music(旧BigBriar)社のポピュラーな入門機で、日本の楽器店でも購入できます。(6万円前後です) 入門機とは言いますが、ライブや発表会でも多くのみなさんが弾いています。 本体部分(黒い箱の部分)の大きさは幅45cm奥行14cm高さ6.5cm(足を含まず)くらい、重さ約1.8kgです。 新しく発売された上位機種にEtherwave Proがありますが、だいぶん高価ですし、重くて大きいので初めての方にはあまりおすすめできません。

他に必要なものに、アンプ、ケーブル、マイクスタンド(ストレートタイプ)があります。 詳しくは講座で教えてもらったり、竹内正美さんによる教則本であるテルミンを弾くを参照にしてください。

それと、楽器を設置する場所ですが、半径約1.5mの円の範囲に動くもの(自分以外の人も含めて)や磁場を生じるような電化製品がない場所を選びます。 Etherwaveは比較的軽くて動かしやすいので、家の中でそういう場所を探してみるといいでしょう。 ありがたくも鑑賞してくれる人がいる場合も円の外で、です。(^-^;

なおTOYテルミンは、TOYテルミンでないテルミンを練習するのには向きません。 あくまでもTOYテルミンの練習にしかならないのです。


不自由さとテルミンについて(4)

2005-02-17 | テルミン

演奏できるのか

さて、いよいよ「弾けますか?」という問題に関してです。

それを確かめるには、やはり実際に楽器に触れることです、テルミンは触れないで演奏するんだよ、と冗談を言ってる場合ではありません。(笑)

どういう奏法でということにもよるのですが、とりあえずは正統派の奏法からは試してみることをおすすめします。 いちおう一番効率の良い方法で身体に負担の少ない方法だからです。 正統派の奏法が無理な場合には自分なりの奏法で弾くことになりますが、ではどのくらい違った奏法になってしまうのかは始める前にはわかりにくいと思います。

そこでまずは、やはり正統派の演奏法ができる人に一度でも指導してもらいましょう。 それで、自分のできる範囲を確認しましょう。 この範囲については、たぶん指導されている先生にはおわかりいただけません、自分の身体とよく相談してください。

しばらくは色々と試してみて、なるべく自分の弾きやすい奏法へと固めていくといいでしょう。 注意したいのは、特に右手については日によって違う奏法にしたり、右手の動作に規則性がない奏法で弾くのは避けたほうがいいということです。 そうでないとせっかく練習を重ねても動作と音程の関連づけができず、いつまでたっても手探りで弾いてしまうのであまり良くないと思います。 ですから体調によって関節の機能が不安定なのであれば、最初から割り切ってその関節を使わない奏法を選ぶという考え方もあります。 指を使うならいつも使う、げんこつならげんこつで、空手チョップ型なら空手チョップ型で貫く。(笑)

ただし、いったん奏法を決めても、将来の身体の状況の変化によっては、せっかく選んだ奏法を変えなければならないことも覚悟しておかなければなりません。 わたし自身も最初の頃はもう少し指が使えたのですが、腱が切れたり亜脱臼が進んだりしてしまったので、今は使っていません。

もし、どんなに工夫してみても、演奏する動作がとても痛かったり、たいへんな苦痛であったり、身体を安定して保てないため音程をとることが不可能であったり、障害や病気が進行するようなことが起こるのであれば、残念ながらあきらめることになるでしょう。 これは身体的なことのみならず、心理的に不安を感じたり、苦痛である場合も同じくです。

※人工関節について・・・人工関節を入れている方から、部品の金属に反応してしまい、うまく演奏できないのでは?との質問を受けたことがあります。 わたしは人工関節を入れていませんし、実際にトライしていただいたことがないでなはっきりしたことはわからないのですが、たぶん支障もなく演奏できるのではないかと思います。 無論、人工関節を傷めるような無理な動作は避けてください。

※ペースメーカーについて・・・テルミンはわずかながらも電磁波が発生しています。 携帯電話とは比較にならないほど微弱だそうですが、念のためにペースメーカーをお使いの方は演奏されないほうが安全でしょう。 離れた位置で演奏を鑑賞するのは差し支えないと思います。


不自由さとテルミンについて(3)

2005-02-15 | テルミン

演奏方法について

テルミンはどんなやり方でも音は出るのですが、やはり奏法というものが存在します。 たとえばピアノは猫が歩いたって鳴りますよね、でも猫はショパンを弾いたりはできません。(笑) まあ、そういうような話です。

標準的なテルミンでは楽器の前に接触しないで立ち、右手をピッチアンテナと胸の間で、左手はボリュームアンテナの上にかざすようにそれぞれ動かして演奏します。 体幹部はなるべく動かさないように一定の姿勢を保ちます、右手だけでなく体の位置でも音程が変わってしまうので。

自分ができるかどうかは置いておいて、まずは、いわゆる正統派の演奏を「見る」といいと思います。 音楽ですからどうしても聴くほうが中心になりますが、それだけでなく目で見てください。

正統派を代表するのは映画のでのクララ・ロックモアさん、リディア・カヴィナさん、そして日本のプロ奏者の竹内正実さん、などのような奏法です。(厳密にはそれぞれ違いがあります) 特に右手の動きに注目してください、音程をとるのにたいへん細かく指や手首を使っています。

正統派とそうでない奏法の違いは、音楽的な良し悪しの問題ではありません。 正統派の奏法はテルミン博士による開発に協力したクララ・ロックモアさんから受け継がれてきた奏法で、竹内正実さんによれば無駄なく無理なく演奏できる奏法だということです。 ただし、健康な人にとってですが。

たとえば、プロの日本の奏者で有名なやの雪さんの演奏も素晴らしいですが、奏法はまた違っています。 まるで踊るような幻想的な奏法なのです。

色々な奏者の演奏をメディアで見るのも良いですが、せっかくなのでぜひライブでもどうぞ。 全国でコンサートを開かれていますので、お近くで開かれる際にはぜひお出かけください。 また、テルミンを習える教室もありますので、見学できるかどうか問い合わせて行ってみるのもいいと思います。 下記のリンクなどをご参照ください。

●竹内正実さんのテルミン・竹内・猫暮らしの中の今後の活動予定をご覧ください。
●やの雪さんの個人サイトにLive nformationがあります。
Friends of the Thereminイベント情報


不自由さとテルミンについて(2)

2005-02-13 | テルミン

テルミンってどんな楽器

テルミンはロシアの物理学者レフ・セルゲイヴィッチ・テルミン博士が1920年に発明した世界最古の電子楽器です。 日本では2001年に映画『テルミン』が公開されて静かなブームになりました。 くわしい歴史などについてはインターネットで調べていただいたり、竹内正実さんのテルミン―エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男などの書籍を読んでいただけばわかりますので、割愛します。

まあ、シンセサイザーのご先祖様といったところでしょうか。 1つの楽器では単音しか出せません、初期の頃のシンセサイザーもそうでしたが。 電子楽器というと固い音や刺激的な音を想像されるかと思いますが、テルミンでは優しい音色で柔らかなメロディーを奏でることができます。 カッチリした演奏をすることのほうがよほど難しいのです。

テルミンは触れないで演奏する楽器ですが、電気的には人間の身体も楽器の一部として働いています。 そのことから、体格や体温などによって音色に個性が出るとも言われています。 一部になるといっても恐ろしいことは何もありません、感電したりもしません。(笑)

したがって楽器に触れることによって発生する痛みはありません。 でも、関節も筋肉も使いますから、全く負担がないとは言えません。

標準的なテルミンは箱型の本体に、ピッチアンテナ(右に縦向き)とボリュームアンテナ(左に横向きのループ型)の2本のアンテナがついています。 電子楽器ですから、電源スイッチや音色を調整するつまみなど機種によって色々とついていますが、さほど多くはありません。 この写真はわたしのEtherwave(イーサウェーヴ)、ポピュラーな入門機です。

なお、テルミンにはTOYテルミンと呼ばれる手軽な種類のものもあり、ピッチアンテナ1本のみ、あるいは見かけ上アンテナがないものが多いです。 竹内正実さんのMandarin Electronマトリョミン石橋楽器店イシバシ・テルミンなどがそうです。


不自由さとテルミンについて(1)

2005-02-11 | テルミン

ときどき「体が不自由でもテルミンが弾けますか?」というご質問を受けることがあります。

いままで演奏についての言い訳につながることにはあまり触れないでおきたいと思っていたのですが、けっこうたずねられる話題なので、その辺についてちょっとまとめてみようかと思います。

質問を受ける理由は、もちろんわたしが弾いているのを見聞きされたからだと思いますが、触れないで音が出せるとからというのも理由ですよね。

わたしは関節リウマチによって、関節を中心に不自由な個所があります。 それと痛みもあります。 それでも弾いているのだから、簡単に弾ける楽器かも?と思われるかもしれませんが、結論から言うとやってみなければわからないというのが正直なところです。

もし同じ病気であったとしても、個々に状態は違います。 薬や治療法の選択が難しいのと同じだと考えてくださればわかりやすいかと思います。

弾けるかどうか?というのは、弾けるという言葉をどのように考えるかによって違ってきます。 単に音が鳴ればそれでOKなのか、あるいは曲が弾きたいのか、どういった曲をどの程度の正確さどの程度の速さで弾きたいかにもよります。 後でお話しますが、たぶん正統派の奏法で弾けるようになるのは残念ながらかなり困難なように思います。


●テルミンについてはてるみんるーむをどうぞ

慢性

2005-02-04 | リウマチ

「関節リウマチ」はちょっと前までは「慢性関節リウマチ」という病名だった。 2002年に慢性がはずされた。
早期治療で治る可能性があるからということと、患者に希望を与えるためだということなのだけれど・・・

はっきり言おう、これには嘘があるとわたしは思う。

リウマチの完治できない世界と治る可能性のある世界、これは別の世界ではなく連続した同じ世界なのだ。 昨日までは「治らないんだからわがまま言うな」だったのが、今日からは「治るんだからそう思うべきだ」に切り替えでーすと言われて、「はい、希望を持ちます」とお目目を輝かせるケナゲな患者には、わたしはなれそうもない。
かと言って別に希望を失ってグレているわけではなくて、現実に則して淡々と暮らしているだけだ。 あまりに非現実的な夢を見すぎるとアブナイ人になってしまう。(ーー;

新しい薬もできて治療は変わり、治る病気になったのだと言うけれど、それは医療側からのマクロ的な見方だ。 個々の患者の立場でミクロ的に見れば、まだそういう状況には至っていない。 それどころかなすすべもなく悪化の一途をたどる人も少なくない。 完治にはあくまでも早期発見・早期治療が前提なのだ。

わたしの場合を愚痴ってみれば・・・せっかく早期の発見だったのに、治療は早期どころか何年も治療してもらえなかった。 今後寛解したとしても、壊れた関節は元には戻らないし、今までの問題点が取り戻せるわけではない。 いまさら間に合わない事柄というものは確実に存在する。
そのころはCRPだけが重視される時代だったのだと思うし、色々な理由が絡んだ結果のこと、もちろんわたしはそのへんを割り引いて考えている。 恨み言をいうつもりはない。
しかし、そんな時代があったことさえ忘れたような喜びようは何なのだ? 「もっと悪くならないと何もすることはない」と言った同じ口が「早期発見・早期治療が重要だ」なんて、今さら偉そうに何を言うか!

おっと、つい激昂してしまった。(^^;ゞ

でも正直なところ、病歴が長くなっている患者は今さら治らないからつまらないんですよね? もう古くなってしまった患者のことなんか忘れて、新しい患者でチャレンジして成功すればいいんだってことですよね?・・・わたしたちはそんないらない患者だ。

ところが、肝心の新薬は重症の患者に限っての使用(理由は国の台所事情)で、せっかく早期発見されたのに使えずにがっかりしたという人も多い。 相変わらず診断直後は様子見で、X線に変化が出てないから治療必要ないと言い放つ医師もいるとかで、日本の医療現場では本当の早期の患者はいないも同然という話も聞く。

もう、いったい誰を治す気でいるのだろう?と思う・・・医療の進歩はあまりこっちを向いているとは思えない。

無論、医師が全員そう考えているとは思わない。 現場では真剣に取り組んでくれていることはわかっている。 治療の進歩も評価できる、全く恩恵がないわけではない。 けれど、全てが解決して100% HAPPYというわけにはいかない。

医療の進歩を強調したい気持ちはわかるが、まだ慢性をはずすべきじゃなかったんじゃないかと思う。
元々、誤解されやすい病気だけど、場合によってはもっと悪い状況になるのではないかと心配。
病名から慢性が消えて、新聞にも治るようになったと書いてあったのに、治らないのは患者自身の努力が足りないからではと言われそうだ。

つまりは・・・ほとんどの患者にとってはいままでもこれからもずっと慢性なのだと思う。


椰子・椰子

2005-02-02 | 



椰子・椰子 川上 弘美 (著), 山口 マオ (絵)

大人になると飛ぶ夢はあまり見なくなるそうだ。 でもわたしは相変わらずポカンと浮かんでいて、地上から30cm~3mくらいのところを手でヨイショっと漕ぐと進んだりしている。

さて、蛇を踏むで芥川賞を受賞した川上さんのこの本、へんてこな夢を見るのはわたしだけじゃないんだ、と安心する。
絵本風の日記形式になっていて、間に短編が5つ入っていて、シュールな絵は文庫版
でも充分楽しめる。

これもおやすみ絵本かな、大人のための。 なぜおやすみ絵本なのかは、あとがきを読むとわかる。

ところで上の写真の木の実、子供のときから持っていて、彫られた模様からずっと椰子の実のような気でいたけれど、長さは3cmほどで、椰子の実がこんな小さなわけはない。 いったい何の実だろう?