7月30日のフレンズ・オブ・テルミンのサロンはが正式発足したのは10年記念の『テルミンがやってきた日』と題された企画でした。
前半はテルミンのために書かれた作品6曲を3名の奏者が演奏、ありがたいことに、そのうち2曲はわたしが演奏させていただきました。
後半は日本におけるテルミンの歴史を振り返る研究発表で、場内は「そうだったのか!」や「うんうん」「そうそう(身につまされる(^^;)」という反応で満たされました。
おかげさまで盛況で、ちょっとアカデミックで、いい感じにマニアックな大阪サロン、そこに参加させていただけたことはとても楽しい経験でした。
さて、わたし自身もテルミンを弾き始めてそろそろ10年、この間にテルミンという楽器のの知名度はがだいぶん上がったなぁと思います。 でも、テルミンのために書かれた作品となると、あまり知られていなくて、演奏される機会も多くはありません。
7月のサロンではそんな中から選ばれた新旧6曲の生演奏だったわけですが・・・実は、わたしの以前からのレパートリーにもテルミンのために書かれた作品が存在しています!
それは、 Jun Yamamoto 作曲のA Rose for Ecclesiastes 「伝道の書に捧げる薔薇」(3つのジムノペディ)-テルミンとピアノのための (2005)です。
この曲はJun Yamamoto が過去に築いたアイデアも取り入れられてはいますが、わたしがテルミンで弾くために纏め上げられて、2005年5月に東京で開いた三毛子とテルミンのやさしい時間と題したライブで初演し、テルミンとシンセサイザーによる演奏を2006年1月にネット上にUPしていました。
そして今回、テルミンとピアノによる演奏を新たに録音しました。
以下、Jun Yamamoto本人による解説です。
ロジャー・ゼラズニーの同名の小説"A Rose for Ecclesiastes"(1963)に想を得た作品です。原作の小説は火星を舞台にしたとても幻想的にしてセンス・オブ・ワンダーに富んだ傑作です。日本語訳はハヤカワ文庫で浅倉久志さん他の翻訳で出版されましたが現在は絶版のようです。英語原文がこちらで読めます。
本作品はエリック・サティーの「ジムノペディー」の形式を借りた、異世界(火星)の舞曲として、独特の浮遊感をもつテルミンの音色を最大限生かすべく発想しました。いずれもA-B-Aの三部形式によるゆったりしたテンポの3曲からなり、各曲の タイトルは1. M'Cwyie 2. Braxa 3. A Rose です。
第1曲 M’Cwyieは主人公の考古学者の名前です。曲はaを主音とするロクリア旋法を使ってはじまり、再現部では同じ旋律をエオリア旋法で回想します。
第2曲 Braxaはヒロインの火星の舞姫の名前です。この曲はもともとフルートとピアノのための4つの小品の第二曲として書きました。曲はfを中心音とするリディア旋法を使ってはじまります。
第3曲 A Roseは火星において再生された地球の薔薇を指します。さまざまな旋法を組み合わせ、転調を多用して書きました。
第1曲 M’Cwyie
第2曲 Braxa
第3曲 A Rose
↑それぞれ曲名をクリックすると「MUSIC TRACK」のページが開きます
YouTubeでは3曲続けて聴けます
わたしは、テルミンで演奏するのは絶対にテルミンのために書かれた曲でなければならないとは思いませんし、新しい曲でなければならないとも思いません。 他の楽器のために書かれた従来の曲であったとしても、演奏したいと感じ、美しかったり面白味があったりすることで新たな音楽が産まれるのはこの楽器に限ったことではありません。 でも、今まで何かと不運な境遇(特に日本において)だったテルミンのために、今後も多くの素晴らしい曲が書かれて、マボロシでない楽器として存在し続けていってほしいと思います。
前半はテルミンのために書かれた作品6曲を3名の奏者が演奏、ありがたいことに、そのうち2曲はわたしが演奏させていただきました。
後半は日本におけるテルミンの歴史を振り返る研究発表で、場内は「そうだったのか!」や「うんうん」「そうそう(身につまされる(^^;)」という反応で満たされました。
おかげさまで盛況で、ちょっとアカデミックで、いい感じにマニアックな大阪サロン、そこに参加させていただけたことはとても楽しい経験でした。
さて、わたし自身もテルミンを弾き始めてそろそろ10年、この間にテルミンという楽器のの知名度はがだいぶん上がったなぁと思います。 でも、テルミンのために書かれた作品となると、あまり知られていなくて、演奏される機会も多くはありません。
7月のサロンではそんな中から選ばれた新旧6曲の生演奏だったわけですが・・・実は、わたしの以前からのレパートリーにもテルミンのために書かれた作品が存在しています!
それは、 Jun Yamamoto 作曲のA Rose for Ecclesiastes 「伝道の書に捧げる薔薇」(3つのジムノペディ)-テルミンとピアノのための (2005)です。
この曲はJun Yamamoto が過去に築いたアイデアも取り入れられてはいますが、わたしがテルミンで弾くために纏め上げられて、2005年5月に東京で開いた三毛子とテルミンのやさしい時間と題したライブで初演し、テルミンとシンセサイザーによる演奏を2006年1月にネット上にUPしていました。
そして今回、テルミンとピアノによる演奏を新たに録音しました。
以下、Jun Yamamoto本人による解説です。
ロジャー・ゼラズニーの同名の小説"A Rose for Ecclesiastes"(1963)に想を得た作品です。原作の小説は火星を舞台にしたとても幻想的にしてセンス・オブ・ワンダーに富んだ傑作です。日本語訳はハヤカワ文庫で浅倉久志さん他の翻訳で出版されましたが現在は絶版のようです。英語原文がこちらで読めます。
本作品はエリック・サティーの「ジムノペディー」の形式を借りた、異世界(火星)の舞曲として、独特の浮遊感をもつテルミンの音色を最大限生かすべく発想しました。いずれもA-B-Aの三部形式によるゆったりしたテンポの3曲からなり、各曲の タイトルは1. M'Cwyie 2. Braxa 3. A Rose です。
第1曲 M’Cwyieは主人公の考古学者の名前です。曲はaを主音とするロクリア旋法を使ってはじまり、再現部では同じ旋律をエオリア旋法で回想します。
第2曲 Braxaはヒロインの火星の舞姫の名前です。この曲はもともとフルートとピアノのための4つの小品の第二曲として書きました。曲はfを中心音とするリディア旋法を使ってはじまります。
第3曲 A Roseは火星において再生された地球の薔薇を指します。さまざまな旋法を組み合わせ、転調を多用して書きました。
第1曲 M’Cwyie
第2曲 Braxa
第3曲 A Rose
↑それぞれ曲名をクリックすると「MUSIC TRACK」のページが開きます
YouTubeでは3曲続けて聴けます
わたしは、テルミンで演奏するのは絶対にテルミンのために書かれた曲でなければならないとは思いませんし、新しい曲でなければならないとも思いません。 他の楽器のために書かれた従来の曲であったとしても、演奏したいと感じ、美しかったり面白味があったりすることで新たな音楽が産まれるのはこの楽器に限ったことではありません。 でも、今まで何かと不運な境遇(特に日本において)だったテルミンのために、今後も多くの素晴らしい曲が書かれて、マボロシでない楽器として存在し続けていってほしいと思います。