Miquette’s assortment

みけこの詰め合わせ

溝口さんの画曲集 「Tayutau」

2008-07-26 | テルミン
Tayutau―テルミンの小品と光の絵画
Tayutau―テルミンの小品と光の絵画


やっと来ました! 溝口竜也さん(テルミン奏者)の本、正確には徳永雅之さん(美術家)との共著です。

出版についてご家族からお話はおうかがいしていたので、まえもってAmazonで予約しようとしたのですが、まだには掲載されていなかったので、近くの書店で予約していました。 「この方法が一番早く入手できますよね?」と書店に確認していたものの、発売日の18日から一週間待ちました。 結局は発売日に掲載開始だったAmazonのほうが早かったかも? でも、とにかく無事手元にやって来ました。

溝口さんは、わたしにとってテルミン演奏の先輩にあたる方です。 わたしはまだテルミンを始めたばかり(4ヶ月)なのに、うっかりフレンズ・オブ・テルミンの発表会に出てしまい(ほぽ全員参加と勘違い)ました。(^^; その時に、溝口さんがオリジナル曲を演奏されたこと、そしてお話できたこと、今でもとても鮮明に憶えています。 もう6年前の春先のことでした。
でも、溝口さんは2003年に亡くなられてしまって、今はもうお会いすることができません。 2004年にリリースされたCDである「GIFT~溝口竜也テルミン作品集」で、演奏を聴くことはできるのですが。

A Booklet for Thereminで、このたびのこの本を心待ちにしていました。
この本は、画曲集と銘打たれているように、画集であり曲集でもあります。 ページを繰ると、徳永さんの絵画作品と溝口さんのテルミンのための曲の楽譜(ピアノ伴奏含む)が交互に出てきます。 そして、テルミンのパート譜が別冊で付属しているんです。 小ぶりなサイズで、Etherwaveなどの上にも置いて見ながら弾けます。

徳永さんのエアブラシによる作品は、何か具体的なものが描かれているわけではありません。 何かに似ているようにも思えるけれど、何かではなく、色・光・形そのもの。 テルミンの音が何かに似てるけれど、何の音でもないように。 踊ったり、たたずんだり、一瞬その姿を見せた後、またたゆたって別の姿に変わっていくような、そんなふうに感じました。 テルミンの音もまたそんなものかもしれません。 ページを繰りながら、溝口さんの曲が頭の中に響きます。
楽譜を読むのはちょっと・・・と、思われる方には、ぜひCDも買って、溝口さんの演奏を聴きながら鑑賞されるのがおすすめだと思います。

溝口さんとの思い出のある奏者の方々、この本で初めて溝口さんと出会われる方々、それぞれがそれぞれの想いで作品の演奏を楽しまれることと思います。 わたしも、もちろん挑戦してみるつもりです。



テルミン奏者、溝口竜也さんのオフィシャルサイトはこちらです。 今回の画曲集、2004年のCDについての詳しい情報などもこちらでどうぞ。

美術家、徳永雅之さんのオフィシャルサイトはこちらです。

てるみんるーむに新しい曲「ブラジル」を追加しました

2008-07-10 | テルミン
てるみんるーむに新しい曲、Ary Barrosoの「ブラジル」を追加しました←曲名をクリックすると「MUSIC TRACK」のページが開きます

梅雨も、もう後半ですね、わたしがこんな季節に似合うと思っている曲をお届けします。
Barrosoが雨の夜に書いたというこの曲、元のタイトルは「ブラジルの水彩画」という意味だそうです。 しっとりとたゆたうような感じのテルミンで弾いてみました。

あと、わたしがこの曲で想い出すものといえば、テリー・ギリアムの映画『未来世紀ブラジル』です。 特にラストシーンで虚しく明るく流れるのが印象的でした。

ビロードのうさぎ

2008-07-06 | 
ビロードのうさぎ
ビロードのうさぎ(マージェリィ・W・ビアンコ/原作 酒井駒子/絵・抄訳 ブロンズ新社)


先週末、うさぎさんが届きました! とは言っても、うさぎはうさぎでも、絵本のうさぎさん。

「The Velveteen rabbit」 このお話は、Margery Williams Bianco(マージェリィ・ウィリアムズ・ビアンコ)が1922年に書いたもので、日本でも1953年に石井桃子さんが訳されて以来、読み継がれてきたお話で・・・ということは、わたしは全然知らなくて・・・昨年、この「ビロードのうさぎ」が新しく出版されたときのエピソードで知って、ぜひこの挿絵で読みたいと思い、ほしい本のリストに入れていました。
でも、まだ買っていないままだったところ、ある方からプレゼントしていただいたんです。 何かの記念日とかではなく、だれかにこの絵本のことを話したこともなかったのに、なんてすてきな偶然!

絵本をくださった方は、何年もお会いできていなくて、先日これまた偶然の再会をした方。 わたしからおねだりしたわけではなく、別の件のお知らせと一緒に送ってくださったんです。

あらすじを語ってしまうのは避けますが、アンデルセンの鉛の兵隊やコッローディのピノキオを思い出すような感じかな。 ある小さなぼうやに、クリスマスに贈られた、ビロードのうさぎに奇跡が起こるお話です。
わたしは奇跡という言葉はあまり好きではないのですが、この場合は、まさにウマのおもちゃの言うところの「子どもべやの魔法」であって、科学的に事実かどうかとかは問題ではないと思います。

「ほんもとうのもの」って、なんだろうというお話です。 大人には小さなころにおもちゃに対して抱いていた気持を思い起こさせる作品だと思います。 現役の子どもたちにも愛されている作品だそうですが、どんなふうに感じられているのでしょうね。

この版は酒井駒子さんによる新たな抄訳で、石井桃子さんの訳されたもとの長さのビロードうさぎに比べてだいぶん短いのですが、元のお話の雰囲気が驚くほどに失われていません。 子どもたちが自分で読むにもちょうどいい分量になっていると思います。 絵も酒井さんで、パステル画が素敵です。 もちろんうさぎもかわいいけど、ぼうやの幼い子どもならではの姿がとてもよくの描かれています、ちょっとレトロなお洋服とかも好き。

わたしが小さなころ、お散歩させてボロボロになって、それでもまだ散歩させてた犬のポーキーちゃんも、ほんとうの犬になったかな? そのままピンク色のわんちゃんだったらビックリですが、ふふふっ。