テルミンってどんな楽器
テルミンはロシアの物理学者レフ・セルゲイヴィッチ・テルミン博士が1920年に発明した世界最古の電子楽器です。 日本では2001年に映画『テルミン』が公開されて静かなブームになりました。 くわしい歴史などについてはインターネットで調べていただいたり、竹内正実さんのテルミン―エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男などの書籍を読んでいただけばわかりますので、割愛します。
まあ、シンセサイザーのご先祖様といったところでしょうか。 1つの楽器では単音しか出せません、初期の頃のシンセサイザーもそうでしたが。 電子楽器というと固い音や刺激的な音を想像されるかと思いますが、テルミンでは優しい音色で柔らかなメロディーを奏でることができます。 カッチリした演奏をすることのほうがよほど難しいのです。
テルミンは触れないで演奏する楽器ですが、電気的には人間の身体も楽器の一部として働いています。 そのことから、体格や体温などによって音色に個性が出るとも言われています。 一部になるといっても恐ろしいことは何もありません、感電したりもしません。(笑)
したがって楽器に触れることによって発生する痛みはありません。 でも、関節も筋肉も使いますから、全く負担がないとは言えません。
標準的なテルミンは箱型の本体に、ピッチアンテナ(右に縦向き)とボリュームアンテナ(左に横向きのループ型)の2本のアンテナがついています。 電子楽器ですから、電源スイッチや音色を調整するつまみなど機種によって色々とついていますが、さほど多くはありません。 この写真はわたしのEtherwave(イーサウェーヴ)、ポピュラーな入門機です。
なお、テルミンにはTOYテルミンと呼ばれる手軽な種類のものもあり、ピッチアンテナ1本のみ、あるいは見かけ上アンテナがないものが多いです。 竹内正実さんのMandarin Electronのマトリョミン、石橋楽器店のイシバシ・テルミンなどがそうです。