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『ワインは期待と現実の味』

2021年12月02日 | 映画(わ行)
『ワインは期待と現実の味』(原題:Uncorked)
監督:プレンティス・ペニー
出演:マムドゥ・アチー,コートニー・B・ヴァンス,ニーシー・ナッシュ,マット・マクゴーリ,
   サーシャ・コンペア,ギル・オゼリ,ケリー・ジェンレット,マシュー・グレイヴ他
 
お風呂上がりに母から電話。髪の毛拭かずに話し込んだらハナ垂れた。
こんなんでは劇場に行けないから、やっぱり家でNetflix
 
2020年のアメリカ作品。2020年3月からNetflixにて独占配信中らしい。
それにしてもこの邦題はイケてるのかイケてないのか。
確かに原題の“Uncorked”をそのまま片仮名書きされても興味を惹かれるか微妙だけれど。
邦題に釣られて観ました。正解でした。
 
青年エライジャの実家は、祖父から父親ルイスが引き継いだバーベキューレストラン。
ルイスはエライジャに継がせたいと考えているが、エライジャにそのつもりはない。
 
バーベキューレストランを手伝いながら、近所のワインショップでも働いているエライジャは、
現在ワインにのめり込んでおり、彼の夢はマスターソムリエになること。
その想いをルイスに語るも、「バーベキューにワインは必要ない」。
しかし、母親シルヴィアは息子の気持ちを理解し、挑戦すればいいと思っている。
 
勤務先のワインショップのソムリエであるレイランにエライジャが相談したところ、
マスターソムリエスクールのことを教えられ、ぜひ通いたいと思う。
実家での仕事には迷惑をかけないとの条件付きで、スクールに通いはじめるエライジャだが……。
 
序盤、ワインショップでのエライジャと女性客の会話からもう楽しい。
ノリノリで「オススメは?」と聞く客に、好みを尋ねるエライジャ。
すると客は困った顔をして「ワインに詳しくないの」と答えます。
エライジャは彼女にヒップホップが好きかどうかを聞き、
シャルドネ、ピノグリージョ、リースリングをヒップホップシンガーに例えて説明。
これがきっかけでエライジャと彼女、ターニャはつきあうようになります。
 
エライジャは黒人で、父親はワインを飲む人に偏見がある。
一族みんなこれまでワインに縁がなかったから、
エライジャが「ソムリエ」と言うのを「ソマリア」と聞き間違える始末。
ビールを飲んでりゃいいんだという彼らの概念を変えるのはなかなか大変。
 
バーベキューレストランで出す肉を燻製するために、
ヒッコリーやリンゴなどのスモークウッドを買い付けに行くシーンも
映画では観たことがなかったので面白かったです。
 
そんな一家の事情もまじえながら、マスターソムリエスクールの様子も描かれます。
費用もかかるし、かよったからって試験合格が確約されるわけでもなし。
スクールの生徒でいちばん優秀だと思われたハーバード大卒の青年が
父親がコネを持つ会社への就職を余儀なくされてソムリエになるのを断念したり、厳しい。
 
ワインに見向きもしなかった父親が、やがて息子を応援し、
バーベキューレストランの厨房でも試験対策のための質疑応答を始める。
息子が試験のために滞在中の高級ホテルにサプライズで訪れた父親が、
「駐車サービスの料金に驚いた。あんな値段を取るなら、
ハル・ベリーでも乗ってなきゃ割に合わん」とぼやくのが可笑しかった。
バローロをふたりで開けるシーンがとても好きです。
 
合格じゃないんだ~とがっかりしましたが、そんなに上手くは行かないか。
しばらくアルコールはやめておこうと思っていたのに、
本作を観ていたら我慢できなくなって、抜栓しちゃったよぉ。

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